【R18】転生先は男女比1:30の貞操逆転世界~ビッチを夢見る三十路の魂~

尾和 ハボレ

文字の大きさ
上 下
78 / 415

『冬原の望みと覚悟』

しおりを挟む
『冬原の望みと覚悟』

「それでな、ここからが本題なんだが……宮城はどうしたいんだ?」
「どう、とは?」
「人によって姉活の目的は色々だが……私の場合は妊活だ。無論、姉活で知り合った相手に結婚などを迫るつもりはないし、認知も諦めている」

……ねぇ。

この流れ、大丈夫?

なんかまた深い話になってない?

この世界独特の、あんまり笑えない話に向かってない?

「そしてようやく捕まえた今回の相手が最後のチャンスだと思って賭けてもいるんだが」
「はい」
「……もし宮城が本当に私を悪く思っていないのなら、恥をしのんで私からお願いしたい」
「結婚ですか?」

さすがにそれは考えてしまう。

冬原先生に不満があるわけじゃない。

年の差もまぁ気にならないわけじゃないが許容範囲だ。

ただ、結婚してしまうと他の子に手を出すのは浮気になってしまう。

不倫はよくない。奥さんを悲しませる。

だから夏木さんとも互いに了承済のセフレ関係を維持しているし、先生とも姉活相手という、互いに感情的な束縛をしない関係を築きたいのだ。

などと長考していたら、冬原先生がとんでもないとばかりに勢いよく首を横に振っていた。

「先生?」
「け、結婚だなんて考えてもいないぞ、大丈夫だ、そこまで私は求めていない!」

結婚しろという話ではない。

では何をお求めなのか。

「はぁ。では、なんでしょう?」
「避妊についてだ」

ああ、昨日もさんざん気を付けろと言われていたし。

「しろと言われればしますが……」
「……うむ」

けれど、先生が言いたいのはそういう事じゃないんだろう。

この話の流れでそれがわからないほど、オレも足らない子ではないのだ。

先生は妊活、つまり子が欲しくて姉活で相手を募っていた。

つまり求めるものは。

「先生がお望みなら避妊なんてしませんけれど……できちゃったら学生のボクとしては責任の取りようがありませんよ」
「それは大丈夫だ。未成年に認知なんて求めないし、父親が誰かなんて口外するつもりは毛頭ない!」

確かに例の冊子にも父親が誰かを聞くことは良識的に良くない事、というカンジの内容はあった。

それぞれの家庭により、自然妊娠、人口妊娠の違い、父親の有無、認知の有り無しなど、この世界はオレがお気楽に考えていたスケベワールドにしては、ややこしく複雑で繊細な部分も多いのだ。

正直そんな設定はいらなかったが、あれもイヤ、これもダメ、では異世界だろうが、違う地球だろうがやっていけない。

郷に入っては郷に従えだ。

つまり、先生が言いたいのは。

「一切の責任を取る事なく、先生に中出しし放題って事ですか?」

要点を簡潔に述べてみると、先生がありえないくらい真っ赤な顔になった。

「み、宮城、なんて言葉を!」
「違うんですか?」

ここはハッキリとさせておこう。

一度言葉にすれば先生も自覚と覚悟を持つはずだ。

「……違わないが、若い男の子がそんな言葉を使うものじゃないぞ」
「では先生が言ってください」
「ん?」
「今、ボクが言ったことを先生からハッキリと言ってください」

夏木さんの時も思ったんだが、何かを言わせるというのがどうにもクセになっている気がする。

だって恥ずかしがる女の人がこんなにかわいいものと知ってしまったから。

「……そうだな。言葉を濁して年下の、しかも男のお前に察してもらおうというのは卑怯だな」

別に卑怯でもなんでもない。

単にオレが性悪エロビッチというだけだ。

「では改めてはっきり言う。私と避妊せず性交渉をして欲しい。結果がどうあれ、婚姻、認知は求めない」

違う、そうじゃない。

あってるけどまったくもって不正解。

基本的に根が真面目すぎるな、この先生は。

「先生、ボクが言いたいのはそういう事ではなくて」
「う、うん? どういう事だ?」
「もっとエッチにボクを誘ってください」
「……」

冬原先生がなんともいえない顔になった。
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

転生したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

処理中です...