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迷路のお城と銀砂糖
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用意の出来たマリアローゼはシスネの案内で、カンナやユリア、パーウェルなどの護衛も連れて、厨房へと城の中を移動していた。
最初に入った中庭に面した入口を出てすぐ右側の扉を開けると、廊下が続いている。
兄達の部屋に続く廊下で一つ目の曲がり角、突き当りの曲がり角其々右に折れると兄達の部屋がずらりとある、との説明だった。
そちらには進まずに左に続く廊下を歩いて行く。
途中部屋があり、1つめが古文書室、2つ目が書庫、3つめが絵画室、それを通り過ぎると右側に下りる階段が現れて、そこを下りて行く。
階段の目の前は綺麗な扉が付いていて、それを開くとロングギャラリーになっていた。
絵画を飾る回廊であり、煌びやかな装飾と、高級そうな絵画がずらりと並んでいる。
「まあ……」
マリアローゼは驚きの声を上げた。
記憶の中で見たことがある、中世の城のようで、大きなガラス細工の吊り燭台、シャンデリアが輝いている。
遥か昔は火を灯したのだろうが、今は魔石で光るようになっているのだろう。
燭台の部分に蝋燭は置かれていない。
豪華な廊下を抜けると左側に扉が有り、そこを入るのかと思いきや、右側の壁にしか見えない扉が開かれた。
「こちらの扉は何処に続いていますの?」
開かれていない方の扉は、両扉で廊下に合わせた豪奢なあしらいの扉である。
「そちらは客室棟への入口となっております。こちらは厨房に続く使用人通路となっております」
ふむふむ、と頷いて、マリアローゼはシスネの後ろに続いた。
とにかく、迷いそうなくらい、だだっ広いのである。
流石、城なのである。
平原の城、ソール・オリエンスは、ここまで複雑な作りではなかった、ように思う。
屋敷といわれれば屋敷ですね、という規模だった。
磨き上げられた木の廊下を進むと、突き当たりに大きな扉と、左に続く廊下が見えてきた。
そこでシスネは立ち止まる。
「奥の天井部分、あの斜めになっているところが、先程降りてきた階段です。突き当たりはホールになっておりまして、あの扉からお料理を運び出します」
複雑な作りなのである。
公爵邸の使用人通路で「迷路だー」と喜んでいたあの頃が懐かしい。
ガチャリ、と中から扉が開いて、ラディアータが扉を押さえながら言った。
「ジェレイド様もすぐに来てくださるとの事です。どうぞ、お嬢様、中で料理人達が待機しております」
「分りました。ご苦労様です、ラディアータ」
マリアローゼは厨房の中に入ると、居並ぶ料理人達に優雅にお辞儀をした。
「皆様お待たせを致しました。本日は、宜しくお願い致します」
子供のマリアローゼを見て、お嬢様の遊びに付き合わされるのか、と思っている者もいるには違いないが、今までのジェレイドの献身が讃えられているからか、あからさまに馬鹿にしたような視線を送る者はいない。
横に控えていた城の家令ノウェムが、すっと進み出る。
「紹介を致します。こちらが城の料理長、ユグム、こちらが屋敷の料理長、キリウ、こちらが商会の料理長、ダレン、こちらが町の代表の料理ギルド長、ソーレと申します」
それぞれが頭を下げて挨拶を交わし、最後に料理ギルド長が挨拶をすると、背後にいたユリアが爆笑した。
「宜しくお願いします、姫様、ソーレ・タベルナと申します」
(爆笑するのは分りますけれど!)
笑われたソーレの顔は理由も分らず、怒りと羞恥で真っ赤になっている。
マリアローゼは、そんなソーレの手をそっと両手で握った。
「とても素敵なお名前ですね。これから懇意にして頂けると嬉しいですわ」
覚えやすくて素敵な名前なのである。
絶対に忘れない自信がマリアローゼにはあった。
ユリアは静かにカンナに足を踏まれて、今は笑うのを止めて、蹲っている。
ニッコリと微笑む可愛らしい姫君の対応の方が勝ったのか、ソーレの目に涙が浮かんだ。
正直に言うと、ソーレは此処へ来るのは気が進まなかったのだ。
市井では確かに権限も俸給もたっぷりあるのだが、城や公爵家の料理人に比べれば、身分の差は天地ほどある。
しかも貴族は概ね平民に対して横暴であり、人間扱いしない者もいるのは知っていた。
この領地が特別と言えば特別で、王国自体もマシな方だとよく言われている。
帝国では平民が無礼を働けば、その場で殺されても貴族の罪は問われないという。
どんなに領主代行のジェレイドが人格者でも、小さな姫君がそんな風に自分に声をかけてくれるなどとは思っていなかった。
望外の喜びに涙が溢れたのである。
「は、はい…一生懸命お仕え致します!」
「では、まず、新しい調味料のご紹介をさせて頂きますわね」
スッとノウェムが銀盆に載せた布袋と小皿を、マリアローゼの目の前の料理机に並べた。
そして、何処から取り出したのか小さな足置き台を足元に置いてくれたので、マリアローゼはその上に乗る。
さらら…と小皿に、布から銀の粉を移し、マリアローゼはにっこり微笑みかけた。
「これは銀砂糖という、新しい甘味料ですの。この調味料の味見は後にしまして、まずは皆さま、レモーヌの果汁を使ったレモーヌ水を作ってくださいませ」
城の調理人達がグラスを用意して、水を注いでいく中、其々が思い思いの量のレモーヌの雫を水に溶かす。
頭に?を浮かべている料理人を見ながら、マリアローゼは再び指示をした。
「出来ました方はこちらにお並びになって」
いそいそとソーレが真っ先に並んで、嬉しそうにニコニコと笑顔を浮かべている。
「では、わたくしの前に参りましたら一口飲んで頂いて、味の変化を感じて頂きたいの」
ソーレは一口のんで、酸味に僅かに顔を顰め、マリアローゼはそのグラスにさらさらと小匙一杯の銀砂糖を入れた。
「さあ、ソーレさん」
マリアローゼに促されて、恐る恐る口を付けたソーレは、驚きの表情を浮かべて、そしてごくごくと全てを飲み干した。
「こ、これは、姫様、一体?」
その反応を見て、ユグムが次にグラスを呷り、マリアローゼに差し出した。
同じ様にマリアローゼは銀砂糖を水に入れる。
ユグムも一口味見をした後、驚きの表情を浮かべて、やはり何度も確かめる様に飲んでいる。
料理人達が順繰りに同じ様な反応で、新しいレモーヌジュースというべき飲物を飲んで、感動するのを
マリアローゼは笑顔で見詰めた。
そう。
甘みは酸味を抑えるのである。
最初に入った中庭に面した入口を出てすぐ右側の扉を開けると、廊下が続いている。
兄達の部屋に続く廊下で一つ目の曲がり角、突き当りの曲がり角其々右に折れると兄達の部屋がずらりとある、との説明だった。
そちらには進まずに左に続く廊下を歩いて行く。
途中部屋があり、1つめが古文書室、2つ目が書庫、3つめが絵画室、それを通り過ぎると右側に下りる階段が現れて、そこを下りて行く。
階段の目の前は綺麗な扉が付いていて、それを開くとロングギャラリーになっていた。
絵画を飾る回廊であり、煌びやかな装飾と、高級そうな絵画がずらりと並んでいる。
「まあ……」
マリアローゼは驚きの声を上げた。
記憶の中で見たことがある、中世の城のようで、大きなガラス細工の吊り燭台、シャンデリアが輝いている。
遥か昔は火を灯したのだろうが、今は魔石で光るようになっているのだろう。
燭台の部分に蝋燭は置かれていない。
豪華な廊下を抜けると左側に扉が有り、そこを入るのかと思いきや、右側の壁にしか見えない扉が開かれた。
「こちらの扉は何処に続いていますの?」
開かれていない方の扉は、両扉で廊下に合わせた豪奢なあしらいの扉である。
「そちらは客室棟への入口となっております。こちらは厨房に続く使用人通路となっております」
ふむふむ、と頷いて、マリアローゼはシスネの後ろに続いた。
とにかく、迷いそうなくらい、だだっ広いのである。
流石、城なのである。
平原の城、ソール・オリエンスは、ここまで複雑な作りではなかった、ように思う。
屋敷といわれれば屋敷ですね、という規模だった。
磨き上げられた木の廊下を進むと、突き当たりに大きな扉と、左に続く廊下が見えてきた。
そこでシスネは立ち止まる。
「奥の天井部分、あの斜めになっているところが、先程降りてきた階段です。突き当たりはホールになっておりまして、あの扉からお料理を運び出します」
複雑な作りなのである。
公爵邸の使用人通路で「迷路だー」と喜んでいたあの頃が懐かしい。
ガチャリ、と中から扉が開いて、ラディアータが扉を押さえながら言った。
「ジェレイド様もすぐに来てくださるとの事です。どうぞ、お嬢様、中で料理人達が待機しております」
「分りました。ご苦労様です、ラディアータ」
マリアローゼは厨房の中に入ると、居並ぶ料理人達に優雅にお辞儀をした。
「皆様お待たせを致しました。本日は、宜しくお願い致します」
子供のマリアローゼを見て、お嬢様の遊びに付き合わされるのか、と思っている者もいるには違いないが、今までのジェレイドの献身が讃えられているからか、あからさまに馬鹿にしたような視線を送る者はいない。
横に控えていた城の家令ノウェムが、すっと進み出る。
「紹介を致します。こちらが城の料理長、ユグム、こちらが屋敷の料理長、キリウ、こちらが商会の料理長、ダレン、こちらが町の代表の料理ギルド長、ソーレと申します」
それぞれが頭を下げて挨拶を交わし、最後に料理ギルド長が挨拶をすると、背後にいたユリアが爆笑した。
「宜しくお願いします、姫様、ソーレ・タベルナと申します」
(爆笑するのは分りますけれど!)
笑われたソーレの顔は理由も分らず、怒りと羞恥で真っ赤になっている。
マリアローゼは、そんなソーレの手をそっと両手で握った。
「とても素敵なお名前ですね。これから懇意にして頂けると嬉しいですわ」
覚えやすくて素敵な名前なのである。
絶対に忘れない自信がマリアローゼにはあった。
ユリアは静かにカンナに足を踏まれて、今は笑うのを止めて、蹲っている。
ニッコリと微笑む可愛らしい姫君の対応の方が勝ったのか、ソーレの目に涙が浮かんだ。
正直に言うと、ソーレは此処へ来るのは気が進まなかったのだ。
市井では確かに権限も俸給もたっぷりあるのだが、城や公爵家の料理人に比べれば、身分の差は天地ほどある。
しかも貴族は概ね平民に対して横暴であり、人間扱いしない者もいるのは知っていた。
この領地が特別と言えば特別で、王国自体もマシな方だとよく言われている。
帝国では平民が無礼を働けば、その場で殺されても貴族の罪は問われないという。
どんなに領主代行のジェレイドが人格者でも、小さな姫君がそんな風に自分に声をかけてくれるなどとは思っていなかった。
望外の喜びに涙が溢れたのである。
「は、はい…一生懸命お仕え致します!」
「では、まず、新しい調味料のご紹介をさせて頂きますわね」
スッとノウェムが銀盆に載せた布袋と小皿を、マリアローゼの目の前の料理机に並べた。
そして、何処から取り出したのか小さな足置き台を足元に置いてくれたので、マリアローゼはその上に乗る。
さらら…と小皿に、布から銀の粉を移し、マリアローゼはにっこり微笑みかけた。
「これは銀砂糖という、新しい甘味料ですの。この調味料の味見は後にしまして、まずは皆さま、レモーヌの果汁を使ったレモーヌ水を作ってくださいませ」
城の調理人達がグラスを用意して、水を注いでいく中、其々が思い思いの量のレモーヌの雫を水に溶かす。
頭に?を浮かべている料理人を見ながら、マリアローゼは再び指示をした。
「出来ました方はこちらにお並びになって」
いそいそとソーレが真っ先に並んで、嬉しそうにニコニコと笑顔を浮かべている。
「では、わたくしの前に参りましたら一口飲んで頂いて、味の変化を感じて頂きたいの」
ソーレは一口のんで、酸味に僅かに顔を顰め、マリアローゼはそのグラスにさらさらと小匙一杯の銀砂糖を入れた。
「さあ、ソーレさん」
マリアローゼに促されて、恐る恐る口を付けたソーレは、驚きの表情を浮かべて、そしてごくごくと全てを飲み干した。
「こ、これは、姫様、一体?」
その反応を見て、ユグムが次にグラスを呷り、マリアローゼに差し出した。
同じ様にマリアローゼは銀砂糖を水に入れる。
ユグムも一口味見をした後、驚きの表情を浮かべて、やはり何度も確かめる様に飲んでいる。
料理人達が順繰りに同じ様な反応で、新しいレモーヌジュースというべき飲物を飲んで、感動するのを
マリアローゼは笑顔で見詰めた。
そう。
甘みは酸味を抑えるのである。
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