初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。

梅雨の人

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サミュエル

無神経4

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「ルイス!どういうつもりだ!ローズから手を今すぐ放すんだ!」 

怒りで我を忘れてしまった私をルイスは蔑むように見つめてきた。 

その後、ルイスによってローズの涙の訳を聞かされた私は自分の愚かさと無神経さに嫌気がさしてしまった。 

ローズの心をへし折ってしまったのは自分の愚かな言動が原因だったと気が付いた私は、その後ローズの傍から離れることが出来なかった。 

王としてやらなければならないことは山積みで、しかし、せめてローズが目覚めるまでその小さくて可憐な手を握りしめていたかった。 

目覚めたローズに許しを請うた私は、もう二度と同じ過ちは繰り返さないように誓った。 

結果、隙あればローズの傍に駆け寄る自分がいた。
ローズのそばにいるだけで幸せを感じた。 

ああ、やっぱり私にはローズしかいないのだと実感した。 

しかしその後も、ブリアナが私に擦り寄ってきた。

私に取り合ってもらえなくなり寂しいと言ってきたが、その時点ではもう彼女と関わるのが億劫で厄介に感じていた

どうしてもブリアナと私が関わると、ローズを傷つけてしまうのだとようやく無神経な私でも気が付いたからだった。



そしてあの日、執務室に缶詰めになっていた私にローズが病で倒れたと知らせが入った。 

ローズの元に向かおうとしたところで、なぜかその道を塞ぐようにブリアナの使いの者が待っていた。 

早くローズのところに向かいたくて苛立っていた私に、なんとブリアナも倒れたらしくどうしても私に来てもらいたいと泣いて待っていると伝えてきた。 

こんなタイミングでと苛立ったが、ここで無視したら後々ブリアナが煩くなりそうだと考えた私は、とりあえずブリアナの様子を確認してからローズの元に向かうことに決めた。 

ローズと同時に倒れるなんておかしい話だと、私はなぜあの時疑問に思わなかったんだろう。 
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