壊れたオルゴール ~三つの伝説~

藍条森也

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第二部 絆ぐ伝説

第四話四章 パンゲアへ

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 イスカンダル城塞じょうさいぐんとアッバス港が制圧された。
 その情報はロウワンたちのもとにもすぐにもたらされた。ブージが闇の人脈を生かして作りあげておいた情報網のおかげである。
 この男は自由の国リバタリアの誰からも好かれてなどいなかったが、役に立つことは事実だった。本人も『人に好かれたい』などとは思っていないので別に問題はない。この男は『金銀財宝にさえ』好かれれば、それでいいのだ。
 ロウワンをはじめ、ガレノア、プリンス、ボウ、ブージ、トウナ、野伏のぶせ行者ぎょうじゃ、メリッサたち、自由の国リバタリアの主要な人物がハルキスの家に集まった。もちろん、ビーブも自由の国リバタリアの切り込み隊長として、人類と動物たちを繋ぐ『外交官』として、その場に参加している。
 自らの意思で行動する天命てんめいいえは生まれてこの方はじめての大勢の客に驚き、喜び勇んでもてなしの用意をした。天命てんめいいえが用意してくれたお茶――ガレノアとブージはラム酒で、その他がお茶――を前にそれぞれに席に着く。
 席次などは特に決まっていないので、それぞれ好きなように座った。トウナとビーブがロウワンの左右に座ったのはごく自然な流れであったし、ガレノアがロウワンと対面する位置に座ったのは、平等を旨とする海賊として上座、下座に別れないよう配慮した結果である。もとより、上下意識などないロウワンは気付きもしなかったが。
 そのロウワンがまずは事実を確認した。
 「イスカンダル城塞じょうさいぐんとアッバス港が制圧された。事実なんだな?」
 「ああ」
 と、ブージはうなずいた。
 「ひとつの情報源からの報告ならおれも疑うところだがな。それぞれ別の、複数の情報源から同じ報告が入ってきている。まずまちがいのない報告だと思っていい」
 ブージはそう言いきった。
 このあたりの疑り深さがブージの人に好かれない――他にもたくさんある――理由のひとつなのだが、それは同時に、情報屋としてのブージの有能さを示すものでもあった。
「制圧したのはパンゲア軍でまちがいないのか?」
 「らしいな。パンゲアの紋章をつけていたのはたしからしい。なにより、ローラシア、ゴンドワナ両国に喧嘩を売る勢力なんて、パンゲア以外には考えられないからな」
 もっともである。
 ブージの言葉に全員がうなずいた。
 「だけど、イスカンダル城塞じょうさいぐんと言えば、ローラシアの誇る難攻不落の城塞だと聞いている。現にいままで制圧されたことはなかったんだろう?」
 「だから、大騒ぎになってるのさ」
 と、ブージは告げた。
 「どうも、噂に聞いていた『ヤバい』やつら、そいつらが大挙して押しよせたらしいな。見た目は、いまどきはやらない全身鎧の騎士連中だったらしいが。銃で撃っても、大砲をぶちかましても、果ては炎で焼いても平気の平左だったそうだ」
 「炎で焼いてもって……そんな人間、いないでしょう」
 と、トウナ。もっともなことを口にする。
 「つまり、そいつらは人間じゃないってことさ」
 そう言いきったのはガレノアである。
 「人間相手ならアッバス港が陥ちるはずがない。あそこを守っていたのはゴンドワナでも最強級の船団でしかも、その指揮を執っていたのはヴォウジェだ。あいつが最新の船を使って守っている拠点を陥とすなんざあ、人間業じゃねえ」
 「知っているのか、ガレノア?」と、ロウワン。
 「ああ。古い顔なじみでな。やり合ったこともあれば、一緒に酒を飲んだこともある」
 「たしかに、なかなかの傑物でしたな」
 自由の国リバタリア海軍参謀長の地位にあるボウも口をそろえた。
 「度胸も良く、判断も早い。戦士としても、一軍の将としても立派な人物でした」
 「あなたたちがそこまで言うならたしかに、相当な人物なんだろうな」
 ロウワンは納得してうなずいた。
 「それほどの人物が守る拠点が一日にして陥とされた、か。しかも、それをやったのは噂の『ヤバい』やつら。パンゲアがなにかしでかしたと言うことか」
 ロウワンは一同を見渡した。それから、尋ねた。
 「その他の動きは?」
 「このあたりの海賊たちはほとんど片付いたと言っていい。居留きょりゅうとの契約も進んでいるし、この南の海にひとつの勢力圏を築いたのはまちがいないな」
 「そうか。さすがだな、ガレノア。ありがとう」
 「なあに、いいってことよ。それが、おれさまの役目だからな」
 ガレノアは口ではそう言ったが、ふんぞり返って鼻を鳴らすなど実際はかなり得意気だった。
 「だが、気になるのはローラシアの動きだ。最近、妙に活発になってやがる。ローラシアの船団がなにかとちょっかいをかけてきて、小競り合いになることが増えている。いまのところ、大規模な衝突は起こってないが、こちらの手の内を見るための威力偵察だと考えた方がいいだろう」
 「その一方でゴンドワナ、レムリア伯爵領との間には良好な関係が築けつつあります」
 ボウがそう付け加えた。
 「この両国はもともと海上交易が盛んでその分、海賊の襲撃には悩まされていましたからな。自由の国リバタリアに対し、積極的に護衛を依頼しに来ております」
 「いくつかの島では鉱山の開発がはじまっている」と、プリンス。
 「中心になっているのはやはり、ゴンドワナとレムリア伯爵領の商人たちだ。パンゲアとローラシア、それに、他の小国の商人たちもいくらか混じっているけどな。開発に取りかかったばかりだからまだ成果は出ていないが、島に送り込まれる人員は着実に増えている。その分、人と物資の輸送、護衛の任も増えている」
 「居留きょりゅうの経営も好調よ」と、トウナ。
 「コーヒーハウスの経営もうまくいっているし、海賊に襲われる心配がなくなった分、どこの居留きょりゅうも安心して自分たちの生業なりわいに取り組んでいる。その分、成果も出ているみたい」
 一通りの報告を聞いてロウワンはうなずいた。
 「自由の国リバタリアの経営はいまのところ順調。各地の居留きょりゅうや各国との関係も悪くない。そういうことだな。問題となるのはイスカンダル城塞じょうさいぐんとアッバス港を陥とした『ヤバい』やつらか。となれば、やるべきことはひとつだ」
 ロウワンは一同を見渡したあと、断固とした口調で言った。
 「パンゲアに乗り込んで、じかに話をつける」
 「なんだと⁉」
 ロウワンの言葉に――。
 糞度胸にかけては誰にも負けないガレノアが思わず声をあげた。
 「それに、ローラシア、ゴンドワナにも渡って会見してくる」
 「お、おいおい。ちょっとまてよ、ロウワン。いくらなんでもそいつは無茶ってもんだぜ。いまの時点でパンゲアに乗り込むってだけでも無謀なのに、ローラシアだと? ハルベルトのことを忘れたわけじゃねえだろう。お前はローラシア貴族のどら息子を殺したんだぜ? そのお前がローラシアに乗り込んだりしたら……」
 「私も賛成できませんな」と、ボウ。
 「ローラシアは貴族意識に凝り固まった国。『平等』を旨とする自由の国リバタリアとは決して相容れない相手。まして、貴族の一員が殺されているとあっては、さぞかし怒り狂っておりましょう。そこに乗り込むのは危険すぎます」
 ボウはかつてはローラシアの軍人であり、ハルベルトのもとで参謀を務めてもいた。ローラシアの内情に関してはこのなかで最もくわしい。そのボウの言うこととなれば、誰も軽く見ることは出来なかった。
 しかし、ロウワンはきっぱりと言った。
 「危険なのはわかっている。だけど……」
 ロウワンはメリッサを見た。『もうひとつの輝き』の代表は年下の少年の視線をまっすぐに受けとめた。
 「メリッサ師が言うには、亡道もうどうつかさはすでにこの世界に現れているはずだ。異形いぎょうの獣や〝すさまじきもの〟の件もある」
 大アトラス山嶺で出会った異形いぎょうの獣や〝すさまじきもの〟に関してはもちろん、全員に伝えてある。
 「いま、この世界になにかが起きているのはまちがいないし、それが亡道もうどうつかさと関係しているなら人と人が争っている場合じゃない。一刻も早く争いを収め、亡道もうどうつかさに対抗出来る体勢を作らなくちゃいけない。そのためには、少しでも戦闘規模の小さいうちに手を打たなくちゃいけない。全面戦争になってから収めようとしてもうまく行くわけがない」
 「そりゃあ、そうだがよ……」
 ガレノアが顔をしかめた。賛成は出来ないが、反対できるだけの根拠もない、と言ったところらしい。
 ロウワンは仲間たちを安心させるように笑って見せた。
 「だいじょうぶ。無茶はしないよ。なにも喧嘩を売りに行くわけじゃないんだ。危なくなったらすぐに逃げるさ。それに、ビーブや野伏のぶせもいる。ちゃんと守ってくれるよ。だろう、ビーブ?」
 「キキキッ」
 任しとけ! と、ビーブは胸を張った。丹念な毛繕けづくろいで整えられた毛並みがより一層、輝いて見えた。
 ビーブの強さとロウワンに対する思いの強さは誰もが知るところ。その点で不安がるものはこの場にはひとりもいなかった。
 「おれも、できる限りのことをしよう」
 野伏のぶせもそう請け負った。
 「たしかに、お前が側についてりゃあ、手出しできるやつはいねえだろうが……」
 と、ガレノア。野伏のぶせの強さに関してはすでに、かの自身が手合わせして確認済みである。
 そのとき、それまで口をつぐんでいたメリッサが発言を求めて手をあげた。
 「いいかしら、ロウワン? 二点、気になっていることがあるんだけど」
 「二点?」
 「ええ。ひとつは亡道もうどうつかさのこと。あなたが見た千年前の戦いでは、亡道もうどうつかさ天詠てんよみのしまにしか出現できなくされていたのでしょう?」
 「ええ。はじまりの種族、ゼッヴォーカーたちによって」
 「だったら、いまも天詠てんよみのしまに封じ込められているのかも知れない。前の戦いから千年。その間、ゼッヴォーカーたちも研究をつづけていたのだとしたら亡道もうどうつかさを封じ込めるすべを生みだしていても不思議はないわ」
 「ああ、そうか。それは気付かなかったな。でも、たしかに、その可能性はあるわけだ」
 「でも……」と、トウナ。
 「それなら、あの異形いぎょうの獣はどうなるの? あんな存在を生み出せるのは亡道もうどうちからしか考えられないんでしょう?」
 トウナにそう言われ、メリッサは試験の採点ミスを指摘された教師のような表情をして見せた。
 「ええ、その通りよ。もし、亡道もうどうつかさ天詠てんよみのしまに封じられているのだすると、その点が説明つかなくなる。この件に関しては、わたしたちの知らない『なにか』があると思った方がいいわ」
 言われて、ロウワンは首をひねった。
 「おれたちの知らない『なにか』か。行者ぎょうじゃ。あなたはどうだ? あなたには特別な力がある。その力で、なにかわからないか?」
 「さて」
 と、相変わらず仙人風の装束に身を固めた妖しい美貌びぼうの少年は肩をすくめて見せた。結いあげた髪に挿したかんざしの飾りがシャラシャラと音を立てている。
 「しょせん、亡道もうどうつかさに関しては僕は素人だからね。亡道もうどう世界せかいについてもっと知ってからならともかく、いまの時点では気配を探ることは出来ないな」
 「……そうか」
 「それで、メリッサどの」と、ボウ。
 「ふたつ目の気になる点とはなんなのですかな?」
 「ええ、それは……」
 メリッサは小首をかしげた。なんと言ったものか考えている様子だった。そんな何気ない仕種と表情がロウワンをドキリとさせる。
 「ちょっと、遠回りになるけど聞いて。ロウワン。あなたは、いまの時代に天命てんめいことわりが使われていない理由を知っている?」
 「言われてみれば……」
 ロウワンは小首をかしげた。
 騎士マークスの記憶に触れて千年前の戦いを見届けるまで、ロウワン自信『天命てんめいことわり』などと言う技術に関しては聞いたことがなかった。それぐらい、いまの時代ては知られていない技術である。
 「考えたこともなかったな。どうしてなんです?」
 「単純に、使えなくなったからよ」
 「使えなくなった?」
 「ええ。天命てんめいことわり亡道もうどう世界せかいの力を人の手で操る技術。亡道もうどう世界せかいがこの世界に接近しているときほど使いやすく、はなれているときほど使いにくい。ちょうど、いまから五〇〇年前が一番、使いづらかった時期」
 「でも、ハルキス先生は天命てんめいことわりを使っていましたけど……」
 「それだけ、ハルキス師が優れていたと言うことよ。それに、『もうひとつの輝き』は特別に技術を継承してきたから。逆に言うと、五〇〇年前には特別な才能をもつ人間が、特別に伝えられた技術を用いなければ、天命てんめいことわりは使えなかったと言うこと。
 当時、『もうひとつの輝き』が弾圧を受けたのは、それも理由なのよ。自分たちの使えない技術を使う勢力がいたら危なくて仕方ないから」
 「なるほど」
 「そして、天命てんめいことわりが使えなくなるに従い、その分をおぎなうようにして機械技術が発達した。そのために、近年になっても天命てんめいことわりを蘇らせようとする機運は生まれなかった。機械技術の方が誰にでも使えて便利がいいから。でも……」
 メリッサは、警告を発する人間特有の表情になって告げた。
 「これは、あくまで噂なんだけど、かつての特権階級たちは将来、自分たちの子孫の力とするために当時の天命てんめい使つかたちを眠らせ、保存したいたらしいの」
 「眠らせて保存⁉ そんなことができるんですか?」
 「出来ないことはないわ。かなりむずかしいし多分、わたしには無理だけど。でも、五〇〇年以上前の、天命てんめいことわりが当たり前に使われていた時代の使い手たちならできたでしょうね」
 「………」
 「そして、当時の特権階級とは現在のローラシア貴族たちの先祖」
 「それじゃあ、ローラシアの貴族たちは数百年前の天命てんめい使つかたちを手にしていると言うんですか⁉」
 「そういう噂があると言うことよ。本当がどうかはわからないわ。ただ、そんな噂があるなら警戒しておく必要はあるでしょう」
 たしかに、と、その場にいる全員がうなずいた。
 「そして、パンゲアの教皇きょうこう。こちらにも同じような噂があるわ。なんでも、代々の教皇きょうこうは死期を悟ると天命てんめいことわりを使って自分の知識と技のすべてを次代の教皇きょうこうに伝えてきたと。
 つまり、教皇きょうこうは代替わりしても、ひとりの人物が数百年にわたって君臨してきたとも言える。それが本当だとしたら、蓄えられた知識と技は想像を絶するものになっているはずよ。それこそ、人の次元を越えるほどのね」
 その言葉に――。
 剛胆揃いのこの場の人間たちがうそ寒そうに首をすくめた。
 シャラン、と、行者ぎょうじゃのかんざしの飾りが鳴った。
 「それは、おもしろそうだね」
 あるかなしかのかすかな微笑をたたえ、舌なめずりしながらそう言ったのはあるいは、緊張をほぐすためだったろうか。
 「わかった」
 ロウワンはうなずきながら言った。
 「そんな噂があるならなおさら直接、会って確かめなくちゃらならない。パンゲアにはおれとビーブ、トウナ、それに、野伏のぶせの四人で向かう。ガレノア。あなたはその間、いままで通り海賊たちをまとめあげてくれ。ローラシアの船団とは戦わないように……とは、向こうが攻めてきたら言えないが、こちらから手を出すことは控えてくれ」
 「おう」
 「ボウ。あなたはゴンドワナ、レムリア伯爵領と交渉して協力関係を深めておいてくれ」
 「承知しました」
 「プリンス。あなたは、輸送と護衛の任を果たしてくれ。自由の国リバタリアの評判と信頼が増すように」
 「任せろ」
 「メリッサ師。行者ぎょうじゃ。あなたたちは亡道もうどう世界せかいの解析を進めてくれ。それに、〝すさまじきもの〟の正体に関しても」
 「ええ」
 「わかっているよ」
 「それと、ブージ。お前は出来るだけ多くの情報を集めておいてくれ。お前得意の闇の人脈を使って、普通では手に入らないような情報も含めてな」
 「……なんで、おれだけ『お前』なんだよ」
 ブージは不満そうにこぼしたが、仕事は承知した。なにしろ、仕事で成果をあげられるかどうかは報酬の多寡たかに関わってくる。ブージにとっては命を懸けて取り組むに足る理由なのだった。
 「では、全員、それぞれの役割を果たしてくれ。帰ったらまた会おう」
 ロウワンのその一言をもって――。
 会議は終了した。
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