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「ローマ・・・ならぬトーキョーの休日」真の人間として。
しおりを挟む「カズサン・・・・アナタノ大学ハドコデスカ・・・・??」
Mimiから聞かれた。
・・・・いや、
ボクは、
「虐められっ子」
単位ギリギリ、
お情けで卒業させてもらった「高卒」だよ。
別にウソをつく必要はない。
正直に話したさ。
Mimiは、
すっごくビックリした顔だった。
彼女は、
日本人ってのは、みんな「大学卒」だと思ってたみたいで・笑。
なんたって、
第二次世界大戦。敗戦。
そこからの、
「奇跡の復興」を果たした国だ。
自分の国。
マレーシアが「目標」としている国だ。
その母国から、
「日本の強さを学んでこい」
それが、彼女の、国から与えられたミッションだった。
日本は、
「資源の乏しい国」だ。・・・・それが理由で、あの戦争を起こしたといっても過言じゃない。
・・・そして、敗戦。
そこからの、復興。
資源の貧しい国が、
世界で勝ち残っていく・・・・発展していくには、
その資源は、
「人間」だ。
「人的資源」しかない。
そのため、
日本は、
戦後復興していくにあたって、
素晴らしい「教育システム」を創り上げた。
・・・・この「教育システム」に、
日本の強さがある!!
優秀さの秘密がある!!
だから、
Mimiは、
日本国民全員が、
高等教育を、
「大学教育」を受けてるものだと思っていたらしい。
アジアが貧しいのは、
その教育水準が低いからだ。
日本でいうところの、小学校を卒業する年頃で、人々は働き始める。
大学を卒業すれば、20歳を超える。
大人としての分別もついている。
幼いころから働かせる。
それは、
長い目で見れば、国力を損なうことになる。
「教育こそが大事」
「教育こそ国家の根幹」
Mimiはそう思っていた。
そう考えていた。
・・・・それらを踏まえたうえでの、
「日本留学」だった。
そして、
日本の大学・・・・教育システムの素晴らしさを知った。・・・・学んでいく。
・・・・だから、
ボクが、
「高卒」
10代で就職し、働いていることに心底ビックリしていた。
・・・・しかし、
その話題から、
お互いが、
・・・・だんだん、
それぞれの真面目な話をするようになっていった・・・・
「人間の根幹」
根源。
表面の通り一遍じゃない。
真の人間としての「会話」がなされるようになっていった・・・・
ボクたちは、
「英和辞書」を手に持って会話していた。
まだ、
スマホも、
そもそも、インターネットがない。
いや、
それどころか、携帯電話もない時代だった。
お互いが熱くなっていた。
真剣な話をするようになっていって・・・・
お互いが、お互いに刺激を受けていたんだよな・・・
同じ時代に、
同じ若者として生きている者同士。
国・・・
性別・・・
育ってきた環境は違っていても、
お互いの、
若者らしい、
「夢」・・・・「希望」・・・・そんな会話が弾んでいったんだ。
・・・・そして、
互いにとっての、
一番の「違い」
それは、「身分」だった。
社会的なステータスが全く違う人種だったんだ。
話の端々に、
彼女の育ちの良さを・・・・彼女の、国での階級を垣間見るんだった。
彼女は、
紛うことなき良家の「プリンセス」だった。
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