34 / 153
新たなテキ
しおりを挟む
A市は、東京都内で最南端の都市だ。
神奈川派閥に最も近く、東京派閥と神奈川派閥をつなぐパイプとしても一役買っており、東京派閥の中でも重要視されている都市の1つである。
東京派閥は合計で7つの派閥を傘下に入れている。千葉、茨城、栃木、群馬、埼玉、福島、新潟の7つだ。傘下に入れている派閥の数なら最多だし日本でも有数の都市である千葉も傘下に入れていて、盤石と言っていいだろう。
だが、そこで立ち塞がったのが神奈川である。
神奈川派閥は、山梨、静岡、長野、富山の4つしか傘下に入れていないが、その分、科学力や強スキル保有者の育成に凄まじい力を入れているという。
今では神奈川と東京は友好関係にあり、たびたび派閥のトップの会談が行われている。
……それに、神奈川には男にとっては垂涎物の制度がある。
それは…………
「おい! ぼーっとしてるんじゃない! もうすぐA市を抜けるぞ!」
「……んあ? ……悪い、ハカセ、半分寝てた」
俺は既にマスクは外しており、無防備な状態だった。
「全く、オヌシと言うやつは……肝が座っていると言うか、間抜けというか……」
「間抜けはやめてくれよ……」
「これから次第じゃな」
そう言うと、ハカセは乗ってきたレンタカーを駐車場に止める。
「……? なんで止めるんだ?」
「……おそらく、東京派閥と神奈川派閥の境目には先日の事件の影響で検問がいるじゃろう。東京と神奈川の通り道であるこの通路をチェックしてくるやつは相当優秀じゃ。あの時の雑魚検問のようにはいかん」
なるほど、ばれることを嫌ったわけか。
「よって……オヌシの反射で吹っ飛んで神奈川と東京の境界線を抜ける」
「……バレないか? それ」
「なぁに、人間、実は目の前のことに夢中になるとそれ以外のことが見えないんじゃよ。目の前の検問に夢中な奴らはワシらを見向きもしないだろうよ」
「そういうもんか」
そう返すと、今まで質問していなかったことを思い出す。
「なぁハカセ……車の運転中にスチールアイって、動かしてたか?」
「んん? いや、動かしておらんなぁ。あれって、何かをしながらだと操作が難しくてなぁ……ばれる危険性もあるし、市内じゃから大丈夫じゃろ!」
(…………)
その時、俺はふと、店主の言葉を思い出した。
(私は誰の味方でもないですからね?)
「……!!! ハカセ!!!!」
俺はハカセを座席から突き飛ばした。ドアを無理矢理こじ開け、俺も一緒に外に出る。
「なっ……!」
「…………!」
その瞬間、後ろから響く爆発音。爆風で飛ばされて駐車場を転がっていく。顔に石が当たって地味に痛い。
回転が止まり、後ろを振り向くと車が爆発し燃え盛っていた。
そして俺は、おそらく犯人であろう人間が居る方向を見る。
だが、その人間は意外なことに……
「……ほう、今のをかわしましたか……逃げ延びただけの事はあるということでしょうか」
その人間は、黒い隊服を武道家のように袖をカットした隊服を着た女だった。
神奈川派閥に最も近く、東京派閥と神奈川派閥をつなぐパイプとしても一役買っており、東京派閥の中でも重要視されている都市の1つである。
東京派閥は合計で7つの派閥を傘下に入れている。千葉、茨城、栃木、群馬、埼玉、福島、新潟の7つだ。傘下に入れている派閥の数なら最多だし日本でも有数の都市である千葉も傘下に入れていて、盤石と言っていいだろう。
だが、そこで立ち塞がったのが神奈川である。
神奈川派閥は、山梨、静岡、長野、富山の4つしか傘下に入れていないが、その分、科学力や強スキル保有者の育成に凄まじい力を入れているという。
今では神奈川と東京は友好関係にあり、たびたび派閥のトップの会談が行われている。
……それに、神奈川には男にとっては垂涎物の制度がある。
それは…………
「おい! ぼーっとしてるんじゃない! もうすぐA市を抜けるぞ!」
「……んあ? ……悪い、ハカセ、半分寝てた」
俺は既にマスクは外しており、無防備な状態だった。
「全く、オヌシと言うやつは……肝が座っていると言うか、間抜けというか……」
「間抜けはやめてくれよ……」
「これから次第じゃな」
そう言うと、ハカセは乗ってきたレンタカーを駐車場に止める。
「……? なんで止めるんだ?」
「……おそらく、東京派閥と神奈川派閥の境目には先日の事件の影響で検問がいるじゃろう。東京と神奈川の通り道であるこの通路をチェックしてくるやつは相当優秀じゃ。あの時の雑魚検問のようにはいかん」
なるほど、ばれることを嫌ったわけか。
「よって……オヌシの反射で吹っ飛んで神奈川と東京の境界線を抜ける」
「……バレないか? それ」
「なぁに、人間、実は目の前のことに夢中になるとそれ以外のことが見えないんじゃよ。目の前の検問に夢中な奴らはワシらを見向きもしないだろうよ」
「そういうもんか」
そう返すと、今まで質問していなかったことを思い出す。
「なぁハカセ……車の運転中にスチールアイって、動かしてたか?」
「んん? いや、動かしておらんなぁ。あれって、何かをしながらだと操作が難しくてなぁ……ばれる危険性もあるし、市内じゃから大丈夫じゃろ!」
(…………)
その時、俺はふと、店主の言葉を思い出した。
(私は誰の味方でもないですからね?)
「……!!! ハカセ!!!!」
俺はハカセを座席から突き飛ばした。ドアを無理矢理こじ開け、俺も一緒に外に出る。
「なっ……!」
「…………!」
その瞬間、後ろから響く爆発音。爆風で飛ばされて駐車場を転がっていく。顔に石が当たって地味に痛い。
回転が止まり、後ろを振り向くと車が爆発し燃え盛っていた。
そして俺は、おそらく犯人であろう人間が居る方向を見る。
だが、その人間は意外なことに……
「……ほう、今のをかわしましたか……逃げ延びただけの事はあるということでしょうか」
その人間は、黒い隊服を武道家のように袖をカットした隊服を着た女だった。
0
あなたにおすすめの小説
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
器用貧乏な赤魔道士は、パーティーでの役割を果たしてないと言って追い出されるが…彼の真価を見誤ったメンバーは後にお約束の展開を迎える事になる。
アノマロカリス
ファンタジー
【赤魔道士】
それは…なりたい者が限られる不人気No. 1ジョブである。
剣を持って戦えるが、勇者に比べれば役に立たず…
盾を持ってタンクの役割も出来るが、騎士には敵わず…
攻撃魔法を使えるが、黒魔道士には敵わず…
回復魔法を使えるが、白魔道士には敵わず…
弱体魔法や強化魔法に特化していて、魔法発動が他の魔道士に比べて速いが認知されず…
そして何より、他のジョブに比べて成長が遅いという…
これは一般的な【赤魔道士】の特徴だが、冒険者テクトにはそれが当て嵌まらなかった。
剣で攻撃をすれば勇者より強く…
盾を持てばタンクより役に立ち…
攻撃魔法や回復魔法は確かに本職の者に比べれば若干威力は落ちるが…
それを補えるだけの強化魔法や弱体魔法の効果は絶大で、テクトには無詠唱が使用出来ていた。
Aランクパーティーの勇者達は、テクトの恩恵を受けていた筈なのに…
魔物を楽に倒せるのは、自分達の実力だと勘違いをし…
補助魔法を使われて強化されているのにもかかわらず、無詠唱で発動されている為に…
怪我が少ないのも自分達が強いからと勘違いをしていた。
そしてそんな自信過剰な勇者達は、テクトを役立たずと言って追い出すのだが…
テクトは他のパーティーでも、同じ様に追い出された経験があるので…
追放に対しては食い下がる様な真似はしなかった。
そしてテクトが抜けた勇者パーティーは、敗走を余儀無くされて落ち目を見る事になるのだが…
果たして、勇者パーティーはテクトが大きな存在だったという事に気付くのはいつなのだろうか?
9月21日 HOTランキング2位になりました。
皆様、応援有り難う御座います!
同日、夜21時49分…
HOTランキングで1位になりました!
感無量です、皆様有り難う御座います♪
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる