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番外編 他人の家
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この家を建てた夫婦がな、地震と勘違いするくらいド派手な喧嘩しょっちゅうしてて、今でも時々、起きるんだ。例の夫婦はとっくに離婚してるのに、ガクガク揺れてる家から言い争う声が今でも聞こえるよ。
その家が『アリスの家』呼ばれたのは単純な話、家主が白いウサギを飼っていたからだ。長年一人暮らしだった家主もペットも寿命で亡くなり、家を買った者は何人か居たが、皆手放してしまった。「幼い女の子の笑い声がずっと聞こえる」からって。
大学生から住んでるアパートの窓から見える、向かいの一軒家の部屋には一日中セーラー服が吊るしてある。旅行から帰ると両手が、お盆の帰省から帰ると両足が生えていた。
泥棒は頭を抱えた。事前に留守になる時間帯を調べ尽くして忍び込んだのに、家の全ての出入り口から「ただいまあ」と言いながら家の中を窺う何かがいる。
その家が『アリスの家』呼ばれたのは単純な話、家主が白いウサギを飼っていたからだ。長年一人暮らしだった家主もペットも寿命で亡くなり、家を買った者は何人か居たが、皆手放してしまった。「幼い女の子の笑い声がずっと聞こえる」からって。
大学生から住んでるアパートの窓から見える、向かいの一軒家の部屋には一日中セーラー服が吊るしてある。旅行から帰ると両手が、お盆の帰省から帰ると両足が生えていた。
泥棒は頭を抱えた。事前に留守になる時間帯を調べ尽くして忍び込んだのに、家の全ての出入り口から「ただいまあ」と言いながら家の中を窺う何かがいる。
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