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第10話 終わりの始まり 俯瞰視点
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「兄上。貴方達には今すぐ、ここから出ていってもらいます」
突然お屋敷にやって来た、実弟ケビーとジョン。ふたりはマリオンとロークとリリアンを見つけるや、玄関部の扉を真っすぐ指差しました。
今やすっかり悪評だらけになった人間達がトップを務めていたら、ランファーズ家は取り返しのつかないことになってしまう。
弟や親族達はダメージを最小限で抑えるべく、即座に『追放』を決めていたのです。
「マリオンを甘やかせたせいで、大変なことになってしまった。その責任はしっかり取ってもらいますよ」
「兄さん達がエミリーを虐げたせいで、一族中大騒ぎですよ。迷惑をかけた責任をとっていただきます」
「まっ、待ってくれっ。お前達だってエミリーへのアレコレは知っていたじゃないかっ!」
「そうよっ。見て見ぬふりをしていたじゃないのっ!」
「同罪ですわ!! なに無関係を装ってるのよ!!」
ケビ―やジョンを含め一族全員がエミリーへの仕打ちを知っていたものの、自分には関係のないことなため黙っていました。
お前達が止めていればこんなことになっていなかった――。責任はお前達にもある――。
3人はそう訴えますが、
「その証拠はありますか? 言いがかりはやめていただきたい」
「全ては、わたし達の見てないところで行われていた。それを知る由はありませんよ」
ケビ―とジョンは――一族全員が、ローク達と似たような考えの持ち主でした。
そのため真実は闇に葬られ、その訴えが認められることはありませんでした。
「き、貴様ら……!! 自分達だけ助かるつもりか!!」
「ふざけないで!! 許さないわよ!!」
「そうよ!! 許されると思って――」
「貴方達に許してもらわなくて結構。……さて、そろそろお喋りは終わりにしましょうか」
「これから私達は、兄さん達の尻ぬぐいをしないといけないんですよ。そこに居られると邪魔です。早々に出ていってください」
少しでも印象を良くするために、お金も食べ物も生活に必要な道具も一切渡さない。マリオン達はあの日エミリーに行ったことと全く同じ条件で、追い出される羽目になりました。
「待て!! 認めんぞ――」
「はぁ。ですから、そちらの意見は関係ないと言ったはずですよ」
「兄さん、義姉さん、マリオン。お別れの時間です。さようなら」
3人は揃って抵抗するも、使用人達に――すでにケビーの傘下に入っている者達によって引きずり出され、あの時のように、まるでゴミ袋を扱うように放り出されてしまいました。
こうして3人は、あっという間に何もかもを失ってしまい――
突然お屋敷にやって来た、実弟ケビーとジョン。ふたりはマリオンとロークとリリアンを見つけるや、玄関部の扉を真っすぐ指差しました。
今やすっかり悪評だらけになった人間達がトップを務めていたら、ランファーズ家は取り返しのつかないことになってしまう。
弟や親族達はダメージを最小限で抑えるべく、即座に『追放』を決めていたのです。
「マリオンを甘やかせたせいで、大変なことになってしまった。その責任はしっかり取ってもらいますよ」
「兄さん達がエミリーを虐げたせいで、一族中大騒ぎですよ。迷惑をかけた責任をとっていただきます」
「まっ、待ってくれっ。お前達だってエミリーへのアレコレは知っていたじゃないかっ!」
「そうよっ。見て見ぬふりをしていたじゃないのっ!」
「同罪ですわ!! なに無関係を装ってるのよ!!」
ケビ―やジョンを含め一族全員がエミリーへの仕打ちを知っていたものの、自分には関係のないことなため黙っていました。
お前達が止めていればこんなことになっていなかった――。責任はお前達にもある――。
3人はそう訴えますが、
「その証拠はありますか? 言いがかりはやめていただきたい」
「全ては、わたし達の見てないところで行われていた。それを知る由はありませんよ」
ケビ―とジョンは――一族全員が、ローク達と似たような考えの持ち主でした。
そのため真実は闇に葬られ、その訴えが認められることはありませんでした。
「き、貴様ら……!! 自分達だけ助かるつもりか!!」
「ふざけないで!! 許さないわよ!!」
「そうよ!! 許されると思って――」
「貴方達に許してもらわなくて結構。……さて、そろそろお喋りは終わりにしましょうか」
「これから私達は、兄さん達の尻ぬぐいをしないといけないんですよ。そこに居られると邪魔です。早々に出ていってください」
少しでも印象を良くするために、お金も食べ物も生活に必要な道具も一切渡さない。マリオン達はあの日エミリーに行ったことと全く同じ条件で、追い出される羽目になりました。
「待て!! 認めんぞ――」
「はぁ。ですから、そちらの意見は関係ないと言ったはずですよ」
「兄さん、義姉さん、マリオン。お別れの時間です。さようなら」
3人は揃って抵抗するも、使用人達に――すでにケビーの傘下に入っている者達によって引きずり出され、あの時のように、まるでゴミ袋を扱うように放り出されてしまいました。
こうして3人は、あっという間に何もかもを失ってしまい――
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