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第122話 綺麗と言われて
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「ナターシャ?」
ナジャが私の顔を覗き込んでくる。どうやら私の様子が変だと感じたのだろうか。
「いや、何でも無いわ」
と、返すとちょっとびっくりしちゃった?とナジャは告げる。
「滅茶苦茶綺麗になっててびっくりしたとか!」
「ふふっ当たりよ」
ナジャには申し訳ないが、そう言う事にしておいた。
(その方が良い…)
その後、食堂にてメイルとマッシュと共に朝食のサンドイッチとかぼちゃのポタージュスープを頂いたがリークの姿は無かった。
料理長曰く自室で朝食を取っているらしい。
(ここは…1人にしておいた方が良いのかな)
朝食が終わって食堂の椅子に掛けたまま、リークへ声をかけるべきかどうか悩んでいると、ナジャが私の右肩をぽんぽんと叩いて来る。
「リークのとこいかないの?」
「え」
「折角だし、ドレス姿見せてきたら?」
見せるべきか悩んだ末、一旦は見せる事にした。
(どう反応するかな…)
ナジャに連れられてリークの自室のドアをノックした。ノックした私の手は若干小刻みに震えている。
「どうぞ」
「リーク、いい?」
「ナターシャ?」
リークがドアを開けた私の姿を見て、目を丸くする。まるで魚の目のようだ。
「…ナジャのドレスを借りて着てみたんだけど、変じゃないかしら」
「…」
口を開けたまま無言のリーク。十秒ほど立ってようやく彼の口がもごもご動いた。
「き、綺麗だ…」
「そ、そうかしら…?」
「ああ、とても美しい。お姫さまかお妃さまみたいだ」
「!」
妃と言われて一瞬だけ胸がざわめいたが、お姫さまと言われるとなんだか気分は悪くなくなる。
「お姫さまかお妃さまなら、どちらが似てる?」
ここで私はリークについ、意地悪な質問をしてみてしまった。
(お姫さまって答えてくれたらなあ…)
と、期待しているとリークは真っ直ぐに私へ目線を投げかけて口を開いた。
「どっちもかなあ」
「どっちも?!」
「すまん、選べなかった」
正直に詫びるリークに、私は自分でもよく分からないまま笑ってしまった。
「ナターシャ?」
「いえ、やっぱりリークは可愛いなって」
少しだけ、胸の内が軽くなった気がした。
ナジャが私の顔を覗き込んでくる。どうやら私の様子が変だと感じたのだろうか。
「いや、何でも無いわ」
と、返すとちょっとびっくりしちゃった?とナジャは告げる。
「滅茶苦茶綺麗になっててびっくりしたとか!」
「ふふっ当たりよ」
ナジャには申し訳ないが、そう言う事にしておいた。
(その方が良い…)
その後、食堂にてメイルとマッシュと共に朝食のサンドイッチとかぼちゃのポタージュスープを頂いたがリークの姿は無かった。
料理長曰く自室で朝食を取っているらしい。
(ここは…1人にしておいた方が良いのかな)
朝食が終わって食堂の椅子に掛けたまま、リークへ声をかけるべきかどうか悩んでいると、ナジャが私の右肩をぽんぽんと叩いて来る。
「リークのとこいかないの?」
「え」
「折角だし、ドレス姿見せてきたら?」
見せるべきか悩んだ末、一旦は見せる事にした。
(どう反応するかな…)
ナジャに連れられてリークの自室のドアをノックした。ノックした私の手は若干小刻みに震えている。
「どうぞ」
「リーク、いい?」
「ナターシャ?」
リークがドアを開けた私の姿を見て、目を丸くする。まるで魚の目のようだ。
「…ナジャのドレスを借りて着てみたんだけど、変じゃないかしら」
「…」
口を開けたまま無言のリーク。十秒ほど立ってようやく彼の口がもごもご動いた。
「き、綺麗だ…」
「そ、そうかしら…?」
「ああ、とても美しい。お姫さまかお妃さまみたいだ」
「!」
妃と言われて一瞬だけ胸がざわめいたが、お姫さまと言われるとなんだか気分は悪くなくなる。
「お姫さまかお妃さまなら、どちらが似てる?」
ここで私はリークについ、意地悪な質問をしてみてしまった。
(お姫さまって答えてくれたらなあ…)
と、期待しているとリークは真っ直ぐに私へ目線を投げかけて口を開いた。
「どっちもかなあ」
「どっちも?!」
「すまん、選べなかった」
正直に詫びるリークに、私は自分でもよく分からないまま笑ってしまった。
「ナターシャ?」
「いえ、やっぱりリークは可愛いなって」
少しだけ、胸の内が軽くなった気がした。
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