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『冬原、秘密の告白』
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『冬原、秘密の告白』
言いにくそうに、けれど何かを決したような顔で、冬原先生はこう言った。
「実は……私は姉活をしている。昨日はお前にそんなものをするなと説教していて、どの口がと思われるだろうがな」
おや。
しかし、別にありえない話でもない。
「軽蔑したか?」
「いえ。適齢期の方がパートナーを探す事は当然だと思いますから」
明らかに安堵した顔になる冬原先生。
これはちょっと予想していた事でもあるしね。
「そのからみで近く会う予定の人がいる」
「……」
「今回の相手は”いいよ”をバラまきまくってようやくアポが取れた相手でな」
いいよ、というのが何かはよくわからないが、その相手というのには心当たりがある。
「実は職員室に先生の所へ冊子を持っていた時、チラッと見えました。スマホに映っていた男の人の姿を」
「……ああ、あの時か」
「すみません、盗み見たみたいになってしまって」
「いや、それは私の責任だ。職員室で私事のためにケータイをさわっていて、お前が声をかけたのにも気づかなかったんだからな」
本当に立派だ。
「私も今年でもう二十六。そろそろ相手を探すのも限界に近い」
「もう? まだ二十六でしょう?」
ものすごく若いとは言わないが、すごく若い。
だというのにオレの言葉に先生の顔が微妙にくもる。
「お前は本当に私を相手にするつもりなのか?」
「ええ、もちろん」
「普通は二十五を超えると姉活でもなかなか相手にされないものだ。それをお前のような若い子が? と思うといまだに信じがたくてな。昨日も何かの冗談かと疑ってしまった」
「そういう事でしたか」
魔眼の力すら耐えしのぐ精神力と思ったら、そんな理由があったのか。
しかし二十五で相手が見つからないとは姉活とはどれほどの競争率なんだ。
いや、そもそもの男女比率が三十倍ある上に、女性不信の男が多い世界らしいからな。
姉活をやる男の絶対数が少なすぎるのかもしれない。
「宮城が見たというのはこの男性か?」
「ああ、確かに。それで、この人と会うつもりなんですか?」
冬原先生がバックから取り出したスマホに、くだんの男性の姿を出す。
あの時はチラッと見ただけだったが、スーツの色や写真のポーズなどが記憶と一致する。
「年は三十五歳。一か月で五回も相手をしてくれる好条件なんだ。もちろん認知は無しだが、金額的にも良心的だった」
色々とつっこみたい事ばかりだが、いかにもそれが普通のように話す冬原先生にオレはつとめて平静を装う。
一番、気になった所を聞いた。
「ちなみに金額というのは?」
「十万」
「たかっ!?」
五回で十万、一回で二万?
前世だとどうなんだ? いや、前世なんて条件が違いすぎて比較にならない。
そもそもこんな美人の先生を五回も好き放題して金もとる? ありえん!
「高くはないぞ。相手男性が若いほど高い。二十歳そこそこだと一回十万くらいが相場だ。三十歳くらいでも一回三万から五万くらいだし、今回のお相手でも相場的には一回あたり三万くらいだ」
「そんなに!?」
やっぱり、いくらなんでも高すぎる。
この世界は狂っているな。
だが世界を救う事なんてオレにはできないので、身近な人だけでも力になりたい。
具体的には冬原先生にこの若い体を提供したい。
言いにくそうに、けれど何かを決したような顔で、冬原先生はこう言った。
「実は……私は姉活をしている。昨日はお前にそんなものをするなと説教していて、どの口がと思われるだろうがな」
おや。
しかし、別にありえない話でもない。
「軽蔑したか?」
「いえ。適齢期の方がパートナーを探す事は当然だと思いますから」
明らかに安堵した顔になる冬原先生。
これはちょっと予想していた事でもあるしね。
「そのからみで近く会う予定の人がいる」
「……」
「今回の相手は”いいよ”をバラまきまくってようやくアポが取れた相手でな」
いいよ、というのが何かはよくわからないが、その相手というのには心当たりがある。
「実は職員室に先生の所へ冊子を持っていた時、チラッと見えました。スマホに映っていた男の人の姿を」
「……ああ、あの時か」
「すみません、盗み見たみたいになってしまって」
「いや、それは私の責任だ。職員室で私事のためにケータイをさわっていて、お前が声をかけたのにも気づかなかったんだからな」
本当に立派だ。
「私も今年でもう二十六。そろそろ相手を探すのも限界に近い」
「もう? まだ二十六でしょう?」
ものすごく若いとは言わないが、すごく若い。
だというのにオレの言葉に先生の顔が微妙にくもる。
「お前は本当に私を相手にするつもりなのか?」
「ええ、もちろん」
「普通は二十五を超えると姉活でもなかなか相手にされないものだ。それをお前のような若い子が? と思うといまだに信じがたくてな。昨日も何かの冗談かと疑ってしまった」
「そういう事でしたか」
魔眼の力すら耐えしのぐ精神力と思ったら、そんな理由があったのか。
しかし二十五で相手が見つからないとは姉活とはどれほどの競争率なんだ。
いや、そもそもの男女比率が三十倍ある上に、女性不信の男が多い世界らしいからな。
姉活をやる男の絶対数が少なすぎるのかもしれない。
「宮城が見たというのはこの男性か?」
「ああ、確かに。それで、この人と会うつもりなんですか?」
冬原先生がバックから取り出したスマホに、くだんの男性の姿を出す。
あの時はチラッと見ただけだったが、スーツの色や写真のポーズなどが記憶と一致する。
「年は三十五歳。一か月で五回も相手をしてくれる好条件なんだ。もちろん認知は無しだが、金額的にも良心的だった」
色々とつっこみたい事ばかりだが、いかにもそれが普通のように話す冬原先生にオレはつとめて平静を装う。
一番、気になった所を聞いた。
「ちなみに金額というのは?」
「十万」
「たかっ!?」
五回で十万、一回で二万?
前世だとどうなんだ? いや、前世なんて条件が違いすぎて比較にならない。
そもそもこんな美人の先生を五回も好き放題して金もとる? ありえん!
「高くはないぞ。相手男性が若いほど高い。二十歳そこそこだと一回十万くらいが相場だ。三十歳くらいでも一回三万から五万くらいだし、今回のお相手でも相場的には一回あたり三万くらいだ」
「そんなに!?」
やっぱり、いくらなんでも高すぎる。
この世界は狂っているな。
だが世界を救う事なんてオレにはできないので、身近な人だけでも力になりたい。
具体的には冬原先生にこの若い体を提供したい。
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