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016 天城シロー&二夜親子登場

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 轟和荘、事務所内。



 「女性諸君おめでとう、今日から君たちはプリミアムフォーとしてアイドル活動をしてもらう!」



 この社長の一言で四人に緊張が走る、それから数分後、社長が彗夏と伊莉愛に誕生日を聞いた。



 彗夏

 「8月27日です」



 伊莉愛

 「9月16日です」



 キルト

 「そうか、ではプリフォーのリーダーは彗夏、お前がやれ!」



 彗夏

 「え? 何故そうなるのですか?」



 キルト

 「一番年上だからだよ、ただそれだけだ、深い意味はない」



 はぁ、と彗夏は納得したのかはわからないが頷くしかなかった。











 それから一週間後、シローさんと二夜を社長とリルが空港まで迎えに行って、今二人が久しぶりに轟和荘に帰って来た、俺も加わり五人、事務所内で懐かしんでいる。





 「還流、久しぶりだな、元気していたか?」



 「はい、シローさんこそ向こうではどうでしたか?」



 「素晴らしいアーティストたちと出会えて刺激をもらえたよ、聞いていると思うが2週間程度、轟和荘に滞在することになった、キルトが四号室をそのままにしてくれているから助かる、しばらくの間よろしくな」




 今話をしているのが天城てんじょうシローと言って10年以上前に社長のキルトとコンビを組んでキャッスルズと言う名で海外のダンス大会に出場し連覇するほどの腕前の持ち主だ、今は現役を離れ日本や海外のアーティスト等にダンス指導、振り付けなどをされている。



 身長は175㎝スリムマッチョな体系、短髪で眉毛が太く顎髭があり、男の俺が見てもカッコイイ、男前だと思う、社長と違い真面目なタイプの方だ(ここ笑う所な)ちなみに奥さんは外国の方で金髪のナイスバディな美しい女性だ、今はわけがあって別居していると聞いているが・・・・。





 「そういえば環ちゃん人形1000個完売したんだってな、おめでとう」



 「ありがとうございます」



 「だが売り切るまで3年以上かかっているだろ? キルトだったら1年で売り切っているぞ」



 「まぁ社長ならやってのけるかもですね・・・・」



 「やってのけるかもですね、じゃないだろ」


 「はぁ・・」


 気の抜けた返事だなと言った後で小声で


 「キルトがせっかく近くにいるんだからよく見とけ、あいつは俺と違って天才だ、良い所を吸収し少しでも自分のものにしろ、いいな」


 俺だけに聞こえるように耳元でつぶやいた。


 「はい、アドバイスありがとうございます」



 「パパ、来て早々説教とかウザイと思われるよ」



 「説教したつもりはない、事実を言ったまでだ」



 「はいはい、そんなことよりお久しぶりです還流さん」



 「二夜、久しぶり、少し背が伸びたんじゃないのか?」





 この将来は確実に美しく成長するであろう少女が天城二夜てんじょうにや、シローさんの一人娘だ、両親が美男美女であるためか整った顔をしている、金髪で青い瞳、現在小学5年生、11歳、十年後の成長が楽しみな美少女だ。





 「臣は元気にしていますか?」



 「元気元気、もう少し大人しくして欲しいくらいだよ」



 「誰が大人しくないって」



 ブスッとした顔をした少女がすぐ後ろに立っていた、俺のわきをすり抜けて、



 「二夜、お帰り、元気そうだね!」



 「臣も元気そうで良かった」



 二人組ユニットおみ☆にや、臣と二夜の久しぶりの再会である。



 ソファーに座り込み二夜が海外に行っている間の出来事を臣が楽しそうに説明している。



 シローさんが社長には聞いている様だが改めて俺に聞いてくる。





 「ダンスメインでパフォーマンスする娘を入れてアイドルグループを作ると聞いたのだが・・・・」



 「はい、それでシローさんに力を貸して頂きたいと思います」





 トントントン、事務所をノックする音が聞こえる。



 「失礼します」



 プリフォーの三人、心、彗夏、伊莉愛がそろって事務所に入ってきた。



 「あ~、シロー、シローが居る~」



 「うわっ、マジで本物だ!」



 伊莉愛と彗夏がシローさんを見てびっくりしている、何せ二人はキャッスルズの踊りを見て自分達もダンスを始めた位なので憧れの人物が目の前に居たらそれはびっくりもするだろうな。



 キルトとシローが揃っているよ~、等と二人でひそひそ話をしている中、シローさんが三人に自己紹介をする。



 「天城シローだ、そしてこの子が娘の二夜、よろしくな」



 「あっ、二夜ちゃんお久しぶり」



 「心さん、お久しぶりです」



 ん? 心が事務所に入る前に二夜は海外に行ったはずだから会ったことないのでは? と思考をめぐらしていたら臣が俺の考えているのがわかっているかのように、



 「心お姉ちゃんがかえるを怖がっていた時、私とリル先生と二夜とで何度か会った事あるんだよ、ねーリル先生」



 「うん、四人で近くのファミレスでお茶したのを覚えているよ」





 え? 心が俺を怖がっていたって? ・・・・、あ~初めて会った時のあれか・・・・。





 「ダンスをメインにするのは君たち二人でいいのかな?」



 シローさんが彗夏と伊莉愛を見て言うと二人は揃ってハイッと返事する。



 「俺はキルトの様に甘くないからな、覚悟しろよ」



 彗夏は自信たっぷりの表情をし



 「望む所です、よろしくお願いします」



 と笑顔で返事をした。





 それぞれ自己紹介を終えて、さっそく二人のダンスが見たいと車で30分程度の場所にあるシローさん行きつけのダンススタジオに行くことになった。
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