第二の人生は王子様の花嫁でした。

あいえだ

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本編

エルンストの旅立ち

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俺はベンにドラゴンが快諾したことを話した。

「俺は構わないぜレイ。弟子にするかは別として、金のドラゴンも同行するってんなら好都合だ。エルンストはガルデスフィールの王子だし、我がトレジャーハンターの一族としては大歓迎。なあエリアス」

ダリウスがケラケラと笑いながらエルンストの頭を撫で、竜騎士のエリアスも頷いた。

「俺はわが一族を束ねるダリウスの判断ならば従うだけだ。ドラゴンが参加するのであれば大変な戦力にもなる。なあ、カイザー」

エリアスが自分のドラゴンであるカイザーにそう言い、カイザーが真っ黒な大きな翼を広げる。すると彼はカイザーの鞍に鮮やかに飛び乗った。

「一件落着しそうだし、俺はもう用はなさそうだ。…戻ってそのエルンストを受け入れる準備をしておこう」
「ああ、たのむ。シンの剣、特には使わなかったが…来てくれてよかった」

ダリウスが剣を放り投げてエリアスは難なく受け取った。

「これは…本当は使わないほうがいい。戦いはどんな形であれ人の心を蝕む。レイはそんなこと、知らなくていいんだ」

シン…っていうのはおそらくあの剣ちゃんの持ち主だ。エリアスの大切な人なんだろうな。

「じゃ、俺はいくよ、レイ、またいつか」

そう言うなり黒いドラゴンカイザーがふわりと宙に浮かび、踵をかえすといっきにジェット噴射のようにすごい速さでとび去っていった。

ど、ドラゴンって…あんなに飛べるんだ。すごいな。

『では、レイ、私も行く。…何かあればすぐに呼べ、すぐに駆けつけよう。わたしはお前の味方だ』

金のドラゴンが翼を何度かはためかせて俺にそう言った。ダリウスがエルンストの手を引き、ドラゴンの背に乗せると自身も後ろに乗り込む。

ふわり、と金のドラゴンが浮き上がった。

『ベンに不満があればいつでも迎えに来る。レイ、また会いにいく…。お前は不思議な力をもっている、それを存分に使え』
「じゃーなレイ!また王宮に遊びにいくからな!」

ドラゴンとダリウスが俺に別れを告げた。エルンストはわくわくした気持ちを隠しきれないようで、だけど泣きそうになりながら俺とベンに思いきり手を振った。

「いってきます!いろいろありがとう!…ベン!父上とシュワルツによろしく」
「ああ、…お前の両親だ、きっと応援してるから!たまにはシュワルツに顔を見せに帰ってこい」
「うん!」

そして一行は行ってしまった。

俺は耐えきれずにベンの腕をぎゅっと抱き締めてしまった。

「…レイ?どうした?」

ベンが俺の顔を覗きこむ。

「両親って言ったりして…やっぱりベンは優しい、大好き…!」
「シュワルツもそういう気持ちだろうと思ってな…。俺だって弟を想う気持ちくらいはある」
「ベン…好き」
「えっ…」

俺の告白にベンが真っ赤になった。あまりにも素直な反応に俺のほうがびっくりして彼を見上げ、不思議そうな顔をしてしまった。しどろもどろになりながらベンが俺にいいわけをした。

「いや…その、レイに会うの久しぶりすぎだし…そしたら、そんないきなり不意打ち…!」

かぁぁっ、と赤くなるベンが止まらない。え、やだ、そんな風に見つめられると俺のほうもだんだん意識をしてきた。

「これは父上所有の屋敷だ。今日はもうここで泊まるか。アル、予定は差し支えないか?」

え?ここに?

ベンが近くにいた騎士のアルに話しかけると彼は即答した。

「屋敷の者にベン様が本日お使いになられると伝えてきます。もう罪人は逮捕済み、ゆっくり王宮に戻られては?差し出がましいことを申し上げますが、陛下もシュワルツ様も、やっと待ち望んだ幸せをお二人で乾杯なさりたいでしょうし」
「ああ…そうだな。両親の邪魔はしたくない、今は帰らないほうがいいかもな」

ベンがクスッと笑いながら俺の腰を抱き、そう言った。














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