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第1章
うちは涙をふいて、強がる。
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「泣いてるん?」横を見ると小さな静が顔を近づける。うちは涙をふいて、強がる。
「泣いてるんちゃう。寒いだけや。」鼻をかみながらうちはそう言う。
「寒いって、そうかなぁ。」と京女らしいあいまいさで幼い静はうちの顔を眺めている。
「そうや、寒いねん。あんた大丈夫か。」うちは静を気づかうフリをして、余計に流れる涙をふく。
「あたしは別に泣いてへんもん。」静はそう言うと、向こうを指差した。
「なんなん?」うちはそちらを振り向く。
「あれやん。」静はそう言って円山公園の桜の木の下まで走っていった。
「ちょっとあんた。」うちは仕方なく妹を追いかける。追いかけながら、なんで自分が泣いていたのか思い出す。お父さんとお母さんに買ってもらった下駄の緒が切れてもうてん。それで足が痛くなって、妹の手前それまで我慢して歩いてきたけど泣いてしまった。泣くこともないんやけど、それまで我慢してて苦しくなって、お父さんもお母さんもいいへんし寂しくて泣いた。でも静は動揺することもなく、うちのそばにいてくれて、桜の花が舞ってる円山公園で待っててくれた。そして今は桜の木の下に立ってて、団子を食べてる。
「ほら。」そう言うとうちにも団子を手渡してくれる。
「ありがとう。」うちは妹にお礼を言って、団子を食べる。とても美味で、うれしくて静のことを頬ずりしたくなったけど、そんなことすると妹はきっと嫌がるはずやからやめとく。
「なぁお姉ちゃん。」静は団子を食べ終わると、その串を使って指揮者みたいに振った。
「なに?」うちは団子を味わいながら、桜を眺める。こうして改めて見るととても綺麗や。
「お父さんとお母さん。」静はそう言うと、再び突然走り出す。妹はいつも俊敏やけど、うちはそれに着いて行けへん。
「ちょっと待って。」うちは団子を頬張りながら、小さい静のあとを追う。
「泣いてるんちゃう。寒いだけや。」鼻をかみながらうちはそう言う。
「寒いって、そうかなぁ。」と京女らしいあいまいさで幼い静はうちの顔を眺めている。
「そうや、寒いねん。あんた大丈夫か。」うちは静を気づかうフリをして、余計に流れる涙をふく。
「あたしは別に泣いてへんもん。」静はそう言うと、向こうを指差した。
「なんなん?」うちはそちらを振り向く。
「あれやん。」静はそう言って円山公園の桜の木の下まで走っていった。
「ちょっとあんた。」うちは仕方なく妹を追いかける。追いかけながら、なんで自分が泣いていたのか思い出す。お父さんとお母さんに買ってもらった下駄の緒が切れてもうてん。それで足が痛くなって、妹の手前それまで我慢して歩いてきたけど泣いてしまった。泣くこともないんやけど、それまで我慢してて苦しくなって、お父さんもお母さんもいいへんし寂しくて泣いた。でも静は動揺することもなく、うちのそばにいてくれて、桜の花が舞ってる円山公園で待っててくれた。そして今は桜の木の下に立ってて、団子を食べてる。
「ほら。」そう言うとうちにも団子を手渡してくれる。
「ありがとう。」うちは妹にお礼を言って、団子を食べる。とても美味で、うれしくて静のことを頬ずりしたくなったけど、そんなことすると妹はきっと嫌がるはずやからやめとく。
「なぁお姉ちゃん。」静は団子を食べ終わると、その串を使って指揮者みたいに振った。
「なに?」うちは団子を味わいながら、桜を眺める。こうして改めて見るととても綺麗や。
「お父さんとお母さん。」静はそう言うと、再び突然走り出す。妹はいつも俊敏やけど、うちはそれに着いて行けへん。
「ちょっと待って。」うちは団子を頬張りながら、小さい静のあとを追う。
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