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DIY、偽装工作に走る
第一回プレオープン その03
しおりを挟むアイスプル 偽装大陸 偽装国家
冒険世界から『騎士王』を招き、視察をしてもらうことに。
……追加で『超越者』が混ざっているが、まあもしもに備えておくべきだろう。
「──ということで、こちらが我らの世界アイスプルです。皆さん、違和感についてはお気づきでしょうが……この世界は人魔分け隔てなく過ごしている、このことをご流してください」
転移してすぐに広がるのは、俺と魔物たちとで築き上げた街並み。
そこに居るのは人化した魔物たちと人形、その光景を『超越者』たちは眺めている。
だが、やはり何かがおかしいということに気付いたのだろう。
それが分かっているからこそ、俺も事前に伝えておいた。
「『生者』、一つ良いだろうか」
「……『学者』さん」
「──この街に、本はあるのか?」
「ありますよ。ただ、大半の内容は私の記したモノとなっておりますが」
「構わん」
とりあえず、『学者』を図書館に連れていくよう通りすがりの魔物に伝える。
対応はそちらに任せ……『騎士王』へ合図し、飛び出そうとする『白氷』を捕らえた。
「ちょ、何するの!?」
「『白氷』、お前こそ何をしようとしていたのだ。言ったはずだぞ、問題を起こすようなら私が止めると」
「はーなーしーてー! 見たことも無い、未知の場所! 全部見て回りたいじゃん!」
「ならば我々と共に来い……『剣矢』、頼めるか?」
「ええ、お任せを」
魔術の檻に捕らえられた『白氷』を、今度は『剣矢』が受け取る。
森人である彼は、精霊たちの力を借りて外部に干渉できない檻を完成させた。
「しかし、どうして『剣矢』さんが……」
「君の世界とはこれまで長い間貿易をさせてもらっているからね。そろそろ、こちらの世界について知ってもいい頃だろう?」
「それも、そうですね……」
「何より。『騎士王』様直々に御呼ばれされたんだ、断るわけにはいかないよ」
イベント世界にはもともと、多くの世界と繋がっていたという歴史が存在する。
星別に活動している休人が、ある程度活動しやすくするためなのだろう。
そんな世界なので、冒険世界を支え続けた最高の『超越者』はやはり有名人だ。
イベント世界の森人代表、『剣矢』さんは過去の『騎士王』を知っているらしい。
「そうですか……『白氷』さんのこと、よろしくお願いします。いちおう街の外に出るためには結界を突破する必要がありますので、何かあればその一瞬で再度止めてください」
「一度試したくはなるが……今回は止めておこう。何も無いのが一番だ」
「ありがとうございます。では、そろそろ移動しましょうか。まずは大まかに、この街の紹介を行います」
予定より人数は増えたし、そのうち一人がいきなり離脱したものの、とりあえずは予定通りに進めていこうか。
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