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DIY、三つの街
支配者会談 その07
しおりを挟む戦いを制するためには、情報以外にも場を支配する流れというものが必要である。
どれだけ知っていても、それを活用する機会が無ければ意味が無いからな。
このバトルロイヤルであれば、いかにして【情報王】が保有する情報通りの行動を取らないかどうか。
知っていることに関して、耐性やら減衰を発揮するのが厄介な【情報王】の能力だ。
先手を取るか後手に回るか、それを取り合うのが戦いとも言える。
「──『ストームスーツ』」
この場で空気を支配しているのは、今のところ俺である。
世界を股に掛けるがゆえに、情報不足かつ手札が多すぎる『超越者』。
本来使えないはずの『プログレス』を、その数を誰も特定できていない新たな力を大量に有しているのだから、それは当然のこと。
先ほど【奴隷王】が一時的に場を奪えたのも、俺が生みだした魔物たちの影響。
すべてが俺の出した手札のお陰、そう言えなくも無いのが現状だ。
そして、再び新たな手札を着る。
風を操るウサギさんの『プログレス』で、嵐を全身で纏うという能力だ。
「重ねて──『リアクトミー』」
「『生者』、いくつ持ってんだよ」
「んー、三十ぐらいか? あとは整理してないから分からん」
「ははっ、マジでおかしいなお前って」
俺と『拳王』が楽しく会話をしている間、物凄く不機嫌になる【情報王】。
理由は単純──彼の『プログレス』である『プライベートアイ』が故障したからだ。
俺が先ほど『リアクトミー』を使い、集めていたのは視覚。
その影響を顕著に受けるのは、無数の球体から視覚情報を受け取っている【情報王】。
そして、それらがすべて嵐に引きずり込まれて壊れていくのだから当然だろう。
コピーしてあるので分かるのだが、意外と球体の準備には手間が掛かるのだ。
そのためすぐに増産することもできず、少しずつ球体の数が減少している。
他の者たちも壊しているのだが、もっとも壊しているのは俺だな。
「直接打ち合うか──『ブレイクグローブ』なら、それができる」
「よっしゃあ! なら、俺と遊ぼうぜ!」
「了解っと。邪魔してくれるんなよ」
「ああ、邪魔するならぶっ潰す!」
全員を邪魔する『プライベートアイ』がだいぶ減ったので、それぞれで戦いを始めるようになる。
俺と『拳王』、【革命英雄】と【奴隷王】でまずは戦うことに。
その間【情報王】と【暗殺王】は、それをただ見ているだけ。
ただし、少しでも『プライベートアイ』を展開しようとすると、どこからともなくナイフが飛んできて砕かれている。
そんな感じで、どんどん戦いは終局へと向かいつつあった。
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