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新しい家

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 ダイドンに、皆んなを呼びに行ってもらう事にした。私達も付いて行く。
「おい、皆んな。この人が俺達を助けてくれるぞ!」
「……………?誰だ?」
「あれっ?今ダイドンさんの声がしたような……。」
「俺だよ、ダイドンだ!」
「…………えっ、えぇーーー!!!」
 やはりわかってもらえなかった。説明をしてダイドンしか知らない事を話したりしてやっと理解してもらえ、家族も連れて皆んなでマンションまで行く。

 ナナガとアルに一緒に温泉に入ってもらって、体や頭の洗い方を教えてもらう。

 エルフなんてめっちゃ綺麗になって出てきた。髭も剃ってあり、皆んな見違えるようだ。

 髪の毛を切る用のハサミなんかも置いておくと、器用に自分で切ったりしていた。そんな時間も余裕も無かったようで、ゴワゴワの髪の毛だったのが、洗ってサラサラになり綺麗にカットして、鏡を見て自分で驚いていた。

 マンションの1階に机を並べて、食べ物を大量に並べていく。
 どんどん食べていいよと言うと大喜びだった。
 その間に、ワーガに背負ってもらいゆきちゃんとルイ君を迎えに行く。
 帰りは道路を出して車に乗った。

 それから数日、畑仕事をしたり食事を作ったりと穏やかに過ごした。ふらふらだった人達もしっかりと食べる事ができて、今まで以上に動けるようになった。
 今まで生きていけるギリギリの食料しか渡してもらえず、動けなくなる人も多かったようだ。

 ゆきちゃんも首も座って、起きてる時間も長くなり、おんぶしながらウロウロしていて、すっかり皆んなのアイドルになっていた。

 楽しい毎日だったが、ダイドンがそろそろオーガ達が石炭が運ばれないとか、畑仕事をしに来いとか言ってくる頃だと教えてくれる。
 それに備えて、畑は電気柵で覆って、マンションは入り口を閉め切り、入れないようにしておく。
 温泉も使えないように入り口の無いコンクリートで覆う。
 2日くらいは外に出なくていいように野菜の収穫なども済ませてある。

 次の日、オーガが3人で山に来た。監視カメラで洞穴もバッチリ見える。
 誰も働いていないのを見て怒っていた。

 あちこち探し回り、マンションまで来てしまった。

 マンションを見てビックリしたようだ。
 畑を見に行こうとして電気柵に触れて大絶叫。
 怒ってマンションに入ろうとして透明なガラスに激突して脳震盪を起こして倒れてしまった……。
 他のオーガが慌てて駆けつけて、ガラスを叩いたり蹴ったりしていたが壊れない事に気づいて座り込んだ。

『なんなんだよ!俺達より良い暮らししてるし!』
『本当だよなー!リーダーは威張ってばかりだし働かないし!でもこいつらよりマシだと思って我慢してきたのに………。』
『だよなぁ~。あーぁ、こんな所で暮らしたい。』
『俺も……。』
『う、……うーーん。』
『あっ、目が覚めたか?』
『おぉ。はぁービックリした。まさか見えない壁があるなんて思わなかった!』
『あはははは、お前思いっきりぶつかったもんなぁ~。』
『ちょっと格好悪かったぞ~。あはははははっ!』
『もぅ笑うなよぉ~。おでこにコブができた。角が折れなくて良かったよ。』
『『あははははははははっ!!』』
『もぅーー!!絶対他の奴に言うなよ!!』
『わかってるよ。俺もビリビリになった事内緒で頼むな!』
『おう!』
『でも………どーする?リーダー怒るだろうなぁ~。』
『俺、帰りたくないよ。』
『俺も………。』
『同じく!』
『『『はぁーーーっ!!』』』

 なんだか可愛いオーガ達だ。オーガって基本優しいし、楽しい人達が多い。時々調子に乗って悪ぶって最後は私に怒られてる……。というより酷い目にあって、泣きながら謝ってる……。
 
 外のスピーカーで呼びかけてみた。
『あの~、帰りたくないならここで一緒に暮らしますか?リーダーが来ても守りますよ?』
『…………本当に??』
『いいんですか?』
『やったーー!!』
『でも、この中に住んでいるのは人間、獣人族、ドワーフ、エルフと私の仲間のオーガ2人だけです。仲良くする事ができますか?』
『『『もちろん!!』』』

 自動ドアのロックを解除して、中に入れた。
 不安そうな人達の顔を見て、オーガ達3人が頭を下げる。
「「「今まですみませんでした!これからお世話になります!!」」」

 3人には同じ部屋を使ってもらう事にして、お風呂に入ったり着替えたり部屋を整えたりした後、話しを聞かせてもらった。
「ここで住む為には仕事をしてもらいます。いいですか?」
「「「はい!!」」」
「畑仕事も、他の人達と変わりなく同じ事をしてもらいます。」
「「「任せてください!」」」
「俺達力あるから重い物を運んだりできるから、どんどん使ってください。」
「今までから、時々黒い石運ぶの見えない所で少しだけ手伝ったりしてたんだ。」
「そうそう、人間より俺達の方が力持ちなんだから、俺達がした方が絶対早いしなー!」
「でも、リーダーに見つかると怒られるから、少しだけだったけど…。」
「そうなんだ。じゃあ、遠慮なく頑張ってもらうね!」
「頑張るよ!」
 3人とも、キラキラした目で頷いてくれる。

「それと、今回3人がここに来たんだけど、これからも誰か来るかなぁ?何か聞いてない?」
「とりあえず1番若くて下っ端の俺達が様子を見て来いって言われて来たんだ。仕事をしてなかったら報告しろって言われた。」
「そーかぁ。じゃあ、また誰か見に来る?」
「多分俺達が帰って報告しなかったら、すぐに見に来ると思う。」
「次に見に来るのは、リーダー?」
「リーダーは自分からは動かないから、最後だと思うよ。」
「なるほど。ありがとう!」

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