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第4話 出逢い リュクレース視点(2)
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「お気遣いありがとうございます。大丈夫ですよ。今日このあとも、ミシェルが来ることはありませんから」
余計なことを口走ってしまいました――。辞退する前に気付くべきでした――。
心の中で激しく後悔していたら、穏やかな微笑みがやって来ました。
「近々公表されることですし、先にお伝えしておきましょうか。とある事情により、僕達の婚約は昨日解消となったのですよ」
……やっぱり、そうでした……。
本日はご一緒なはずなのに、あのラワトルス様がこの場にいらっしゃらない。
信じられないのですが、浮かんでいたものが現実に起きていたようです……。
「ですので、お気遣いは不要なんです。よかったらいかがですか?」
「はい、是非ご一緒させてください。……実を言いますとわたしも先日婚約が白紙になってしまっておりまして、来訪の一番の目的は気分転換だったのです。誘っていただけて幸せです」
あちらだけ伝えてこちらは伝えないのは、平等ではありませんよね。同じく近々公表されるものですし、言える範囲でしっかりとお伝えさせてもらいました。
「そうでしたか、喜んでいただけてよかった。ではあとでご案内しますね」
「楽しみにしております。ふふ。楽しみが1つ増えて、2つになりました」
「僕も、1つ増えて2つ。贅沢な日になりましたよ」
お互い指を2本立てて笑い合い、せっかくですので、一緒に湖畔を歩くことにしました。
「………………リュクレース様が、仰っていた通りですね。心が洗われます」
「こんなにも澄んでいる水は、わたしも他に見たことがありません。この国で有名な作曲家が、生涯魅了され続けたのも納得です」
「この光景、感じたものを、音で表現できてしまえる。しかも様々なフォーマットで発表されている。改めて、ベルデール様の偉大さを感じます」
「『フランス語で清廉』、これ以上に相応しい題はありませんね。この景色を見た上であの曲を改めて聴くと、色々と違って聴こえるのでしょうし、演奏も違うものになるのでしょうね」
「新しい発見や共感できる部分がたくさん出てきますし、特別変わったことをしていないのに音の質が変わった――フィリベール様もきっと、変わると思いますよ。わたしはこの景色を実際に見てから『インテグリティ』が更に好きになりましたし、弾く回数も増えました」
「そのお気持ち、よく分かります。僕自身も今まで以上に理解を深めたくなっていますし、この気持ちを早く演奏に落とし込みたいとも思っています。目の前にピアノがあったらすぐ弾いていますよ」
「初めて訪れた際は、わたしも同じことを思いました。すぐに弾きたくなりますよね」
「水もそうですが、空気も美味しいですね。ずっと吸っていたくなります」
「水と同じように、空気も澄んでいますよね。一部の方々の間では、万病に効く、と言われているそうですよ」
「へぇ、そうなのですか。この透明感、確かに効きそうですね」
「あちらで頼めば、船を出してもらえるみたいですね。外と内では景色も大きく異なるでしょうし、乗ってみませんか?」
「前回は時間的な問題もあって、興味はあったものの叶わなかったんです。はいっ、乗ってみましょうっ」
並んで歩きながら自然を満喫したり。一緒に船に乗り、お喋りをしながら湖に抱(いだ)かれたり。
フィリベール様のおかげで、これまでとは異なった――新しく楽しい時間を過ごすことができ、そんな時間はまだ終わりません。
たっぷりとマトローシュルズ湖を満喫したわたし達は、フィリベール様の先導で次の目的地を目指したのでした。
余計なことを口走ってしまいました――。辞退する前に気付くべきでした――。
心の中で激しく後悔していたら、穏やかな微笑みがやって来ました。
「近々公表されることですし、先にお伝えしておきましょうか。とある事情により、僕達の婚約は昨日解消となったのですよ」
……やっぱり、そうでした……。
本日はご一緒なはずなのに、あのラワトルス様がこの場にいらっしゃらない。
信じられないのですが、浮かんでいたものが現実に起きていたようです……。
「ですので、お気遣いは不要なんです。よかったらいかがですか?」
「はい、是非ご一緒させてください。……実を言いますとわたしも先日婚約が白紙になってしまっておりまして、来訪の一番の目的は気分転換だったのです。誘っていただけて幸せです」
あちらだけ伝えてこちらは伝えないのは、平等ではありませんよね。同じく近々公表されるものですし、言える範囲でしっかりとお伝えさせてもらいました。
「そうでしたか、喜んでいただけてよかった。ではあとでご案内しますね」
「楽しみにしております。ふふ。楽しみが1つ増えて、2つになりました」
「僕も、1つ増えて2つ。贅沢な日になりましたよ」
お互い指を2本立てて笑い合い、せっかくですので、一緒に湖畔を歩くことにしました。
「………………リュクレース様が、仰っていた通りですね。心が洗われます」
「こんなにも澄んでいる水は、わたしも他に見たことがありません。この国で有名な作曲家が、生涯魅了され続けたのも納得です」
「この光景、感じたものを、音で表現できてしまえる。しかも様々なフォーマットで発表されている。改めて、ベルデール様の偉大さを感じます」
「『フランス語で清廉』、これ以上に相応しい題はありませんね。この景色を見た上であの曲を改めて聴くと、色々と違って聴こえるのでしょうし、演奏も違うものになるのでしょうね」
「新しい発見や共感できる部分がたくさん出てきますし、特別変わったことをしていないのに音の質が変わった――フィリベール様もきっと、変わると思いますよ。わたしはこの景色を実際に見てから『インテグリティ』が更に好きになりましたし、弾く回数も増えました」
「そのお気持ち、よく分かります。僕自身も今まで以上に理解を深めたくなっていますし、この気持ちを早く演奏に落とし込みたいとも思っています。目の前にピアノがあったらすぐ弾いていますよ」
「初めて訪れた際は、わたしも同じことを思いました。すぐに弾きたくなりますよね」
「水もそうですが、空気も美味しいですね。ずっと吸っていたくなります」
「水と同じように、空気も澄んでいますよね。一部の方々の間では、万病に効く、と言われているそうですよ」
「へぇ、そうなのですか。この透明感、確かに効きそうですね」
「あちらで頼めば、船を出してもらえるみたいですね。外と内では景色も大きく異なるでしょうし、乗ってみませんか?」
「前回は時間的な問題もあって、興味はあったものの叶わなかったんです。はいっ、乗ってみましょうっ」
並んで歩きながら自然を満喫したり。一緒に船に乗り、お喋りをしながら湖に抱(いだ)かれたり。
フィリベール様のおかげで、これまでとは異なった――新しく楽しい時間を過ごすことができ、そんな時間はまだ終わりません。
たっぷりとマトローシュルズ湖を満喫したわたし達は、フィリベール様の先導で次の目的地を目指したのでした。
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