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第124話 レジスタンス襲来

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 パレードは滞りなく続く。歩兵がずっと列をなして歩いてきたと思えば、今度は騎兵の行進だ。

「あ、あそこ!」

 興奮気味のナジャが指し示しているのは列の先頭。そこには白馬に跨った爽やかな騎士がいた。

「あの方が?」
「そう!ラングレーさん!」
「あの方がそうなのね…」

 ラングレーは穏やかな笑みを浮かべながら、騎兵の行進を先導している。

「きゃー!ラングレー様~」
「素敵ー!」
「こっちむいて~!」 

 ローティカの街の女性から彼へそのような言葉が次々に投げかけられる。

(すごい人気だ)

 そして大砲や大型武器の列が通り終えると、いよいよあの男がやって来る。

「皇帝陛下のおなーりー」

 その言葉に歓声がひときわ湧きだった。金色の玉座の如き馬車に乗る人物こそ、キムだ。

(老けたな…)

 彼の顔の皺は、火あぶりの刑から年月が大分経過している事を如実に教えてくれる。
 だが、目つきは変わってはいない。それどころか更に厳しさが増したように思える。

(キム…)

 私が彼の名を心の中で唱えた時だった。銃声がどんどんと響き渡る。

「?!」
「伏せて!」

 いきなりナジャにそう言われながら、身体に覆いかぶされた私。

(どういう事…?)

 銃声はまだ響き渡る。もしや、これは軍事パレードでの祝砲ではない。
 そう判断した時、隊列をなしていた陸軍は一瞬で戦闘体勢に入り、行進は止まる。
 ローティカの街の人々もようやく事を理解したのか、次々に悲鳴を上げながら右往左往しつつ逃げ惑いはじめた。

「ナジャ、まさか!」
「銃撃よ!私達も早く逃げなきゃやられる!」

 すると、大通りを挟んで向かいにあるアパルトマンから一気に銃を持った男達がぞろぞろとやって来た。
 その中に私は見覚えのある姿を見る。

「ケイン…?」

 その姿は間違いなく、ケインだった。
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