私が美女??美醜逆転世界に転移した私

文字の大きさ
12 / 15

12.初めての舞踏会

しおりを挟む
いよいよ舞踏会。

私は異界の渡り人として、国王陛下に紹介される。
今日のために選んだのは、空色のシルクの生地に銀糸で刺繍を施したマーメイドラインのドレス。
髪はアップして毛先を巻いて散らしてもらった。
丸顔なので、シルエットには気を付けたい。

「はぁー。ミュウ様……なんてお美しい。これでは、殿方の注目を集めてしまいますわね。」
舞踏会の支度を整えニナが満足そうに頷いた。

鏡の中には、化粧によって更にのっぺりとした丸顔の私が映っている。
この国の化粧は顔の凹凸をできる限る消し去るように施される。
私には全く美しく見えない!
この顔をレオンハルト様に見られるのは正直言って複雑……。
もっと目元がぱっちり見えるアイメイクをして、好きな人には会いたい。
そんな事を考えていたら、迎えの時間になってしまった。

「レオンハルト様がいらっしゃいました。」

王宮の侍女たちは流石に顔は背けないものの、それでも目を伏せるようにして彼を迎え入れた。

「ミュウ様。お迎えに上がりました。」

入って来たレオンハルト様を見て心臓が跳ねる。

神!!
神々しい!!

いつもとは違う盛装は、レオンハルトさまの美貌を引き立てていて、髪を撫で付けたせいで露になった透き通るような空色の瞳が、色気を醸し出している。

彼は私を見て、少し固まった後、緩やかに笑顔を浮かべた。

「お綺麗です。……想像していたよりずっと……。」

心臓を射抜くような衝撃!
もうっ、素敵ですっ!!

ニナ、ごめんなさい。
化粧に文句言って……。
グッジョブですっ!

私はレオンハルト様にエスコートされ、王宮舞踏会に参加することになっている。

大好きな彼の隣にいるだけで、緊張と幸福感でふわふわしていて足取りも覚束無い。

いよいよ、コールがあり、レオンハルト様にエスコートされて会場に入る。
急に明るい場所に出たせいで、目が眩み、彼の袖をギュっと掴んだ。

「大丈夫ですか?」
「は、はい。」

明るさに慣れて、視界がはっきりすると華やかな衣裳に身を包んだ貴族たちが此方を向いているのに気がついた。痛いほどの視線を感じる……。

そんなに見ないで欲しい………。

前世から目立つのは苦手で、恥ずかしくて隠れたくなる。 

私は美人、私は美人、心の中で唱えて自分を奮い立たせ背筋を伸ばした。

けれど、レオンハルト様を見る貴族達の視線で、彼が今まで周囲からどのような扱いを受けてきたのか分かってしまった。

恥ずかしいとか、目立ちたくないとか、そんな悩みは些細だ。

男性貴族の蔑むような視線。
女性貴族は皆が揃って顔を背ける。
そんな貴族達の態度を気にも留めず、レオンハルト様は優美に歩みを進める。
決して俯かない。
そんな彼を見て私の浮かれた気持ちは引っ込んだ。
彼に寄り添いたくて、少し腕を引くと彼は直ぐに振り向いてくれた。

「ん?どうされましたか?」

僅かに首を傾げ、優しく目を細める。

今までよりずっと強く、彼の事を好きだと思った。
誇り高い、この人を!

「もっと近づいて歩きたいです。」

私たちは会場のどのカップルよりも、身体を寄せ合って歩いた。

「歩きにくくないですか?」
「いいんです。」

近づきすぎて躓いた私を不思議そうに見るが、彼は何も言わなかった。
不自然に身体を寄せ歩きにくそうにしている私を見て、何かを察したのかクックッと笑いを噛み殺している。

レオンハルト様と視線が合う度に微笑み合う。
彼の傍らに寄り添う私が誰よりも幸せに見えるようにと願いながら………。
しおりを挟む
感想 55

あなたにおすすめの小説

【完結】タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する

雨香
恋愛
【完結済】美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。 ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。  「シェイド様、大好き!!」 「〜〜〜〜っっっ!!???」 逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

蝋梅
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

美醜逆転の世界に間違って召喚されてしまいました!

エトカ
恋愛
続きを書くことを断念した供養ネタ作品です。 間違えて召喚されてしまった倉見舞は、美醜逆転の世界で最強の醜男(イケメン)を救うことができるのか……。よろしくお願いします。

推しの幸せをお願いしたら異世界に飛ばされた件について

あかね
恋愛
いつも推しは不遇で、現在の推しの死亡フラグを年末の雑誌で立てられたので、新年に神社で推しの幸せをお願いしたら、翌日異世界に飛ばされた話。無事、推しとは会えましたが、同居とか無理じゃないですか。

私だけ価値観の違う世界~婚約破棄され、罰として醜男だと有名な辺境伯と結婚させられたけれど何も問題ないです~

キョウキョウ
恋愛
どうやら私は、周りの令嬢たちと容姿の好みが違っているみたい。 友人とのお茶会で発覚したけれど、あまり気にしなかった。 人と好みが違っていても、私には既に婚約相手が居るから。 その人と、どうやって一緒に生きて行くのかを考えるべきだと思っていた。 そんな私は、卒業パーティーで婚約者である王子から婚約破棄を言い渡された。 婚約を破棄する理由は、とある令嬢を私がイジメたという告発があったから。 もちろん、イジメなんてしていない。だけど、婚約相手は私の話など聞かなかった。 婚約を破棄された私は、醜男として有名な辺境伯と強制的に結婚させられることになった。 すぐに辺境へ送られてしまう。友人と離ればなれになるのは寂しいけれど、王子の命令には逆らえない。 新たにパートナーとなる人と会ってみたら、その男性は胸が高鳴るほど素敵でいい人だった。 人とは違う好みの私に、バッチリ合う相手だった。 これから私は、辺境伯と幸せな結婚生活を送ろうと思います。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

想定外の異世界トリップ。希望先とは違いますが…

宵森みなと
恋愛
異世界へと導かれた美咲は、運命に翻弄されながらも、力強く自分の道を歩き始める。 いつか、異世界にと想像していた世界とはジャンル違いで、美咲にとっては苦手なファンタジー系。 しかも、女性が少なく、結婚相手は5人以上と恋愛初心者にはハードな世界。 だが、偶然のようでいて、どこか必然のような出会いから、ともに過ごす日々のなかで芽生える絆と、ゆっくりと積み重ねられていく感情。 不器用に愛し、愛する人に理解されず、傷ついた時、女神の神殿で見つけた、もう一つの居場所。 差し出された優しさと、新たな想いに触れながら、 彼女は“自分のための人生”を選び初める。 これは、一人の女性が異世界で出逢い、傷つき、そして強くなって“本当の愛”を重ねていく物語です。

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

冷酷騎士団長に『出来損ない』と捨てられましたが、どうやら私の力が覚醒したらしく、ヤンデレ化した彼に執着されています

放浪人
恋愛
平凡な毎日を送っていたはずの私、橘 莉奈(たちばな りな)は、突然、眩い光に包まれ異世界『エルドラ』に召喚されてしまう。 伝説の『聖女』として迎えられたのも束の間、魔力測定で「魔力ゼロ」と判定され、『出来損ない』の烙印を押されてしまった。 希望を失った私を引き取ったのは、氷のように冷たい瞳を持つ、この国の騎士団長カイン・アシュフォード。 「お前はここで、俺の命令だけを聞いていればいい」 物置のような部屋に押し込められ、彼から向けられるのは侮蔑の視線と冷たい言葉だけ。 元の世界に帰ることもできず、絶望的な日々が続くと思っていた。 ──しかし、ある出来事をきっかけに、私の中に眠っていた〝本当の力〟が目覚め始める。 その瞬間から、私を見るカインの目が変わり始めた。 「リリア、お前は俺だけのものだ」 「どこへも行かせない。永遠に、俺のそばにいろ」 かつての冷酷さはどこへやら、彼は私に異常なまでの執着を見せ、甘く、そして狂気的な愛情で私を束縛しようとしてくる。 これは本当に愛情なの? それともただの執着? 優しい第二王子エリアスは私に手を差し伸べてくれるけれど、カインの嫉妬の炎は燃え盛るばかり。 逃げ場のない城の中、歪んだ愛の檻に、私は囚われていく──。

処理中です...