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第3章
神社の中は暗かったけど、電気をつけると明るくなった。
しおりを挟むうちはお坊さんについていく。神社の中は暗かったけど、電気をつけると明るくなった。ちょっと薄気味悪いんは、こういう所やからしゃあない。
「ま、これでも飲みなさい。」と言ってお坊さんが出してくれたのは、熱いお茶やった。
「ありがとうございます。」そううちは言うと、そのお茶をいただいた。それを口に入れると、思ったより体が温まり心まで温かくなった。
「それで。そのお侍さん、ゴホゴホ。」とお坊さんは正座をして、うちの前で咳をする。
「大丈夫ですか。」とうちは気遣いながらも、手元のリスをそっと畳の上に寝かせた。寝てるリスは丸まってて、死んでるみたいにも見えた。
「うむ、暖房がきくまで少しかかる。さて、いつからその霊はいるのかじゃが。」とお坊さんは気を取り直して言った。
「多分、今日?」とうちは五右衛門との出会いが、ついさっきであることを思い出して言った。
「どうかの。」とお坊さんは思案気で、うちの顔を見る。いや、うちの後ろにいる霊を見ているのかもしれん。気色悪いけど。
「どうですか。」うちは不安になって尋ねた。すると、お坊さんは手をうちの前にかざす。そしてうにゃむにゃと何やら呪文のようなものを唱えた。
「ふぅ。」お坊さんは言うとため息をつく。うちはじっとしてる。
「そうじゃの、今日からというわけではなさそうじゃ。」とお坊さんが言った。今日からじゃないってことは?
「いつからですか?」とうちは聞いた。
「ずいぶん前。」とだけお坊さんは言うと、突然立ち上がった。そしてその場でくるくると舞った。なにかこれに意味があるのだろうか。すると突然、雷の音がした。
「ずいぶん前?」うちはビビりながらも、言われた言葉を繰り返す。そんな以前から五右衛門はうちに憑りついていたんや。うちは全く知らんかったけど、今夜会う前から一緒やったんや。と、お坊さんは回転するのをやめると、再び正座をした。
「お祓いをしてあげたいところじゃが。」と言うと、そのあとの言葉は煙の中に吸い込まれる。なんなん。
「え、無理なんですか?」うちがその続きを言葉に出す。
「ここでは。」とお坊さんは言った。ここじゃ無理?
「じゃあどこなら可能なんでしょう。」とうちは聞くしかない。そらそうやん。
「そこに、比叡山があるのは知ってるな?」とお坊さんは険しい顔つきで言う。
「え?」うちは答えることができない。そんなところまで行かなあかんの。
「もしくは、鞍馬寺でもやってくれるかもしれんが。とにかく急ぐことじゃ。」とお坊さんは言う。え、鞍馬寺なら比較的近いやん、とうちは眠っているリスを見ながら思った。
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