17 / 78
017 リーダー須賀彗夏のプレッシャー(前編)
しおりを挟む
俺、シローさん、二夜、プリフォーの4人、計7名がダンススタジオに来ている。
「それでは彗夏、伊莉愛、君たちのダンスを見せてもらおうか」
二人がデビュー曲の自分のダンスパートを踊る、シローさんは鋭い目つきで見ている。
「よし、二人のレベルは大体わかった、次は臣と心も一緒になって歌ってみてくれ」
その後は数回頭から最後まで通してやってみた、ボーカル組の臣と心は簡単な振り付け程度なので駄目だしされることはなく今後は歌のレッスンを重点的にするようにと伝えられる、ただしダンス組の二人は細かいチェックが入って厳しい目で見られる、シローさんが元トップダンサーという事もあって踊りには妥協しない所があるのだろう。
結構厳しくきつい言葉をかけているので彗夏と伊莉愛も参っているかと顔を覗くが二人とも嬉しそうな顔をしている、元々ダンスの指導をしてもらいたくて事務所に入ったわけだから当然と言えば当然か、自分たちが憧れたダンサーに見てもらえているのもあるのだろうな。
今後メインで歌う臣、心の二人はボイストレーニングの先生の元でレッスンを受けることになった、シローさんと二夜が日本を離れる前日に再度四人でのセッションをする、約2週間、彗夏、伊莉愛はシローさんにダンスレッスンをしてもらうことになった。
幸い今は夏休みなので朝から晩までレッスンが出来る、9時に事務所に集まり臣、心はボーカル、彗夏、伊莉愛はダンスと二手に分かれてレッスンを受けている、各レッスン場所が事務所からそれぞれ30分程度だが反対側にあるので行き来するのは結構大変だ、俺は毎日二つの場所に顔を出している、ボイストレーニングの講師は社長の知り合いで声楽の先生でもある、女性で40代半ば体系はふくよかでパワフルな声を出される、現役は退いたそうだが今でもステージで通用する声だ、臣と心はここでレッスンを受けている。
「それでは先生、臣と心をよろしくお願いします」
そう言って俺は二人を残してダンス組へ顔を出す。
「手足が上がってない、もっと早く! 動きが遅いぞ!」
レッスン所に入るとシローさんの声が響く、今日はまた偉く厳しい指導しているな、何かあったのかと思い朝から見学していた二夜に聞いてみた、二夜は会釈をしてから、
「先ほど彗夏さんと伊莉愛さんがキャッスルズのダンスをパパに披露したんです、それを見てとても嬉しそうにしていました・・ですが・・・・」
あ~、以前公園で社長に披露したダンスだろうなと思った。
「それからやけに彗夏さんに対して厳しく指導しているように感じます」
ん~、社長も厳しい目で見ていたもんな、でも今踊っているのはデビュー曲のやつだし、完成度が上がればいい事だと思う。
「伊莉愛は休憩していい、彗夏はまだだ、もう一本行くぞ!」
「はい!」
張り切っているな、いい事だ、そう思っていたが横にいる美少女の横顔が不安そうに見えたのが気にかかった。
シローさんが来て一週間が経った、皆毎日レッスンをこなし着々と実力を付けている。
「彗夏! 起きろ! 手の動きが甘い、もっと大きく回せ!」
「はい、ありがとうございます!」
シローさんの彗夏に対する当たり方が日に日にエスカレートしているように感じる、それは二夜と伊莉愛も同じ考えのようだ。
思うこともあり昨日社長に相談したのだが・・・・。
「シローが彗夏に対して厳しいか、それは自分と彗夏を重ねている所があるのかもな」
「彗夏と重ねているとはどういうことですか?」
「手前味噌だが私は天才だ、それに比べてシローは努力家だな、コンビで踊っていた時、私のダンスについていくのに必死であいつはいつもあがいていたよ、大会で二連覇した後ダンス以外に色んな事がしたいから辞めたのだがシローのやつは自分の力が足りないから私が辞めたんだと勘違いしている、足を引っ張ってすまないとな、何度も飽きたから辞めたと言ったんだけどな、身長は私の方がシローより10センチ高い、彗夏と伊莉愛の身長差も10センチ以上ある、背の高い方がダンスのセンス、実力が上なのを見て昔の自分を思い出し悔しがっているんじゃあないのかな、それで彗夏の実力を上げたくて厳しく指導をしているのだろう」
「それにしたってあれは厳しすぎます、社長の方から何とか言ってやってくださいよ」
「やつにダンスの指導を頼んだ際、私は一切口出ししないという約束だからな、私からは何も言うことは出来ないよ」
静まりかえったダンススタジオ。
立ち上がろうとした彗夏がふらつき倒れたので直ぐに駆け寄り声をかける、するとシローさんが声を張ってその程度で倒れてどうする、もう一本行くぞ! と強く言う。
「休憩した方が良いな、シローさんには俺が言うから休んでいろ」
息が上がりきつそうにしている彗夏に言うと、
「何を言っているんですがマネージャー、やれる、やれますよ!」
「何を言うの還流君、やれる、やれるよ!」
一瞬幼馴染の水ノ森環のセリフがダブって聞こえた。
「それでは彗夏、伊莉愛、君たちのダンスを見せてもらおうか」
二人がデビュー曲の自分のダンスパートを踊る、シローさんは鋭い目つきで見ている。
「よし、二人のレベルは大体わかった、次は臣と心も一緒になって歌ってみてくれ」
その後は数回頭から最後まで通してやってみた、ボーカル組の臣と心は簡単な振り付け程度なので駄目だしされることはなく今後は歌のレッスンを重点的にするようにと伝えられる、ただしダンス組の二人は細かいチェックが入って厳しい目で見られる、シローさんが元トップダンサーという事もあって踊りには妥協しない所があるのだろう。
結構厳しくきつい言葉をかけているので彗夏と伊莉愛も参っているかと顔を覗くが二人とも嬉しそうな顔をしている、元々ダンスの指導をしてもらいたくて事務所に入ったわけだから当然と言えば当然か、自分たちが憧れたダンサーに見てもらえているのもあるのだろうな。
今後メインで歌う臣、心の二人はボイストレーニングの先生の元でレッスンを受けることになった、シローさんと二夜が日本を離れる前日に再度四人でのセッションをする、約2週間、彗夏、伊莉愛はシローさんにダンスレッスンをしてもらうことになった。
幸い今は夏休みなので朝から晩までレッスンが出来る、9時に事務所に集まり臣、心はボーカル、彗夏、伊莉愛はダンスと二手に分かれてレッスンを受けている、各レッスン場所が事務所からそれぞれ30分程度だが反対側にあるので行き来するのは結構大変だ、俺は毎日二つの場所に顔を出している、ボイストレーニングの講師は社長の知り合いで声楽の先生でもある、女性で40代半ば体系はふくよかでパワフルな声を出される、現役は退いたそうだが今でもステージで通用する声だ、臣と心はここでレッスンを受けている。
「それでは先生、臣と心をよろしくお願いします」
そう言って俺は二人を残してダンス組へ顔を出す。
「手足が上がってない、もっと早く! 動きが遅いぞ!」
レッスン所に入るとシローさんの声が響く、今日はまた偉く厳しい指導しているな、何かあったのかと思い朝から見学していた二夜に聞いてみた、二夜は会釈をしてから、
「先ほど彗夏さんと伊莉愛さんがキャッスルズのダンスをパパに披露したんです、それを見てとても嬉しそうにしていました・・ですが・・・・」
あ~、以前公園で社長に披露したダンスだろうなと思った。
「それからやけに彗夏さんに対して厳しく指導しているように感じます」
ん~、社長も厳しい目で見ていたもんな、でも今踊っているのはデビュー曲のやつだし、完成度が上がればいい事だと思う。
「伊莉愛は休憩していい、彗夏はまだだ、もう一本行くぞ!」
「はい!」
張り切っているな、いい事だ、そう思っていたが横にいる美少女の横顔が不安そうに見えたのが気にかかった。
シローさんが来て一週間が経った、皆毎日レッスンをこなし着々と実力を付けている。
「彗夏! 起きろ! 手の動きが甘い、もっと大きく回せ!」
「はい、ありがとうございます!」
シローさんの彗夏に対する当たり方が日に日にエスカレートしているように感じる、それは二夜と伊莉愛も同じ考えのようだ。
思うこともあり昨日社長に相談したのだが・・・・。
「シローが彗夏に対して厳しいか、それは自分と彗夏を重ねている所があるのかもな」
「彗夏と重ねているとはどういうことですか?」
「手前味噌だが私は天才だ、それに比べてシローは努力家だな、コンビで踊っていた時、私のダンスについていくのに必死であいつはいつもあがいていたよ、大会で二連覇した後ダンス以外に色んな事がしたいから辞めたのだがシローのやつは自分の力が足りないから私が辞めたんだと勘違いしている、足を引っ張ってすまないとな、何度も飽きたから辞めたと言ったんだけどな、身長は私の方がシローより10センチ高い、彗夏と伊莉愛の身長差も10センチ以上ある、背の高い方がダンスのセンス、実力が上なのを見て昔の自分を思い出し悔しがっているんじゃあないのかな、それで彗夏の実力を上げたくて厳しく指導をしているのだろう」
「それにしたってあれは厳しすぎます、社長の方から何とか言ってやってくださいよ」
「やつにダンスの指導を頼んだ際、私は一切口出ししないという約束だからな、私からは何も言うことは出来ないよ」
静まりかえったダンススタジオ。
立ち上がろうとした彗夏がふらつき倒れたので直ぐに駆け寄り声をかける、するとシローさんが声を張ってその程度で倒れてどうする、もう一本行くぞ! と強く言う。
「休憩した方が良いな、シローさんには俺が言うから休んでいろ」
息が上がりきつそうにしている彗夏に言うと、
「何を言っているんですがマネージャー、やれる、やれますよ!」
「何を言うの還流君、やれる、やれるよ!」
一瞬幼馴染の水ノ森環のセリフがダブって聞こえた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?
すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。
病院で診てくれた医師は幼馴染みだった!
「こんなにかわいくなって・・・。」
10年ぶりに再会した私たち。
お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。
かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」
幼馴染『千秋』。
通称『ちーちゃん』。
きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。
千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」
自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。
ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」
かざねは悩む。
かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?)
※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。
想像の中だけでお楽しみください。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。
すずなり。
ヤンデレ男の娘の取り扱い方
下妻 憂
キャラ文芸
【ヤンデレ+男の娘のブラックコメディ】
「朝顔 結城」
それが僕の幼馴染の名前。
彼は彼であると同時に彼女でもある。
男でありながら女より女らしい容姿と性格。
幼馴染以上親友以上の関係だった。
しかし、ある日を境にそれは別の関係へと形を変える。
主人公・夕暮 秋貴は親友である結城との間柄を恋人関係へ昇華させた。
同性同士の負い目から、どこかしら違和感を覚えつつも2人の恋人生活がスタートする。
しかし、女装少年という事を差し引いても、結城はとんでもない爆弾を抱えていた。
――その一方、秋貴は赤黒の世界と異形を目にするようになる。
現実とヤミが混じり合う「恋愛サイコホラー」
本作はサークル「さふいずむ」で2012年から配信したフリーゲーム『ヤンデレ男の娘の取り扱い方シリーズ』の小説版です。
※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています。
※第三部は書き溜めが出来た後、公開開始します。
こちらの評判が良ければ、早めに再開するかもしれません。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる