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第3話 わたしは怒っている アルマ視点(2)
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「殿下は陛下と。妃殿下は神殿長様と。第二王子殿下は第三王子殿下と。その他の方々は、隣にいる人と、交互に頬を三回叩き合ってください」
次にわたしが与えるのは、肉体へのダメージ。
自分がしたことは、どれだけのことなのか? それを実際に味わわせて、分からせる。
「なっ!? アルマっ! それはっ――」
「殿下、わたしが求めているのは反論ではありません。さあ、お願いします」
「まっ、待ってくれアルマっ! さっきのことはちゃんと謝ったじゃないか――」
「満足してはいないし許してもいない、と言いましたよね? さあ、お願いします」
悲鳴にも似た訴えに向け、淡々と首を左右に振る。そうしたらようやく観念して、全員が対象と向かい合った。
「……あ、アルマ……。ほ、本当に……。やらないといけないのか……? こんなことをしても――」
「何度も言わせないでください。さあ、お願いします」
「………………。わ、分かった。やる……。やるよ……」
ごくり、と。殿下は唾を呑み込んだあと、右手を振って――
ぺちん
陛下の頬に、平手打ちを行った。
そして次は、叩かれた陛下の右手が動いて――
ぺちん
今度は殿下へと平手打ちが行われ、至る場所で同じことが行われていった。
ぺちん ぺちん ぺちん ぺちん ぺちん
ぺちん ぺちん ぺちん ぺちん ぺちん
そうして――1分後、くらいだと思う。全員が指定された回数平手打ちを行って、殿下がわたしを見つめてきた。
「はいっ、言われた通りやったよ! 今度こそ満足してくれたよねっ? ねっ?」
「……………」
「アルマっ。もういいよねっ? ねっ?」
「いえ、まだですよ。複数個ある、と申し上げましたし――そもそも、二つ目はまだ終わっていないのですから」
「なんだって!? ちゃんと従ったのにっ。どうして駄目なんだい!?」
「……皆様が行われた平手打ち。その音が、ぺちん、だったからですよ」
マイユールとお父様がされた際は、バチン! という痛々しい音が響いた。
今行われた平手打ちは、その時の3分1も力が籠っていなかったんだもの。それで納得できるはずがない。
全員がさっきと同じ力量で叩(はた)き合うまで、終わらせない。
次にわたしが与えるのは、肉体へのダメージ。
自分がしたことは、どれだけのことなのか? それを実際に味わわせて、分からせる。
「なっ!? アルマっ! それはっ――」
「殿下、わたしが求めているのは反論ではありません。さあ、お願いします」
「まっ、待ってくれアルマっ! さっきのことはちゃんと謝ったじゃないか――」
「満足してはいないし許してもいない、と言いましたよね? さあ、お願いします」
悲鳴にも似た訴えに向け、淡々と首を左右に振る。そうしたらようやく観念して、全員が対象と向かい合った。
「……あ、アルマ……。ほ、本当に……。やらないといけないのか……? こんなことをしても――」
「何度も言わせないでください。さあ、お願いします」
「………………。わ、分かった。やる……。やるよ……」
ごくり、と。殿下は唾を呑み込んだあと、右手を振って――
ぺちん
陛下の頬に、平手打ちを行った。
そして次は、叩かれた陛下の右手が動いて――
ぺちん
今度は殿下へと平手打ちが行われ、至る場所で同じことが行われていった。
ぺちん ぺちん ぺちん ぺちん ぺちん
ぺちん ぺちん ぺちん ぺちん ぺちん
そうして――1分後、くらいだと思う。全員が指定された回数平手打ちを行って、殿下がわたしを見つめてきた。
「はいっ、言われた通りやったよ! 今度こそ満足してくれたよねっ? ねっ?」
「……………」
「アルマっ。もういいよねっ? ねっ?」
「いえ、まだですよ。複数個ある、と申し上げましたし――そもそも、二つ目はまだ終わっていないのですから」
「なんだって!? ちゃんと従ったのにっ。どうして駄目なんだい!?」
「……皆様が行われた平手打ち。その音が、ぺちん、だったからですよ」
マイユールとお父様がされた際は、バチン! という痛々しい音が響いた。
今行われた平手打ちは、その時の3分1も力が籠っていなかったんだもの。それで納得できるはずがない。
全員がさっきと同じ力量で叩(はた)き合うまで、終わらせない。
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