171 / 185
変化
しおりを挟む
監視カメラ映像を見ると、奥さんに使い方を教えてもらいDVDを見て田んぼ作りを勉強している。もちろん機械なんかなくて、全て手作業だ。
汚れたりするから、田んぼの作業着は3着出して渡したし、洗濯板も渡してある。
奥さんの服はずっと同じに見えるけど毎日綺麗な物に着替えてもらっている。草の汁などで同じ所を同じように染めて汚れのように見えるようにしてあるから同じ服に見える。
真面目に田んぼ作りも始めたし、野菜も沢山の種類が育ってきた。
果物の苗木も野菜と引き換えに渡したり、鶏のヒヨコを育てさせたりと次々に仕事を増やしていった。
もちろん1人で何とか出来るくらいの量だ。なので夜はぐっすり寝てくれ、奥さんとゆっくり関われる。
奥さんも、全く何もせずにいるより動いた方が良いので食事作りやヒヨコのお世話など無理のない範囲で働いてくれていた。
「さぁチール、今日も収穫の半分を渡しなさい。」
「おぉ。ほらよ!」
「わぁ、立派なトマト!美味しそう。」
「だろ!!そのトマトは俺の出した水で育ててみたんだ。色も良いし、美味しそうだろ!!」
「本当ね!それに、ここの野菜は湧き水から流れてくる水を使って育てているからか、味が濃くて美味しい!」
「そうだろぅ!!このスイカなんてめちゃくちゃ甘くて美味いんだ!」
「へぇー、すごいね!!今切って一緒に食べよう!!」
「よし、待ってろ!!」
チールが包丁を取りに行った。
「おい、陽菜………。悪役はどうした?」
「あっ………ついうっかり……。」
アルに言われて思い出した。でも、そんなに美味しいスイカなら食べてみたい!!
「ほら!」
檻の隙間からチールが渡してくれる。
一口食べると、今まで食べた中で1番の美味しさだった。
「んんんんーーーーー、あま~い!美味しい!!!」
「だろだろ!!昨日初めて収穫出来たんだ。食べてみたら、美味くて!!ほら、アルも食えよ!」
「……あ、ありがとう。」
アルも目を見開いて驚いている。
「う、美味い!俺が作ったのより甘い!!」
「だろ!!」
チールが得意そうにドヤ顔をしている。
「ここの野菜食ったら、絶対元気な子どもが産まれてくるぞ!」
「そーだね。頑張ってチール!」
「おぉ!!」
「今日の苗は、メロンと苺。それからスイカのお礼に何か欲しい物一つだけ出してあげる。」
「うーーーん、じゃあ肉がほしい!」
「OK!」
一度チールの小屋やベットを消して、少し大きくした家の中に床と冷蔵庫とキッチンを出した。テーブルと椅子も出しておいた。
奥さんもお腹が大きくなってくるとしゃがむのが辛いだろうから、椅子を用意した。
ベットの他に布団も一組、そして2人分のパジャマも出した。
奥さんは、毎晩着替えてから寝てるけど、チールはずっと作業着のまま地面に寝ていたから、少しは体も休まるだろう。
「これでどう?冷蔵庫の中にはお肉も入ってるよ。」
「……………いいのか?」
「だから、スイカのお礼だって言ったじゃない。本当に美味しかったから。ねっ、アル?」
「あぁ、悔しいが美味かった。俺も畑仕事がしたくなった。」
「あ…………ありがと………。」
「じゃ、メロンと苺も楽しみに待ってるね!」
かなりチールが変わってきた。自分の育てた野菜が美味しいと言われて嬉しいのだろう。まともに話しが出来るようになってきた。
監視カメラ映像を見ても、毎日真面目に働いている。
その日の夜は、柔らかい布団で爆睡している。奥さんを呼んでお風呂に入ってもらったり着替えを渡したりして、少し話しをする。
「家をありがとうございます。お肉も、チールはとっても喜んでました。」
「良かったです。そろそろ次の作戦に移りましょうか。」
「次ですか?」
「はい、他のエルフ達とも会う機会を作ってみようかなと。また同じような事をするようならこのまま。もし、お互いに上手くやっていけそうならさらに次の作戦を考えてみます。」
「わかりました。あっ、ヒヨコちゃんとっても可愛くて、もぅ数匹増やしてもらえませんか?」
「あはははは、わかりました。なら、次は山羊とかどうですか?畑の野菜が食べられちゃうかもしれないけど。」
「山羊がどんな物かわかりませんが、是非、お願いします。」
「わかった。じゃあ、杭を打って縄で繋げるようにしておくね!」
次の日、また野菜を回収して、山羊を2匹渡した。仔山羊が生まれたら山羊の乳も搾れるようになるし、キャベツなどの外側の葉などを餌にすればいいし、雑草も食べてくれる。
人が近くを通るようになり、何かするかな?と思って監視カメラで見ていたけど、畑仕事や家畜の世話で大忙しで相手にする時間はないようだ。
私達が収穫の半分を持っていくし、自分達が食べる分は頑張らないと減ってしまう。奥さんのお腹は目立ってきたし、しっかりと食べさせてあげたいという思いがあるようだ。
山羊も可愛いようで、チールの癒やしにもなっていた。名前をつけて大切な野菜の美味しい所をあげたりしている。ちなみに山羊の名前は、ヤーとギーらしい。雌がヤー。雄がギー。そのまんまだ。
奥さんが楽しそうに笑いながら夜に教えてくれた。
汚れたりするから、田んぼの作業着は3着出して渡したし、洗濯板も渡してある。
奥さんの服はずっと同じに見えるけど毎日綺麗な物に着替えてもらっている。草の汁などで同じ所を同じように染めて汚れのように見えるようにしてあるから同じ服に見える。
真面目に田んぼ作りも始めたし、野菜も沢山の種類が育ってきた。
果物の苗木も野菜と引き換えに渡したり、鶏のヒヨコを育てさせたりと次々に仕事を増やしていった。
もちろん1人で何とか出来るくらいの量だ。なので夜はぐっすり寝てくれ、奥さんとゆっくり関われる。
奥さんも、全く何もせずにいるより動いた方が良いので食事作りやヒヨコのお世話など無理のない範囲で働いてくれていた。
「さぁチール、今日も収穫の半分を渡しなさい。」
「おぉ。ほらよ!」
「わぁ、立派なトマト!美味しそう。」
「だろ!!そのトマトは俺の出した水で育ててみたんだ。色も良いし、美味しそうだろ!!」
「本当ね!それに、ここの野菜は湧き水から流れてくる水を使って育てているからか、味が濃くて美味しい!」
「そうだろぅ!!このスイカなんてめちゃくちゃ甘くて美味いんだ!」
「へぇー、すごいね!!今切って一緒に食べよう!!」
「よし、待ってろ!!」
チールが包丁を取りに行った。
「おい、陽菜………。悪役はどうした?」
「あっ………ついうっかり……。」
アルに言われて思い出した。でも、そんなに美味しいスイカなら食べてみたい!!
「ほら!」
檻の隙間からチールが渡してくれる。
一口食べると、今まで食べた中で1番の美味しさだった。
「んんんんーーーーー、あま~い!美味しい!!!」
「だろだろ!!昨日初めて収穫出来たんだ。食べてみたら、美味くて!!ほら、アルも食えよ!」
「……あ、ありがとう。」
アルも目を見開いて驚いている。
「う、美味い!俺が作ったのより甘い!!」
「だろ!!」
チールが得意そうにドヤ顔をしている。
「ここの野菜食ったら、絶対元気な子どもが産まれてくるぞ!」
「そーだね。頑張ってチール!」
「おぉ!!」
「今日の苗は、メロンと苺。それからスイカのお礼に何か欲しい物一つだけ出してあげる。」
「うーーーん、じゃあ肉がほしい!」
「OK!」
一度チールの小屋やベットを消して、少し大きくした家の中に床と冷蔵庫とキッチンを出した。テーブルと椅子も出しておいた。
奥さんもお腹が大きくなってくるとしゃがむのが辛いだろうから、椅子を用意した。
ベットの他に布団も一組、そして2人分のパジャマも出した。
奥さんは、毎晩着替えてから寝てるけど、チールはずっと作業着のまま地面に寝ていたから、少しは体も休まるだろう。
「これでどう?冷蔵庫の中にはお肉も入ってるよ。」
「……………いいのか?」
「だから、スイカのお礼だって言ったじゃない。本当に美味しかったから。ねっ、アル?」
「あぁ、悔しいが美味かった。俺も畑仕事がしたくなった。」
「あ…………ありがと………。」
「じゃ、メロンと苺も楽しみに待ってるね!」
かなりチールが変わってきた。自分の育てた野菜が美味しいと言われて嬉しいのだろう。まともに話しが出来るようになってきた。
監視カメラ映像を見ても、毎日真面目に働いている。
その日の夜は、柔らかい布団で爆睡している。奥さんを呼んでお風呂に入ってもらったり着替えを渡したりして、少し話しをする。
「家をありがとうございます。お肉も、チールはとっても喜んでました。」
「良かったです。そろそろ次の作戦に移りましょうか。」
「次ですか?」
「はい、他のエルフ達とも会う機会を作ってみようかなと。また同じような事をするようならこのまま。もし、お互いに上手くやっていけそうならさらに次の作戦を考えてみます。」
「わかりました。あっ、ヒヨコちゃんとっても可愛くて、もぅ数匹増やしてもらえませんか?」
「あはははは、わかりました。なら、次は山羊とかどうですか?畑の野菜が食べられちゃうかもしれないけど。」
「山羊がどんな物かわかりませんが、是非、お願いします。」
「わかった。じゃあ、杭を打って縄で繋げるようにしておくね!」
次の日、また野菜を回収して、山羊を2匹渡した。仔山羊が生まれたら山羊の乳も搾れるようになるし、キャベツなどの外側の葉などを餌にすればいいし、雑草も食べてくれる。
人が近くを通るようになり、何かするかな?と思って監視カメラで見ていたけど、畑仕事や家畜の世話で大忙しで相手にする時間はないようだ。
私達が収穫の半分を持っていくし、自分達が食べる分は頑張らないと減ってしまう。奥さんのお腹は目立ってきたし、しっかりと食べさせてあげたいという思いがあるようだ。
山羊も可愛いようで、チールの癒やしにもなっていた。名前をつけて大切な野菜の美味しい所をあげたりしている。ちなみに山羊の名前は、ヤーとギーらしい。雌がヤー。雄がギー。そのまんまだ。
奥さんが楽しそうに笑いながら夜に教えてくれた。
71
お気に入りに追加
378
あなたにおすすめの小説

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜
みおな
ファンタジー
私の名前は、瀬尾あかり。
37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。
そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。
今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。
それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。
そして、目覚めた時ー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる