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DIY、三つの街

支配者会談 その06

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「──『プログレス:タブースペルズ』」

 休人を相手にも使った『プログレス』。
 その効果は一日一回の魔法ガチャ、当たりハズレが激しいが……そこはまあ、ルリ様のご加護を信じるとしよう。

 普通は魔力不足で使えなくなるのが相場だが、俺は死に戻って再供給すれば発動できるのであらゆる魔法が行使可能だ。

「──“スペルドロー”」

 魔法をガチャする能力をさっそく使い、巻物を開封した。
 自動的に中身が記載され、そこに書かれた魔法が一日限定で使える。

「外れか……“召魔総乱スタンピード”」

 召喚系の禁忌魔法なのだが、俺がハズレと呼んだのはこの場に限っての話。
 本来は暴れ狂う魔物たちによって、フィールドに居るすべてを蹂躙する。

 MPKみたいな魔法だからこそ、昔の人々でもその危険性を理解し禁忌とした魔法。
 だが、この場に居るのは誰も彼もが一騎当千の猛者たち……意味無いんだよな。

「はっ、しゃらくせぇ──“爆砕拳バーストナックル”!」
『契約外──“首狩切断ヴォーパルギロチン”』
「くっ──“スパイラルフラグ”!」
「邪魔だ──“閃光眼”」

 次々と倒される魔物たち。
 破壊されたり首を落とされたり、槍に貫かれたり光に焼かれたり……いろいろだ。

「あまり減らさないでほしいんじゃが……まあよい──“簡易隷属”」

 次々と魔物に触れては、半透明な首輪を嵌めていく【奴隷王】。
 名前から分かるように、俺が出した魔物たちを一時的に支配下に収めているのだろう。

 本来なら、手駒が増えるというだけの能力だが……【奴隷王】であれば話は別。
 従える者が多ければ多いほど、本人が強くなる──それが【奴隷王】の能力だ。

「そして、妾の『プログレス』──『コンダクトバイブ』」

 短杖型の『プログレス』が仄かに光ると、半透明だった首輪が黒く染まる。
 簡易的な隷属だったため、完全に隷属できていなかったものが、完全に隷属された。

 相乗効果というヤツだ。
 まずは【奴隷王】で一時的にでも隷属状態に落とし、『コンダクトバイブ』がその度合いを高めた。

 そして『コンダクトバイブ』の効果で支配下の存在と【奴隷王】自身を強化し、職業の恩恵をさらに強化した……自分より弱い相手が多ければ多く程、【奴隷王】は強くなる。

「ふんっ、無駄だ。『プライベートアイ』、“マルチリンク”、“閃光眼”」

「ななな、一撃じゃと!?」

「『プログレス』の情報はまだ無かったが、【奴隷王】の能力から予想は着く。その程度ならば、対応可能だ」

「ぐぬぬぬ……」

 だが、【情報王】は知っていた。
 だからこそ、すぐに魔物たちを殺すことで【奴隷王】の強化を防ぐ。

 一筋縄ではいかないこの戦い……まだまだ終わるには早いわけだ。

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