40 / 62
屋上の貯水タンクの裏側
前編
しおりを挟む
FILE8 緑川 (優等生) × 甲賀 (不良)
…
「今日もマジだりぃな」
「それな」
授業中のはずの時間に部室でサボる。
不良の醍醐味だと甲賀は思っていた。
着崩した制服に派手な色の髪、アクセサリー。
学業にそぐわないことをすることがここにいる男たちの生きがいのようなものだった。
「今日どうする?」
「あー、これからバイトだわ」
「は?真面目かよ」
「うるせぇ、金がねんだよ」
「おまえは?」
「彼女とデート」
「あー、あのビッチか」
「おい、人の彼女ビッチとか言うなし」
他愛もない会話が窓の外の雲と一緒に流れていく。
「甲賀は?」
「あ?俺?」
半分、陽気にやられて夢の世界に旅立ちかけていた甲賀は仲間の声に目を開けた。
「この後、どうすんだよ」
「…呼び出されてっから行ってくる」
「誰にだよ」
「あ、女か?」
茶化すようにハンドジェスチャーしてくる奴の頭をシバく。
「いや、センコー」
「なんだよ」
叩かれた頭を自分で撫でながら恨めしそうに甲賀のことを見上げてくるが、無視して扉を開けた。
…
誰もいない廊下に甲賀の靴音が響き渡る。
教室の前を通ると教師の声だけが聞こえる。
いくつかの教室の前を通り過ぎて階段を上る。
一番上に上り詰めると一つの扉が現れる。
なんのためらいもなく甲賀はその扉を開いた。
「はぁ」
気づいたらいつの間にか不良の部類に入れられ、行動をなんとなくともにさせられているがたまに一緒にいることが苦痛に感じることがある。
そんな時、甲賀は屋上に逃げ込む。
「あれ、来たんだ」
先客がいた。
「…チッ」
思わず舌打ちが漏れた。
「そんな嫌そうな顔しないでよ」
緑川は教師もみとめる模範的な優等生だ。
制服も着崩さず、真っ黒い髪の毛は長すぎず短すぎず。
成績も優秀だ。
「うるせぇ、優等生がサボりかよ」
「自習になったからちょっと早い昼休みをもらっただけだよ」
そういうと緑川は甲賀に近づいてきた。
「眠そうだね、昨日、無理させすぎちゃったかな?」
耳元で囁かれた声に思わず甲賀は腰が抜けそうになった。
「う、うううるせぇよ!」
動揺と共に昨夜の二人の秘めゴトが身体に蘇ってくる。
「はは、かわいいなぁ」
緑川は顔が真っ赤な甲賀の手を引いて給水タンクの裏の小さなスペースに誘う。
ここは二人だけの秘密基地。
二人は幼馴染で気づいたら愛し合っていた。
甲賀は普段素直になれないものの、緑川はその態度や表情から愛を感じ取っていた。
「あ、授業終わったみたいだね」
甲賀の方が身長が高いので、緑川は甲賀の後頭部に手をまわして顔を下げさせる。
ぐっと近づいた距離はゼロになり二人の唇が重なった。
…
「今日もマジだりぃな」
「それな」
授業中のはずの時間に部室でサボる。
不良の醍醐味だと甲賀は思っていた。
着崩した制服に派手な色の髪、アクセサリー。
学業にそぐわないことをすることがここにいる男たちの生きがいのようなものだった。
「今日どうする?」
「あー、これからバイトだわ」
「は?真面目かよ」
「うるせぇ、金がねんだよ」
「おまえは?」
「彼女とデート」
「あー、あのビッチか」
「おい、人の彼女ビッチとか言うなし」
他愛もない会話が窓の外の雲と一緒に流れていく。
「甲賀は?」
「あ?俺?」
半分、陽気にやられて夢の世界に旅立ちかけていた甲賀は仲間の声に目を開けた。
「この後、どうすんだよ」
「…呼び出されてっから行ってくる」
「誰にだよ」
「あ、女か?」
茶化すようにハンドジェスチャーしてくる奴の頭をシバく。
「いや、センコー」
「なんだよ」
叩かれた頭を自分で撫でながら恨めしそうに甲賀のことを見上げてくるが、無視して扉を開けた。
…
誰もいない廊下に甲賀の靴音が響き渡る。
教室の前を通ると教師の声だけが聞こえる。
いくつかの教室の前を通り過ぎて階段を上る。
一番上に上り詰めると一つの扉が現れる。
なんのためらいもなく甲賀はその扉を開いた。
「はぁ」
気づいたらいつの間にか不良の部類に入れられ、行動をなんとなくともにさせられているがたまに一緒にいることが苦痛に感じることがある。
そんな時、甲賀は屋上に逃げ込む。
「あれ、来たんだ」
先客がいた。
「…チッ」
思わず舌打ちが漏れた。
「そんな嫌そうな顔しないでよ」
緑川は教師もみとめる模範的な優等生だ。
制服も着崩さず、真っ黒い髪の毛は長すぎず短すぎず。
成績も優秀だ。
「うるせぇ、優等生がサボりかよ」
「自習になったからちょっと早い昼休みをもらっただけだよ」
そういうと緑川は甲賀に近づいてきた。
「眠そうだね、昨日、無理させすぎちゃったかな?」
耳元で囁かれた声に思わず甲賀は腰が抜けそうになった。
「う、うううるせぇよ!」
動揺と共に昨夜の二人の秘めゴトが身体に蘇ってくる。
「はは、かわいいなぁ」
緑川は顔が真っ赤な甲賀の手を引いて給水タンクの裏の小さなスペースに誘う。
ここは二人だけの秘密基地。
二人は幼馴染で気づいたら愛し合っていた。
甲賀は普段素直になれないものの、緑川はその態度や表情から愛を感じ取っていた。
「あ、授業終わったみたいだね」
甲賀の方が身長が高いので、緑川は甲賀の後頭部に手をまわして顔を下げさせる。
ぐっと近づいた距離はゼロになり二人の唇が重なった。
0
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる