第二の人生は王子様の花嫁でした。

あいえだ

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本編

一筋の光

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「無礼をお許しください」

パァン!

そう言ったエルンストを今度はアルがひっぱたいた。めちゃめちゃ顔が無表情だ。

「レイを襲いに来といて止めてほしかったってのに腹が立ちまして…失礼」

あっ、それな。俺も思った。

だまって殴られているエルンストが悔しげに唇を噛む。右も左も俺たち二人に殴られて真っ赤になっている。
俺、結構な力でひっぱたいたからなぁ…。

今度は反対を腕力のありそうなアルに容赦なくやられて、あれは相当痛いだろうな。
でもやりすぎたとは思わない。彼が俺にしたことは許されないもん!

「甘えんな、って言うんだろ?わかってるさ」
「ピンポン正解。自覚はあるのですね」

震える声でエルンストがそう答え、アルがご名答、といわんばかりに彼を指差した。

「…世の中には頑張れない人種もいるんだよ、生まれたときから恵まれた、腹違いの出来のいい兄二人と比べられて競わされて…好きな人さえ傷つけられても無力で動けないんだ。生まれたときから逆らうこともできず、押さえつけられて…そんな人間の気持ちなんてわからないだろ?俺がヴォルフやベンの勝ち組の気持ちがわからないように、お前らだって俺の気持ちなんてわからないんだよ」

あきらめたようにエルンストが笑う。

「…助けて、って誰にも言わなかったの?」
「友達なんていないもん」

まあ、そうだね、その性格じゃいないんだろうけれども…。

「手をさしのべてくれる人にも気づいてないんじゃないの?してほしいって求めてばかりじゃない?誰かのために自分が何かしようとしたことはある?」

これは俺の経験談だ。元婚約者は俺に求めるばかりで与えはしなかった。求めたものと少しでも違えば俺は殴られて、罵詈雑言が待っていた。そしてそれを繕うつもりなのかそのあと過剰に俺を抱いた。ただただ虚無感と怖気がするだけだった。
昔は何度も逃げたいと思ったけれど、どこにも行けないし、慣れてしまってもう逃げる気持ちも失せていたときにベンに救われた。

でも、今ならわかる。一人でも逃げることは簡単だったんだ。あのときはそれが見えなかっただけなのだ。

俺はラッキーだったんだな。ベンという光が現れた。

エルンストには好きなものもないのだろうか。

そうしているうちに陛下の部屋まできてしまった。さすがにエルンストは凍りついたようになり、少し震えていた。

アルはエルンストを突きだして弾劾するつもりなのだろうな。俺を襲おうとしたことを知ったらベンが激昂するのは目に見えている、

それにしても、毒親すぎんだろ皇后…。

それに、陛下も。

エルンストは悪い、確かに悪いよそれは認める。
俺は悶々とした気持ちで陛下の部屋のドアを開けるとそこには。

陛下とシュワルツはいいとして。

ベン、ヴォルフ、そして何故かクレオンまでもが勢揃いしていた。













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