妹を助けたら異世界転生。現実世界でもう二度と味わえない幸せな生活を異世界で

風都 蒼

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特殊な魔法使い

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 近くのカフェで三人と一匹は腰をおろした。
 「ふぅ・・何か頼みますか?もうお昼時ですし・・今のうちに食べてしまいましょう。」
 三人は机にあるメニュー表を見下す。キクの肩に乗って氷狐ひょうこも見ていた。すると近くに店員が来て、申し訳なさそうに「店内、動物をお断りしています。失礼ですけど・・外に逃してきてくれますか?」そう言われた。キクは店員をじーっと見てから「入る時、何も言われませんでした。」と答えた。店員は慌てて「確認します」と言い去っていった。数分後、さっきの店員と席に案内してもらった店員が一緒に来て、もう一度同じことを言う。「店内、動物はお断りしています。」と。
 「氷狐・・」
 【はぁ、我の分も頼むんだぞ。】
 そう言って氷狐はクルッと一回りをした。精霊姿になった氷狐はキクの肩に座る。
 「これでいいですか?」
 店員の方を見て聞く。店員は不思議そうに辺りを見渡す。店員は何も言わずに去った。
 「氷狐は何食べる?」
 【そうだな・・ふむ・・この二つが良いな。】
 「・・・高いんだけど・・」
 【ふん・・これぐらい安いもんだ。お前は器の小さいやつじゃな。】
 氷狐は足を組んで偉そうな態度を示す。
 「お金には余裕があるのでいいですよ。氷狐様」
 【サクラを見習いな。器がキクよりも大きいな】
 「僕はお金を持っていない。サクラに頼んで」
 「お兄ちゃん、疲れた?」
 ツバキが心配そうにキクを見る。
 「疲れた。でも大丈夫。あの頃より楽しいよ。ツバキ。」
 ホッとしたように「良かった」と呟いた。その後、ツバキは楽しそうにメニュー表を見てサクラと話していた。
 【ツバキはお主のこと相当心配みたいだな。良い妹を持ったな。】
 「それは氷狐に同感。僕には勿体無い妹だよ。今は妹って言えないけど・・」
 
 四人は注文をした。料理が運ばれるまで雑談をしていた。料理が運ばれてきてから本題に入った。
 妖精姿の氷狐には大きいスプーンを杖のように持って【さてと本題に入ろうか】そう呟いた。
 「精神回復系の魔法使いですよね?」
 【そうだ。それを教える前に聞きたいことがある。サクラ。お前みたいな魔法使いは何人いる?】
 「私みたいな魔法使いですか?」
 【サクラは精霊使いだ。正式名称は精霊使用魔法使い。そ言う魔法使いは何人いるかの質問だ】
 「四人だった気がします。」
 【正解だ。精霊使用魔法使い、動物使用魔法使い、身体回復魔法使い、精神回復魔法使い。この四人が特殊な使い手だ。】
 「質問。」
 キクが控えめに手を挙げる。スプーンをキクの方に向けて【なんだ】と聞いた。
 「身体回復魔法使いと精神回復魔法使いは普通の回復魔法と何が違うんだ?」
 【興味がなさそうだったのに、ちゃんと質問するんだな。まぁ、いい。それをこれから説明する。待っていろ。】
 「わかったよ。」
 スプーンを元に戻して、話も戻した。
 【一人ずつ説明するが・・!!上手い!】
 頼んだ料理を口に入れながら続ける。
 【まずは・・サクラの精霊使用魔法使い・・精霊使いだな。精霊使いは我々に命令することができる。見たと思うが精霊に命令する時は『我、トアキ・サクラの名の下』と自分の名前を言わないと精霊達は動かない。例えば、キクが『トアキ・キクの名の下』と言っても我々は動かない。我々は精霊使いが誕生すると無意識に精霊使いの名前を知ることができるんだ。我もサクラに会う前からサクラを認識していた。こっそり見にいったこともあった。あ!そうだった。伝え忘れていたが、特殊魔法使いはある欠点がある。精霊使いの欠点は、サクラもわかっている通り、基本魔法が使えない。でも、サクラは神様からの恩恵があるから、実質、欠点はないな。次に進もうか・・次は動物使用魔法使い・・動物使いの説明だが・・まずは欠点から話そうかな・・動物使いの欠点は人間の言葉がわからないと言うものだ。動物と喋ることができるが、人間の言葉は学習しよが頭に入らない。それが動物使いだ。動物使いも精霊使いと同じで名前を言わないとなんだが・・まだ、生まれていないな。今回の動物使いは。】
 それを言った氷狐は少しの間黙った。でもすぐに頭を横に振ってから言葉を口にする。
 【次は身体回復魔法使いは、体のありとあらゆる外傷を治すことができる。回復魔法は擦り傷とか打撲とかは治せるが、骨折とか治せない。身体回復魔法使いは外傷ならなんでも治すことができる。擦り傷から骨折・・その他諸々。欠点は・・・他の魔法使いより生まれ変わるための準備期間が長い。精霊使いは前の使いが死んで10年後に生まれたサクラが受け継いだ。身体回復魔法使いはその倍だ。倍の期間受け継ぐことができない。その期間、治せる人がいないから、受け継いだ人は重宝されるんだ。でももっと重宝されているのが例の精神回復魔法使いだ。多分。身体回復魔法使いよりも厳しく守られている。欠点は十回その魔法を使うと。】
 そのことを言った瞬間、サクラの持っていたホークが机の上にガシャンと言う音をたてて落ちた。
 「そんなのって・・」
 【落ち着けサクラ。この話は単に噂程度だ。事実かどうかはわからない。】
 「本当ですか?」
 【あぁ、私が知っている、聞いた噂だ。】
 本当にホッとしたようにホークを拾った。ツバキもびっくりしていたのか動きが止まっていた。
 「あまり、二人を驚かせるな。」
 【しょうがないだろう。続けるぞ。精神回復魔法使いは精神的な面の治癒ができる魔法使いだ。・・簡単に言うとそうだな・・心に深い傷を負った人間を一瞬で晴れた気持ちになれる魔法だ。どんな問題でもだ。】
 「それは・・少し悲しいな。」
 キクはポツリ呟いた。その言葉に氷狐は少しだけ反応した。【正解だった】小さく聞こえない声量で言う。
 【さて、もう終わりだ。食事には合わない話だったな。】 
 「いいえ、氷狐様。ありがとうございます。良い情報を聞けました。」
 【良かった。さて、さっさと食べてしまおうか。冒険者教会に戻ろう。】
 そう言って氷狐はもくもく頼んだ、カレーを完食した。時々【美味しい】と呟きながら。


 キク達も頼んだ料理を完食した。
 
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