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第49話 皇帝からの質問
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「何の騒ぎかッ!」
至る所が破壊され、赤い絨毯などは見るも無惨な姿になっている。
「クスノハ様ッ、アゼスフォート伯爵ッ、正座!!」
俺は重力魔法を解き、二人には正座をさせた。
「お母様! 曲者です! 親衛隊は皇帝をお守りしろ!」
皇帝陛下をお母様と呼ぶ銀髪ポニーテールの少女。つまりこの方は皇女様で間違いない。そして、彼女の行動は客観的に見たらクスノハ様が曲者ってのも納得できる。このままではクスノハ様の首が飛んでしまう。
「錬聖、修復!」
柱の瓦礫や絨毯のくず、等価交換で足りない分として、小粒のダイヤモンドも使い、錬聖スキルで修復作業を行った。
「「「オオオッ!」」」
集まっていた兵士たちから驚きの声があがる。
「ほう」
皇帝陛下が俺を見て、ニッと笑う。
「そこの者、今のはなんだ。レンセイと言っていたが、錬成術ではないようだが」
謁見の間の入口に、兵士たちに混じり突っ立っていた俺にお声がかかった。俺はその場で膝を付き頭を下げる。隣にいたルミアーナ様も俺に続いて片膝を付き頭を下げた。
「お初にお目にかかります。私はトーマと申します」
「ふむ、トーマとやらは何やら面白い術を使う。こちらに来い」
皇帝陛下の許可も出たので、俺とルミアーナ様は、赤い絨毯の上を歩き、陛下の御前に向かう。途中、青い顔で冷や汗を流しているクスノハ様とアゼスフォート伯爵は完全スルーだ。
「待て、話ならここで良いだろう」
銀髪ポニーテールの皇女様が俺たちの前に立ったので足を止めた。まあ、確かにここでも良いような気がする。陛下の御前で失礼がないように再び膝を付き頭を下げた。
「よい、面を上げよ」
陛下の許可が出たので頭を上げる。
「ではもう一度聞こうか。先ほどの技はなんだ? 少し前から見せて貰っていた。ブラントーとミザリアを相手に剣を振る、そこな娘の剣の技量も優れているが、ブラントーさえも動きを封じた魔法、あれには驚かされたぞ。更には破壊された謁見の間を修復したレンセイの術。非常に興味深いな……レンセイ? まさか錬聖かッ!」
まあ、気付かれるよな。チラッとルミアーナ様の顔を伺うと相槌で返された。
「はい。サセタ神様から授かったギフトにて、錬聖術を体得いたしました」
「真か! 錬聖など聞いた事も無いぞ!? そなた程の者の名が、なぜ妾の耳に届かぬ?」
「そ、それは……」
「僭越ながら陛下、わたくしから説明させて頂きますわ」
「そなたは?」
「わたくしはルミアーナと申しますわ。トーマ様はアマノガワ王国の国王でございます。小さな国ですので、陛下のお耳に届かなくても仕方の無いこと存じます」
「アマノガワ王国? 初めて聞く名だな」
「建国間もない小国でございます。本日は大陸随一であるグレートファング帝国のエルフリーデ皇帝にご挨拶に来た所存ですわ」
「ほう、錬聖が納める国か。しかし見たところ、そなた達はだいぶ若いようにも見える。そなた達の様な若者が、国を納める事が出来るのか?」
「はい。アマノガワ王国にはサセタ神様の厚い加護が御座いますゆえ、ご心配にはおよびませんわ」
「サセタ神様の加護か。我が国もサセタ神様の加護は厚いぞ。妾にしてもサセタ神様より司教のギフトを賜り、今は大司教の地位も得ておるからな」
「大司教とは見事な信仰心でございますわ、陛下。では、トーマ国王の信仰心の証をお見せいたしますわ。トーマ様、あれを陛下にお見せになって下さい」
アレか、アレだな、うんアレだ、アレ、アレ、アレ……なんだアレって。
至る所が破壊され、赤い絨毯などは見るも無惨な姿になっている。
「クスノハ様ッ、アゼスフォート伯爵ッ、正座!!」
俺は重力魔法を解き、二人には正座をさせた。
「お母様! 曲者です! 親衛隊は皇帝をお守りしろ!」
皇帝陛下をお母様と呼ぶ銀髪ポニーテールの少女。つまりこの方は皇女様で間違いない。そして、彼女の行動は客観的に見たらクスノハ様が曲者ってのも納得できる。このままではクスノハ様の首が飛んでしまう。
「錬聖、修復!」
柱の瓦礫や絨毯のくず、等価交換で足りない分として、小粒のダイヤモンドも使い、錬聖スキルで修復作業を行った。
「「「オオオッ!」」」
集まっていた兵士たちから驚きの声があがる。
「ほう」
皇帝陛下が俺を見て、ニッと笑う。
「そこの者、今のはなんだ。レンセイと言っていたが、錬成術ではないようだが」
謁見の間の入口に、兵士たちに混じり突っ立っていた俺にお声がかかった。俺はその場で膝を付き頭を下げる。隣にいたルミアーナ様も俺に続いて片膝を付き頭を下げた。
「お初にお目にかかります。私はトーマと申します」
「ふむ、トーマとやらは何やら面白い術を使う。こちらに来い」
皇帝陛下の許可も出たので、俺とルミアーナ様は、赤い絨毯の上を歩き、陛下の御前に向かう。途中、青い顔で冷や汗を流しているクスノハ様とアゼスフォート伯爵は完全スルーだ。
「待て、話ならここで良いだろう」
銀髪ポニーテールの皇女様が俺たちの前に立ったので足を止めた。まあ、確かにここでも良いような気がする。陛下の御前で失礼がないように再び膝を付き頭を下げた。
「よい、面を上げよ」
陛下の許可が出たので頭を上げる。
「ではもう一度聞こうか。先ほどの技はなんだ? 少し前から見せて貰っていた。ブラントーとミザリアを相手に剣を振る、そこな娘の剣の技量も優れているが、ブラントーさえも動きを封じた魔法、あれには驚かされたぞ。更には破壊された謁見の間を修復したレンセイの術。非常に興味深いな……レンセイ? まさか錬聖かッ!」
まあ、気付かれるよな。チラッとルミアーナ様の顔を伺うと相槌で返された。
「はい。サセタ神様から授かったギフトにて、錬聖術を体得いたしました」
「真か! 錬聖など聞いた事も無いぞ!? そなた程の者の名が、なぜ妾の耳に届かぬ?」
「そ、それは……」
「僭越ながら陛下、わたくしから説明させて頂きますわ」
「そなたは?」
「わたくしはルミアーナと申しますわ。トーマ様はアマノガワ王国の国王でございます。小さな国ですので、陛下のお耳に届かなくても仕方の無いこと存じます」
「アマノガワ王国? 初めて聞く名だな」
「建国間もない小国でございます。本日は大陸随一であるグレートファング帝国のエルフリーデ皇帝にご挨拶に来た所存ですわ」
「ほう、錬聖が納める国か。しかし見たところ、そなた達はだいぶ若いようにも見える。そなた達の様な若者が、国を納める事が出来るのか?」
「はい。アマノガワ王国にはサセタ神様の厚い加護が御座いますゆえ、ご心配にはおよびませんわ」
「サセタ神様の加護か。我が国もサセタ神様の加護は厚いぞ。妾にしてもサセタ神様より司教のギフトを賜り、今は大司教の地位も得ておるからな」
「大司教とは見事な信仰心でございますわ、陛下。では、トーマ国王の信仰心の証をお見せいたしますわ。トーマ様、あれを陛下にお見せになって下さい」
アレか、アレだな、うんアレだ、アレ、アレ、アレ……なんだアレって。
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