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夕食2
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通帳に記入された数字を確認して、霜月倖忠の口元は緩やかな弧を描いた。
先月はいつもより多めにシフトを入れたので、振り込まれたバイト代は過去最高の金額だった。同居人兼恋人の黒松歌留多は父親が海外に二週間出張する事になり、その間母親を一人にするのは忍びないと言って実家に戻り、倖忠はその分バイトを増やした。実家から大学まで二時間以上かかるが根性で通いきったらしい。
いつもより一枚多く諭吉をおろすと、倖忠は鼻唄も軽やかに駅前のいわゆる高級スーパーに向かった。いつも行くスーパーより二割程高いが、置いてある品物は肉も魚も値段に相応しい物ばかりだった。まあ尊敬する先輩の家が作る野菜には負けるが。それに輸入物のチーズや調味料が充実している。
自炊生活も三年を超え、最近は料理を楽しむ余裕も出てきた。たまたま時給が良かったから選んだカフェ風居酒屋でも仲良くなった厨房の人にレシピを教えてもらい、たまにウチで振る舞ったりする事もある。この前はサフランを分けてもらって、フライパンで作るパエリアに挑戦してみた。冷凍の魚貝類などを適当に入れたが、あれはウマかったとこっそり自画自賛。
けれど同居人が倖忠の料理を褒めることは滅多になく、次はじゃが芋の煮っ転がしがいいですと言いながらもおかわりの皿を押し付けてきた。お前を煮っ転がしにしてやろうか。ツンデレだか何だか知らないが、生憎倖忠にそんなものに萌える趣味はない。もう本当に面倒臭い性格をしている。けれどそれも今更だ。
知り合って五年。ルームシェアという名の同棲を始めて二年。「短気と電波に生活能力があるはずがない」「流血事件が勃発する、警察沙汰だけは勘弁しろよ」などと言って誰もが危ぶんだ同居生活だったが、倖忠の献身的な姿勢もあって割と上手くいっている。異論は認めない。
目当てのオリーブオイルの瓶を手に取って、さてと今晩のメニューを考える。明日の土曜は倖忠も歌留多も授業はない。ついでにバイトもない。世間一般的な給料日後の土日はシフトに入ってくれと店長に泣かれるが、この日ばかりは譲れない。
年下の恋人は生意気なことに結構忙しいらしく、朝から二人揃って休みというのは月に一度か二度あるかないかだ。そして本日は給料日とくれば酒盛りコースだろう。財布に余裕もある事だし。ぶらりと歩きながら倖忠は買い物カゴに食料品を入れていく。ツマミになりそうなものと、明日の食糧と明後日の朝食。
明日はできれば出歩きたくない。昼までゆっくり惰眠を貪り、長風呂して、少し部屋の掃除をしてから、溜まっているアニメや映画の録画と就職先の業界を扱ったドキュメンタリーを消化する。歌留多はきっと興味ないだろうから隣で本を読んだりして過ごし、また夜になったら晩飯を作って歌留多と食べる。別に悪くないと思う。
好きなチョリソを見つけ、迷わずカゴに入れたが、歌留多は辛味の強い味が苦手だった事を思い出し、その隣にあったチーズ入りのソーゼージも仕方がないからついでに買ってやる。それから通りかかった鮮魚コーナーで、本日のおすすめと書かれた、透き通るように赤いマグロの刺身に目が留まった。……まあいいか。今の倖忠は小金を持っている。何となく手に取って、そのままカゴの一番上に置いた。その後酒売り場に移動し、ビールとカクテル系をみつくろってレジに向かった。
「ただいま」
今日の授業をつつがなく終えて帰宅した歌留多は、テーブルに並べられた料理に喜ぶより前に、まず訝しげに眉根を寄せた。
「……今日は誕生日でしたっけ」
「何寝ぼけたこと言うてん」
「一応確認しただけです」
歌留多は洗面所に向かい、いつものように手を洗ってガラガラとうがいをした。三百六十五日通して行われるその習慣に初めは小学生かと突っ込んでいたが、一緒に暮らしはじめてから歌留多が一度も風邪にかかったことがないという事実を目の当たりにし、いつしか帰宅からの手洗いとうがいは倖忠自身の習慣にもなっていた。
椅子に座ると、目の前に並んだ料理に、ひっつめからユルいポニーテールになった歌留多は改めて驚いたようだった。
いつもよりちょっと品数が多く、豪勢な夕食。そしてテーブルの真ん中には、キッチンの安っぽい照明の中でも眩い光を放つマグロの刺身。ちなみにキハダマグロでもビンチョウマグロでもなく本マグロなんだぜ。缶ビールを渡しながら、それは俺のオゴリだと付け加える。
「いただきます」
どちらともなく言って両手を合わせる。これも歌留多と暮らしはじめてから芽生えた習慣の一つだった。初めは鼻で笑っていたが、気が付いたらすっかり身についてしまっていた。
この前も一人でふらりと入った牛丼屋で、おまちどうさまでーすと運ばれてきた丼を前に条件反射のように手を合わせて「いただきます」と言ったら、わりと可愛い顔のバイトの女の子と目が合ってくすりと笑われた。嘲笑の類ではなかったが何となく恥ずかしくなった。
確かに一九〇オーバーのむくつけきピアス男がとる行動ではない。くっそうあの女のせいだ、帰ったら全身擽ってやると決意したことを今思い出したが、今は無理なのでとりあえずテーブルの下で歌留多の足を小突いた。するとぐらっとテーブルが揺れた。
大学に合格し、一人暮らしをはじめた時に買ったニトリの正方形のテーブルはお値段以上で、一人で使うには十分だったが、お互い平均身長を大きく超える大人二人で囲むのには小さすぎた。最初からこうなることが解っていれば、歌留多の「いただきます」がいつのまにか伝染してしまうくらいの朝昼晩を共にすることがわかっていれば、もっと大きなテーブルを買ったのに。本当にどうしてこうなった。
向かい合って座ると、薄っぺらい合板テーブルの下で膝小僧がぶつかってしまうので、歌留多より優しく足の長い倖忠が足を開き気味にして座るのだが、正直窮屈で仕方がない。初任給でまずはテーブルを買うか。無印とかでもうちょっと大きくてがっしりしたやつ。でも車の頭金も貯めたいし、もう少し広いとこにも引越したい。なんてことをつらつら考えていたら踵でガッと弁慶を蹴られた。
「っ、痛、あが何さらすんねん!」
「その台詞そっくりお返し致します」
フンと顔を反らす歌留多はいつものように殺人的に憎らしい顔をしている。こういう高慢なところは、本当に高校の頃からいスガスガしいくらい変わらない。あとせめて爪先で蹴れよ。歌留多は澄ました顔で二切れ目のまぐろをそのお上品なお口元にお運びになっておられる。おいお前俺だってまだ食べてないのに。
変わらないといえば、結局呼び名も高校の時から変わらなかった。一応下の名前で呼ぼうと努力していたようだが、倖忠としても今一つしっくりこず、そのままで現在に至るが、何気に先輩呼びは気に入っている。特にベッドの中で、あの硬質な声を震わせ、わけがわかんなくなって先輩がしぇんぱいってなっているのに、律儀に敬称付けて呼んでくるとこなんて堪らなく興奮する。
「……何かイヤらしい顔をしていますね」
「あー? 気のせいや気のせい」
思いっきり心当たりのある倖忠は歌留多の視線を避けるようにして、シーザーサラダをつまむ。といっても、レタスを千切ってバイト先で分けてもらったドレッシングをかけただけのものだ。
実は料理を作りながら缶ビールを一本空けているので、わりと頭の中はふわふわしていた。ビールの喉越しや苦みは好きだが、倖忠はアルコールにはあまり強くない。でも飲み続けても外見に変化はあまりないし、この強面キャラの所為もあってか周りからは結構強いと思われている。
反対に歌留多はあまり好んで酒類は飲まないが、おそらく倖忠よりは強いのだろうと思われる。ただ、彼女の場合はすぐに赤くなるので周りがストップをかける。たぶん肌が薄いんだろう。軽く吸うだけですぐ痕になる。
歌留多は時々こうして倖忠に付き合い、家飲みの相手をするが、倖忠と同じくらい飲んでも泣き出したり笑い上戸になったり、急に潤んだ目をトロンとさせて「なんかあついのぉ」とかいうサービスシーンは全くない。目元と首元をほんのり赤らめさせながらも淡々と飲む。
ちなみにさっき買ったカクテル系は倖忠の分だ。歌留多のグラスに注いだビールがもう無くなっていた。結構ペースが早い。倖忠も忙しなくビール缶を口に運ぶ。だってそうしてないと、久しぶりの二人の時間に口元が緩んでしまいそうだった。デレたら負けだと思っている。最悪なことにお互いに。
プシュと新しいビールを開けると、歌留多がむっつりとしたままグラスを傾けてきたので注いでやる。そのグラスを持つ左手の指先が艶めかしいほどに赤くて、倖忠は思わず目を逸らした。
「おまん、絶対外で酒飲むなよな」
歌留多はオリーブオイルのキノコ炒めに入れた、鷹の爪を器用に箸で除けていた。一瞬その動きを止めて、きっと倖忠を見上げてきた。
「そんなこと先輩に指図される覚えはないです。それに貴方はどうなんですか。バイトが終わった後とか良く飲みに行ってますよね」
「べつにお前が訝しがるようなもんちゃうわ」
経費節減だかなんだか知らないが、最近は賄いがカレーだけなので、それに飽きてきた厨房の同僚&先輩達食べにいくだけだ。
「ああん? 俺は別にええんや俺は。霜月オニーサンが酒飲んで酔っ払ってても欲情するやつおらへんし」
「……先輩はお酒を飲んでいる人を見ると欲情するんですか?」
「欲情するっちゅーか、やりたくなるっちゅーか。あー」
何言ってんだろ俺はと倖忠は自身の言葉に驚く。さっき変なこと思い出したからだ。
「どっちも同じというか最低ですね、死んで下さい」
「おま、丁寧語で言うとけばええもんやないからな。大体すぐ赤くなるから悪いんやろ。つかなんやねんその顔。息せき切って駆けてきた少女か。草原を」
歌留多がもうこれ以上ないってくらいの蔑むような目で睨んでくるが、アルコールと倖忠のセクハラ発言に頬が真っ赤だからちぐはぐで可愛い気がしてくる。うっかり触ったらジュッて水分が蒸発する音がしそう。独特すぎる価値観で周りをドン引きさせるばかりの拗らせ女子に、気軽に飲みに誘われるような友達なんていないだろうと思ったのも束の間。
「あ、来週恵毘守が帰ってくるので一緒に飲もうとメールがありました」
全くいないわけではなかった。一人だけ。氷上恵毘守。ハイスペック時計兎。
「はあ? 俺のとこにはきてへんだけど」
イラッとしながら四本目を開ける。本当は度数控えめのほろよいにしようと思ったが、なんか意地になってスーパードライのプルトップを引っ張った。
「んで、行くんか?」
聞いてから、しまったと思った。耳に届く自分の声が思ったより尖がっていたからだ。何だかどうしようもない束縛系毒男みたいだ。でもソイツの名前を聞いた時、この胸に広がったのは暗澹たる気持ちだった。
氷上恵毘守だって、もちろん可愛い後輩の一人だ。可愛すぎてブラジルまでぶっとばしてやりたいくらい。歌留多は倖忠の問いにはこたえず、というか返事をするのもバカバカしいしいというような顔でコップのビールを一息に煽った。そりゃそうだ。いくら年上で恋人だからって、いちいち自分の行動を倖忠俺に制限される謂れはない。
「なつかしなー、あいつゲンキにしとるんかえ?」
「棒読みですね」
棒読みにもなるわと倖忠は声に出さないまま毒づく。倖忠と歌留多が付き合いはじめた少し後くらいに、氷上の第一希望が地方にある私立大学だと聞いた。それが、自分達に関係あるのかは知らない。めでたく受験に合格し、その大学のある地方都市に旅立つ氷上を部活メンバーで見送りに行った時。倖忠はホームの片隅で、いつになく真剣な恵毘守に深々と頭を下げられた。
「歌留多をよろしくお願いします」
「おうまかせろや」
氷上が歌留多に対し並ならぬ感情を抱いていたことは明白で、倖忠はそんな力強くもない感じで応えて、黒と青が混じった後頭部を見下ろしていた。
――もし、自分と歌留多がこういう関係になる前に、彼が何かしらのリアクションを起こしていたら。全然違った未来だったのかもしれないと思うことはある。けれど、恵毘守は歌留多の相棒という立場を選んだのだ。上手くいけば一生モノの繋がり。今の自分達よりよっぽど揺るぎなく、平凡だが持続性のある関係。
何かを得ようとしたら、何かを捨てなければならない。彼はそれをしなかった、もしくは出来なかった、だけのことなのだ。
とまあ、これは倖忠の予想でしかないのだが。きっと地方の豊かな自然相手に失恋の痛手を癒しているだろう。そんな後輩に憐憫の情さえ感じていたら、正月に帰省してきた時、彼女なんですよ~と写メを見せられた。黒縁眼鏡をかけ、色白で、鼻筋の通った大人しそうな女の子とのツーショット。身長以外は、とある人物を強く連想させた。
隣で覗き込んでいた歌留多が、もうちょっと愛想良くした方がいいんじゃないのと言った。お前が言うかお前が。倖忠が歌留多の頭をはたくと、氷上は楽しそうにあははははと笑っていた。諦めが悪いんだか切り替えが早いんだか。自分はこの、一見人懐っこくてでも実は食えない後輩の思惑を計りかねている。
「帰ってきてこっちで就職したいみたいです。神風堂出版か書店員が第一希望のようで」
あのお調子者と出版業界とミスマッチ感がすごい。テレビショッピングとかの方が似合うそうじゃね? というか、それ歌留多の傍に行く前提での就活やないの? なんちゅーか、狙う気マンマンやろが! ヒットマンか!
はいアウト。前言撤回。絶対に二人で飲みとか行かせたくない。連れ込まれるって可能性は? 壁ドン? 壁ドンすればいーの? 行かせてたまるかい! 何だかいよいよ酔いがまわってきたらしい。歌留多は顔が赤い以外は平然としているのに、自分はこのザマ。ゴシゴシと目を擦ると視界がうっすらと赤くなった。
「先輩が私と恵毘守のことをどう思っているのかは知りませんが、その、少し考え過ぎなような気がします。恵毘守の彼女が俺に似ているとか言いだした時は正直馬鹿かと思いました。そんなことは断じてないし、第一彼女に失礼です」
あーあれですねあれ、鈍感が擬人化したようなお前にわかれって言った方が無理だったね。
知ってる? でもあの黒縁メガネ、伊達なんですってね? ちょっと締め上げたら自分が掛けてもらってますと白状した。歌留多は立ち上がると、冷蔵庫からミネラルウォーターを出して二つのコップに注いだ。黙って倖忠の前にも置く。
「それに、倖忠さんとは恋人ですが、恵毘守はただの、と、と……友達、ですから」
だあああ、なんで友達言う方を恥ずかしがってんねや! 普通逆やろ! あっそうだね! 生まれて初めて出来たお友達やもんね! 知るか馬鹿。女をぶっ飛ばす趣味はないが、覚悟してろよ今夜。
でも、さらりと言われた恋人という言葉に悪い気はしない。すっと言葉が出てきたのはもう日常だからだろうか。友達という単語に未だ馴染めない恋人の大学生活に若干不安を覚えつつも、ああでもやっぱり二人で行かせたくないなと思う。
本音は、本当は、何処にだって行かせたくない。ずっとこの二LDKに閉じ込めておきたい。就職してもっと大きなテーブル買って、倖忠が飯を作って、たまには和食も作って、饅頭も作れるのだろうか。後でクックパッドとかで調べておこう。あーほんっとお酒って怖いデスネー。思考の箍が外れる。自分はヤンデレ要素もあったらしい。本格的なヤンデレさんを知ってるに人に怒られそうなくらいのソフトっぷりとはいえ、二十二年近く生きてきて初めて知った。
さっき足も蹴ってもたし(どこぞの銀行マンごとく倍で返されたが)、束縛ヤンデレ系彼氏さんがログインしました!
歌留多は相変わらず赤い。ししゃものマリネをばりばり食べているが、もう白雪姫かというくらい白くて赤い。そろそろ三次元の恋人を二次元ヒロインに例えるのを止めるべきだろう。
「まぁな、行くのは別にええんや、飲むなとも言わへん。でも一個約束しろ」
「……聞くだけお聞きしますけど。何ですか?」
「……あんま襟ぐり開いた服、絶対着てくな」
「……意味がわかりません」
たっぷりの間の後、歌留多は首を傾げた。
「だーかーらー、チューブトップとか論外、襟付きで第一ボタンまできっちり閉じてけゆうてんねん」
この部屋に持ち込まれた歌留多の私服は全部襟付きで、制服やジャージの時のように、歌留多は首元の一番上のボタンまで閉じて着ていた。あらゆる意味でストイックな本人を象徴するように、固く閉じられたボタンは外すのが結構大変で、焦ってぶちっと取れたりした事も何回かあった。基本怒られて時には泣かれた。それはそれで、まあ倖忠としては良かったという事実は墓場まで持っていくつもりだ。
けれど最近はラフな服を好む倖忠の影響もあってか、Tシャツなどを着る事も少なくなくなり、今日もボートネックのカットソーにカーデガンという恰好だ。少しだけが肩の方まで開いていて、そこから見える肌が、ぽぽっと滲んだように赤い。こんなものを恵毘守に見せてやる義理はない。
「意味わからんでてもええさけ、俺の言うとおりにしろ」
少し声を強張らせてやれば、歌留多は結局頷くしかない。くっそ生意気でもやっぱり体育会系社会が染みついているのだ。
「わかりました」
不承不承ながらも言う歌留多に満足し、やっぱりもう一本飲んじゃおっかなーでも勃たなくなったら風呂の後俺が困るしなーとか考えていると、歌留多がチョリソに箸を伸ばそうとしてたので、倖忠は慌ててチーズが入っている方を指でつまんだ。
「お子ちゃまのはこっち」
ちょっとした悪戯心で口元に運んでやると、歌留多は一瞬きょとんとしたものの、マリネのオイルでぬるっとした唇をあーんと開いて、ソーセージを歯で挟んで受け取った。彼女も流石に少し酔っぱらってるのか、いつになく素直で行儀が悪い。いい感じの太さのそれをそのままもぐもぐと咀嚼する。
……あーうん、なんかもう一人の倖忠の心配は大丈夫そうだ。でも新たな心配事が一つ増えた。
「あと、お前ソーセージとか頼むなや」
歌留多はやっぱりわからないというように首を傾げた。
先月はいつもより多めにシフトを入れたので、振り込まれたバイト代は過去最高の金額だった。同居人兼恋人の黒松歌留多は父親が海外に二週間出張する事になり、その間母親を一人にするのは忍びないと言って実家に戻り、倖忠はその分バイトを増やした。実家から大学まで二時間以上かかるが根性で通いきったらしい。
いつもより一枚多く諭吉をおろすと、倖忠は鼻唄も軽やかに駅前のいわゆる高級スーパーに向かった。いつも行くスーパーより二割程高いが、置いてある品物は肉も魚も値段に相応しい物ばかりだった。まあ尊敬する先輩の家が作る野菜には負けるが。それに輸入物のチーズや調味料が充実している。
自炊生活も三年を超え、最近は料理を楽しむ余裕も出てきた。たまたま時給が良かったから選んだカフェ風居酒屋でも仲良くなった厨房の人にレシピを教えてもらい、たまにウチで振る舞ったりする事もある。この前はサフランを分けてもらって、フライパンで作るパエリアに挑戦してみた。冷凍の魚貝類などを適当に入れたが、あれはウマかったとこっそり自画自賛。
けれど同居人が倖忠の料理を褒めることは滅多になく、次はじゃが芋の煮っ転がしがいいですと言いながらもおかわりの皿を押し付けてきた。お前を煮っ転がしにしてやろうか。ツンデレだか何だか知らないが、生憎倖忠にそんなものに萌える趣味はない。もう本当に面倒臭い性格をしている。けれどそれも今更だ。
知り合って五年。ルームシェアという名の同棲を始めて二年。「短気と電波に生活能力があるはずがない」「流血事件が勃発する、警察沙汰だけは勘弁しろよ」などと言って誰もが危ぶんだ同居生活だったが、倖忠の献身的な姿勢もあって割と上手くいっている。異論は認めない。
目当てのオリーブオイルの瓶を手に取って、さてと今晩のメニューを考える。明日の土曜は倖忠も歌留多も授業はない。ついでにバイトもない。世間一般的な給料日後の土日はシフトに入ってくれと店長に泣かれるが、この日ばかりは譲れない。
年下の恋人は生意気なことに結構忙しいらしく、朝から二人揃って休みというのは月に一度か二度あるかないかだ。そして本日は給料日とくれば酒盛りコースだろう。財布に余裕もある事だし。ぶらりと歩きながら倖忠は買い物カゴに食料品を入れていく。ツマミになりそうなものと、明日の食糧と明後日の朝食。
明日はできれば出歩きたくない。昼までゆっくり惰眠を貪り、長風呂して、少し部屋の掃除をしてから、溜まっているアニメや映画の録画と就職先の業界を扱ったドキュメンタリーを消化する。歌留多はきっと興味ないだろうから隣で本を読んだりして過ごし、また夜になったら晩飯を作って歌留多と食べる。別に悪くないと思う。
好きなチョリソを見つけ、迷わずカゴに入れたが、歌留多は辛味の強い味が苦手だった事を思い出し、その隣にあったチーズ入りのソーゼージも仕方がないからついでに買ってやる。それから通りかかった鮮魚コーナーで、本日のおすすめと書かれた、透き通るように赤いマグロの刺身に目が留まった。……まあいいか。今の倖忠は小金を持っている。何となく手に取って、そのままカゴの一番上に置いた。その後酒売り場に移動し、ビールとカクテル系をみつくろってレジに向かった。
「ただいま」
今日の授業をつつがなく終えて帰宅した歌留多は、テーブルに並べられた料理に喜ぶより前に、まず訝しげに眉根を寄せた。
「……今日は誕生日でしたっけ」
「何寝ぼけたこと言うてん」
「一応確認しただけです」
歌留多は洗面所に向かい、いつものように手を洗ってガラガラとうがいをした。三百六十五日通して行われるその習慣に初めは小学生かと突っ込んでいたが、一緒に暮らしはじめてから歌留多が一度も風邪にかかったことがないという事実を目の当たりにし、いつしか帰宅からの手洗いとうがいは倖忠自身の習慣にもなっていた。
椅子に座ると、目の前に並んだ料理に、ひっつめからユルいポニーテールになった歌留多は改めて驚いたようだった。
いつもよりちょっと品数が多く、豪勢な夕食。そしてテーブルの真ん中には、キッチンの安っぽい照明の中でも眩い光を放つマグロの刺身。ちなみにキハダマグロでもビンチョウマグロでもなく本マグロなんだぜ。缶ビールを渡しながら、それは俺のオゴリだと付け加える。
「いただきます」
どちらともなく言って両手を合わせる。これも歌留多と暮らしはじめてから芽生えた習慣の一つだった。初めは鼻で笑っていたが、気が付いたらすっかり身についてしまっていた。
この前も一人でふらりと入った牛丼屋で、おまちどうさまでーすと運ばれてきた丼を前に条件反射のように手を合わせて「いただきます」と言ったら、わりと可愛い顔のバイトの女の子と目が合ってくすりと笑われた。嘲笑の類ではなかったが何となく恥ずかしくなった。
確かに一九〇オーバーのむくつけきピアス男がとる行動ではない。くっそうあの女のせいだ、帰ったら全身擽ってやると決意したことを今思い出したが、今は無理なのでとりあえずテーブルの下で歌留多の足を小突いた。するとぐらっとテーブルが揺れた。
大学に合格し、一人暮らしをはじめた時に買ったニトリの正方形のテーブルはお値段以上で、一人で使うには十分だったが、お互い平均身長を大きく超える大人二人で囲むのには小さすぎた。最初からこうなることが解っていれば、歌留多の「いただきます」がいつのまにか伝染してしまうくらいの朝昼晩を共にすることがわかっていれば、もっと大きなテーブルを買ったのに。本当にどうしてこうなった。
向かい合って座ると、薄っぺらい合板テーブルの下で膝小僧がぶつかってしまうので、歌留多より優しく足の長い倖忠が足を開き気味にして座るのだが、正直窮屈で仕方がない。初任給でまずはテーブルを買うか。無印とかでもうちょっと大きくてがっしりしたやつ。でも車の頭金も貯めたいし、もう少し広いとこにも引越したい。なんてことをつらつら考えていたら踵でガッと弁慶を蹴られた。
「っ、痛、あが何さらすんねん!」
「その台詞そっくりお返し致します」
フンと顔を反らす歌留多はいつものように殺人的に憎らしい顔をしている。こういう高慢なところは、本当に高校の頃からいスガスガしいくらい変わらない。あとせめて爪先で蹴れよ。歌留多は澄ました顔で二切れ目のまぐろをそのお上品なお口元にお運びになっておられる。おいお前俺だってまだ食べてないのに。
変わらないといえば、結局呼び名も高校の時から変わらなかった。一応下の名前で呼ぼうと努力していたようだが、倖忠としても今一つしっくりこず、そのままで現在に至るが、何気に先輩呼びは気に入っている。特にベッドの中で、あの硬質な声を震わせ、わけがわかんなくなって先輩がしぇんぱいってなっているのに、律儀に敬称付けて呼んでくるとこなんて堪らなく興奮する。
「……何かイヤらしい顔をしていますね」
「あー? 気のせいや気のせい」
思いっきり心当たりのある倖忠は歌留多の視線を避けるようにして、シーザーサラダをつまむ。といっても、レタスを千切ってバイト先で分けてもらったドレッシングをかけただけのものだ。
実は料理を作りながら缶ビールを一本空けているので、わりと頭の中はふわふわしていた。ビールの喉越しや苦みは好きだが、倖忠はアルコールにはあまり強くない。でも飲み続けても外見に変化はあまりないし、この強面キャラの所為もあってか周りからは結構強いと思われている。
反対に歌留多はあまり好んで酒類は飲まないが、おそらく倖忠よりは強いのだろうと思われる。ただ、彼女の場合はすぐに赤くなるので周りがストップをかける。たぶん肌が薄いんだろう。軽く吸うだけですぐ痕になる。
歌留多は時々こうして倖忠に付き合い、家飲みの相手をするが、倖忠と同じくらい飲んでも泣き出したり笑い上戸になったり、急に潤んだ目をトロンとさせて「なんかあついのぉ」とかいうサービスシーンは全くない。目元と首元をほんのり赤らめさせながらも淡々と飲む。
ちなみにさっき買ったカクテル系は倖忠の分だ。歌留多のグラスに注いだビールがもう無くなっていた。結構ペースが早い。倖忠も忙しなくビール缶を口に運ぶ。だってそうしてないと、久しぶりの二人の時間に口元が緩んでしまいそうだった。デレたら負けだと思っている。最悪なことにお互いに。
プシュと新しいビールを開けると、歌留多がむっつりとしたままグラスを傾けてきたので注いでやる。そのグラスを持つ左手の指先が艶めかしいほどに赤くて、倖忠は思わず目を逸らした。
「おまん、絶対外で酒飲むなよな」
歌留多はオリーブオイルのキノコ炒めに入れた、鷹の爪を器用に箸で除けていた。一瞬その動きを止めて、きっと倖忠を見上げてきた。
「そんなこと先輩に指図される覚えはないです。それに貴方はどうなんですか。バイトが終わった後とか良く飲みに行ってますよね」
「べつにお前が訝しがるようなもんちゃうわ」
経費節減だかなんだか知らないが、最近は賄いがカレーだけなので、それに飽きてきた厨房の同僚&先輩達食べにいくだけだ。
「ああん? 俺は別にええんや俺は。霜月オニーサンが酒飲んで酔っ払ってても欲情するやつおらへんし」
「……先輩はお酒を飲んでいる人を見ると欲情するんですか?」
「欲情するっちゅーか、やりたくなるっちゅーか。あー」
何言ってんだろ俺はと倖忠は自身の言葉に驚く。さっき変なこと思い出したからだ。
「どっちも同じというか最低ですね、死んで下さい」
「おま、丁寧語で言うとけばええもんやないからな。大体すぐ赤くなるから悪いんやろ。つかなんやねんその顔。息せき切って駆けてきた少女か。草原を」
歌留多がもうこれ以上ないってくらいの蔑むような目で睨んでくるが、アルコールと倖忠のセクハラ発言に頬が真っ赤だからちぐはぐで可愛い気がしてくる。うっかり触ったらジュッて水分が蒸発する音がしそう。独特すぎる価値観で周りをドン引きさせるばかりの拗らせ女子に、気軽に飲みに誘われるような友達なんていないだろうと思ったのも束の間。
「あ、来週恵毘守が帰ってくるので一緒に飲もうとメールがありました」
全くいないわけではなかった。一人だけ。氷上恵毘守。ハイスペック時計兎。
「はあ? 俺のとこにはきてへんだけど」
イラッとしながら四本目を開ける。本当は度数控えめのほろよいにしようと思ったが、なんか意地になってスーパードライのプルトップを引っ張った。
「んで、行くんか?」
聞いてから、しまったと思った。耳に届く自分の声が思ったより尖がっていたからだ。何だかどうしようもない束縛系毒男みたいだ。でもソイツの名前を聞いた時、この胸に広がったのは暗澹たる気持ちだった。
氷上恵毘守だって、もちろん可愛い後輩の一人だ。可愛すぎてブラジルまでぶっとばしてやりたいくらい。歌留多は倖忠の問いにはこたえず、というか返事をするのもバカバカしいしいというような顔でコップのビールを一息に煽った。そりゃそうだ。いくら年上で恋人だからって、いちいち自分の行動を倖忠俺に制限される謂れはない。
「なつかしなー、あいつゲンキにしとるんかえ?」
「棒読みですね」
棒読みにもなるわと倖忠は声に出さないまま毒づく。倖忠と歌留多が付き合いはじめた少し後くらいに、氷上の第一希望が地方にある私立大学だと聞いた。それが、自分達に関係あるのかは知らない。めでたく受験に合格し、その大学のある地方都市に旅立つ氷上を部活メンバーで見送りに行った時。倖忠はホームの片隅で、いつになく真剣な恵毘守に深々と頭を下げられた。
「歌留多をよろしくお願いします」
「おうまかせろや」
氷上が歌留多に対し並ならぬ感情を抱いていたことは明白で、倖忠はそんな力強くもない感じで応えて、黒と青が混じった後頭部を見下ろしていた。
――もし、自分と歌留多がこういう関係になる前に、彼が何かしらのリアクションを起こしていたら。全然違った未来だったのかもしれないと思うことはある。けれど、恵毘守は歌留多の相棒という立場を選んだのだ。上手くいけば一生モノの繋がり。今の自分達よりよっぽど揺るぎなく、平凡だが持続性のある関係。
何かを得ようとしたら、何かを捨てなければならない。彼はそれをしなかった、もしくは出来なかった、だけのことなのだ。
とまあ、これは倖忠の予想でしかないのだが。きっと地方の豊かな自然相手に失恋の痛手を癒しているだろう。そんな後輩に憐憫の情さえ感じていたら、正月に帰省してきた時、彼女なんですよ~と写メを見せられた。黒縁眼鏡をかけ、色白で、鼻筋の通った大人しそうな女の子とのツーショット。身長以外は、とある人物を強く連想させた。
隣で覗き込んでいた歌留多が、もうちょっと愛想良くした方がいいんじゃないのと言った。お前が言うかお前が。倖忠が歌留多の頭をはたくと、氷上は楽しそうにあははははと笑っていた。諦めが悪いんだか切り替えが早いんだか。自分はこの、一見人懐っこくてでも実は食えない後輩の思惑を計りかねている。
「帰ってきてこっちで就職したいみたいです。神風堂出版か書店員が第一希望のようで」
あのお調子者と出版業界とミスマッチ感がすごい。テレビショッピングとかの方が似合うそうじゃね? というか、それ歌留多の傍に行く前提での就活やないの? なんちゅーか、狙う気マンマンやろが! ヒットマンか!
はいアウト。前言撤回。絶対に二人で飲みとか行かせたくない。連れ込まれるって可能性は? 壁ドン? 壁ドンすればいーの? 行かせてたまるかい! 何だかいよいよ酔いがまわってきたらしい。歌留多は顔が赤い以外は平然としているのに、自分はこのザマ。ゴシゴシと目を擦ると視界がうっすらと赤くなった。
「先輩が私と恵毘守のことをどう思っているのかは知りませんが、その、少し考え過ぎなような気がします。恵毘守の彼女が俺に似ているとか言いだした時は正直馬鹿かと思いました。そんなことは断じてないし、第一彼女に失礼です」
あーあれですねあれ、鈍感が擬人化したようなお前にわかれって言った方が無理だったね。
知ってる? でもあの黒縁メガネ、伊達なんですってね? ちょっと締め上げたら自分が掛けてもらってますと白状した。歌留多は立ち上がると、冷蔵庫からミネラルウォーターを出して二つのコップに注いだ。黙って倖忠の前にも置く。
「それに、倖忠さんとは恋人ですが、恵毘守はただの、と、と……友達、ですから」
だあああ、なんで友達言う方を恥ずかしがってんねや! 普通逆やろ! あっそうだね! 生まれて初めて出来たお友達やもんね! 知るか馬鹿。女をぶっ飛ばす趣味はないが、覚悟してろよ今夜。
でも、さらりと言われた恋人という言葉に悪い気はしない。すっと言葉が出てきたのはもう日常だからだろうか。友達という単語に未だ馴染めない恋人の大学生活に若干不安を覚えつつも、ああでもやっぱり二人で行かせたくないなと思う。
本音は、本当は、何処にだって行かせたくない。ずっとこの二LDKに閉じ込めておきたい。就職してもっと大きなテーブル買って、倖忠が飯を作って、たまには和食も作って、饅頭も作れるのだろうか。後でクックパッドとかで調べておこう。あーほんっとお酒って怖いデスネー。思考の箍が外れる。自分はヤンデレ要素もあったらしい。本格的なヤンデレさんを知ってるに人に怒られそうなくらいのソフトっぷりとはいえ、二十二年近く生きてきて初めて知った。
さっき足も蹴ってもたし(どこぞの銀行マンごとく倍で返されたが)、束縛ヤンデレ系彼氏さんがログインしました!
歌留多は相変わらず赤い。ししゃものマリネをばりばり食べているが、もう白雪姫かというくらい白くて赤い。そろそろ三次元の恋人を二次元ヒロインに例えるのを止めるべきだろう。
「まぁな、行くのは別にええんや、飲むなとも言わへん。でも一個約束しろ」
「……聞くだけお聞きしますけど。何ですか?」
「……あんま襟ぐり開いた服、絶対着てくな」
「……意味がわかりません」
たっぷりの間の後、歌留多は首を傾げた。
「だーかーらー、チューブトップとか論外、襟付きで第一ボタンまできっちり閉じてけゆうてんねん」
この部屋に持ち込まれた歌留多の私服は全部襟付きで、制服やジャージの時のように、歌留多は首元の一番上のボタンまで閉じて着ていた。あらゆる意味でストイックな本人を象徴するように、固く閉じられたボタンは外すのが結構大変で、焦ってぶちっと取れたりした事も何回かあった。基本怒られて時には泣かれた。それはそれで、まあ倖忠としては良かったという事実は墓場まで持っていくつもりだ。
けれど最近はラフな服を好む倖忠の影響もあってか、Tシャツなどを着る事も少なくなくなり、今日もボートネックのカットソーにカーデガンという恰好だ。少しだけが肩の方まで開いていて、そこから見える肌が、ぽぽっと滲んだように赤い。こんなものを恵毘守に見せてやる義理はない。
「意味わからんでてもええさけ、俺の言うとおりにしろ」
少し声を強張らせてやれば、歌留多は結局頷くしかない。くっそ生意気でもやっぱり体育会系社会が染みついているのだ。
「わかりました」
不承不承ながらも言う歌留多に満足し、やっぱりもう一本飲んじゃおっかなーでも勃たなくなったら風呂の後俺が困るしなーとか考えていると、歌留多がチョリソに箸を伸ばそうとしてたので、倖忠は慌ててチーズが入っている方を指でつまんだ。
「お子ちゃまのはこっち」
ちょっとした悪戯心で口元に運んでやると、歌留多は一瞬きょとんとしたものの、マリネのオイルでぬるっとした唇をあーんと開いて、ソーセージを歯で挟んで受け取った。彼女も流石に少し酔っぱらってるのか、いつになく素直で行儀が悪い。いい感じの太さのそれをそのままもぐもぐと咀嚼する。
……あーうん、なんかもう一人の倖忠の心配は大丈夫そうだ。でも新たな心配事が一つ増えた。
「あと、お前ソーセージとか頼むなや」
歌留多はやっぱりわからないというように首を傾げた。
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