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リコルート
リコルート⑥
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そして翌日……
いつものように出勤すると店長が話しかけてきた。
「リコちゃん昨日どうだった?鳴神親子来なかった?」
「あ、はい……実は……」
私は事の経緯を説明した……
「そっか……あれくらいなら大丈夫だと思ったけどね……気の毒だけど仕方ないね……」
「はい……」
私はしばらく落ち込んだ……
数日後……
今日は定休日で家にいた。
「はあ……結局あの後連絡ないし、仁科先生怒ってるだろうな……」
するとスマホが鳴った。
「はい、もしもし」
「こんにちは、リコさん」
電話の主は仁科先生だった。
「あ、あの……仁科先生、先日の件は本当にすみません……私のせいですよね」
「いえ、こちらこそ急にお電話してしまいすみません、凛の事なんですけど」
「あ、はい」
「あの子の髪剃り落としちゃったからウィッグ無いかしら?」
「あ、はい!もちろんお送りします!」
「ありがとう、じゃあ送ってもらえる?着払いでいいから」
「わかりました。」
「じゃあお願いね、あなたは気にしなくていいんだからね。」
そう言って電話が切れた。
(良かった……許してくれたみたい)
私はホッとしてすぐにメールで住所を知らせてウィッグを送る手配をした。
(仁科先生って厳しい人かと思ってたけど本当は凄く優しい人なのかな……)
その後……
仁科先生からお礼のお菓子が届いた。
後日……凛ちゃんに謝ろうと仁科家に行った。
「凛ちゃん、この間はごめんなさい……」
「あ……リコさん……仁科先生があんなことするなんて思ってもみなかったのでびっくりしました……」
「本当ごめんなさい」
そう言って頭を下げると凛ちゃんが抱きついてきた。
「リコさん、もう気にしないで下さい、私は大丈夫ですから」
「うん……わかった」
凛ちゃんには前の髪の長さと同じ高いウィッグをあげて地毛のように見えた。
「リコさん……また髪伸びたら髪切ってくださいね」
「うん!いつでも切ってあげるよ」
そう言い合って私たちは笑った。
やっと心に引っかかるものが取れた気がして私の落ち込んでいた気持ちも晴れていった。
帰宅するとゆーくんがケーキを焼いててくれた。
「リコさんおかえりなさい。もうすこしで焼けるから待っててねー」
「ゆーくん!ありがとー」
今日は凛ちゃんにお詫びをして気分よく帰ってきたのですごく嬉しかった。
「リコさん、今日はどうでしたか?」
「なんとか凛ちゃんにお詫びできなかなー」
「そっかー良かったです。僕もなんとなくだけど凛ちゃんの気持ちわかるんだよなー、おなじ元男の子だし」
「そっか……そうだよね…私なんかよりずっと辛い思いしてきたもんね……」
「僕はリコさんの味方ですからね。どんな事があっても離れませんから!」
「ゆーくん……」
「さっ!出来たよ!食べましょう!」
「うわぁ美味しそう!いただきまーす!」
ゆーくんのパウンドケーキはふんわりしていて紅茶によく合う。
私は幸せなこの時間を噛み締めていた。
それにしても仁科先生は徹底していて怖かった。春奈も今頃厳しい稽古していると思うと少し気の毒になった……
ある日のこと……
少し元気のない鳴神さんが来店した。
「いらっしゃいませ、鳴神さん、どうされました?」
「リコさん……実は……」
話を聞くと凛ちゃんの事や一人で居る事に寂しさやストレスが溜まってきてしまったようだ。
「なるほど……そういう事でしたか……」
ゆーくんが店長に何か言っている…
「店長、鳴神さんを慰めてあげてください」
「ぼ、僕が……!?」
「店長以外に誰がいますか?鳴神さんの担当なんですよ?」
「い、いや、それはわかってるけど……」
「店長、鳴神さんは大事なお客様です。しっかりケアしてあげて下さい」
「え……でも……」
「いいから早く!」
そう言うとゆーくんは私に目配せをした。
「鳴神さん、こちらへどうぞ」
私は鳴神さんの手を引いてスタッフルームに入った。店長を連れてきて二人で話をさせた。
「鳴神さん、大丈夫ですか?」
「はい……なんとか……」
「鳴神さん、そんな時は甘えてもいいと思いますよ?私が癒しますから」
「で、でも……」
「鳴神さん、私はあなたの味方です。だからなんでも相談してください」
「店長さん……」
二人は長い事話をしている……
「ゆーくん、こっそり覗いてみなよ…」
「え……いいんすか?」
「だって気になるじゃん」
「それもそうですね」
二人に見つからないように物陰に隠れていると……
「……店長さん……私…寂しい…一人は嫌だよぉ……誰かと一緒に居たいよぉ……」
そう言って泣き崩れた。
「よしよし、泣かないで……辛かったね……」
すると鳴神さんは店長の唇
を奪った。
「んん………ちゅぱ……れろ……はむぅ……んふぅ……ああん……はぁ……はぁ……もっと……もっとキスしたいぃ……お願い……私の……私のこと好きにしてぇ!」
その光景を見た瞬間私達は頭が真っ白になってしまった。
(え……何これ……)
鳴神さんが店長の服を無理やり脱がすと鳴神さんも脱ぎはじめた…
(ちょ……ちょっと……まさか……)
そしてお互い裸になると店長は鳴神さんの上に覆いかぶさった……
「ああっ!店長さん!大好きっ!」
「僕も好きだよ…………」
「嬉しい……いっぱい愛して欲しいの……」
鳴神さんも積極的に店長の股間を乱暴に握ったり擦ったりしている。
そして二人は1つになり……
「ああ、鳴神さん!可愛いよ!僕の女になれっ!」
「ああんっ!嬉しいっ!幸せっ!イクッイッちゃう!もうダメェー!」
「うう……すごい締まるっ!出る!」
そう言って二人は果てた……
(ゆーくん、見なかった事にして外で窓拭きしよ)
(そ、そうですね……)
私達はその場を離れた……
しばらくして店内に戻ると鳴神さんはすっかり笑顔になっていた。
「リコさん、ありがとうございます!なんだかスッキリしました」
(スッキリって……)
「よ、良かったです。これからも困ったことがあったら何でも言ってきて下さいね」
「はい!よろしくお願いします」
その後、店長から何故かお礼?としてコーヒーチケットを貰った。
「ゆーくんとりあえず帰りに珈琲買って帰ろうか」
「そ、そうですね……」
「じゃあ、お疲れ様でしたー」
「おつかれさまー」
こうして家路についた………
いつものように出勤すると店長が話しかけてきた。
「リコちゃん昨日どうだった?鳴神親子来なかった?」
「あ、はい……実は……」
私は事の経緯を説明した……
「そっか……あれくらいなら大丈夫だと思ったけどね……気の毒だけど仕方ないね……」
「はい……」
私はしばらく落ち込んだ……
数日後……
今日は定休日で家にいた。
「はあ……結局あの後連絡ないし、仁科先生怒ってるだろうな……」
するとスマホが鳴った。
「はい、もしもし」
「こんにちは、リコさん」
電話の主は仁科先生だった。
「あ、あの……仁科先生、先日の件は本当にすみません……私のせいですよね」
「いえ、こちらこそ急にお電話してしまいすみません、凛の事なんですけど」
「あ、はい」
「あの子の髪剃り落としちゃったからウィッグ無いかしら?」
「あ、はい!もちろんお送りします!」
「ありがとう、じゃあ送ってもらえる?着払いでいいから」
「わかりました。」
「じゃあお願いね、あなたは気にしなくていいんだからね。」
そう言って電話が切れた。
(良かった……許してくれたみたい)
私はホッとしてすぐにメールで住所を知らせてウィッグを送る手配をした。
(仁科先生って厳しい人かと思ってたけど本当は凄く優しい人なのかな……)
その後……
仁科先生からお礼のお菓子が届いた。
後日……凛ちゃんに謝ろうと仁科家に行った。
「凛ちゃん、この間はごめんなさい……」
「あ……リコさん……仁科先生があんなことするなんて思ってもみなかったのでびっくりしました……」
「本当ごめんなさい」
そう言って頭を下げると凛ちゃんが抱きついてきた。
「リコさん、もう気にしないで下さい、私は大丈夫ですから」
「うん……わかった」
凛ちゃんには前の髪の長さと同じ高いウィッグをあげて地毛のように見えた。
「リコさん……また髪伸びたら髪切ってくださいね」
「うん!いつでも切ってあげるよ」
そう言い合って私たちは笑った。
やっと心に引っかかるものが取れた気がして私の落ち込んでいた気持ちも晴れていった。
帰宅するとゆーくんがケーキを焼いててくれた。
「リコさんおかえりなさい。もうすこしで焼けるから待っててねー」
「ゆーくん!ありがとー」
今日は凛ちゃんにお詫びをして気分よく帰ってきたのですごく嬉しかった。
「リコさん、今日はどうでしたか?」
「なんとか凛ちゃんにお詫びできなかなー」
「そっかー良かったです。僕もなんとなくだけど凛ちゃんの気持ちわかるんだよなー、おなじ元男の子だし」
「そっか……そうだよね…私なんかよりずっと辛い思いしてきたもんね……」
「僕はリコさんの味方ですからね。どんな事があっても離れませんから!」
「ゆーくん……」
「さっ!出来たよ!食べましょう!」
「うわぁ美味しそう!いただきまーす!」
ゆーくんのパウンドケーキはふんわりしていて紅茶によく合う。
私は幸せなこの時間を噛み締めていた。
それにしても仁科先生は徹底していて怖かった。春奈も今頃厳しい稽古していると思うと少し気の毒になった……
ある日のこと……
少し元気のない鳴神さんが来店した。
「いらっしゃいませ、鳴神さん、どうされました?」
「リコさん……実は……」
話を聞くと凛ちゃんの事や一人で居る事に寂しさやストレスが溜まってきてしまったようだ。
「なるほど……そういう事でしたか……」
ゆーくんが店長に何か言っている…
「店長、鳴神さんを慰めてあげてください」
「ぼ、僕が……!?」
「店長以外に誰がいますか?鳴神さんの担当なんですよ?」
「い、いや、それはわかってるけど……」
「店長、鳴神さんは大事なお客様です。しっかりケアしてあげて下さい」
「え……でも……」
「いいから早く!」
そう言うとゆーくんは私に目配せをした。
「鳴神さん、こちらへどうぞ」
私は鳴神さんの手を引いてスタッフルームに入った。店長を連れてきて二人で話をさせた。
「鳴神さん、大丈夫ですか?」
「はい……なんとか……」
「鳴神さん、そんな時は甘えてもいいと思いますよ?私が癒しますから」
「で、でも……」
「鳴神さん、私はあなたの味方です。だからなんでも相談してください」
「店長さん……」
二人は長い事話をしている……
「ゆーくん、こっそり覗いてみなよ…」
「え……いいんすか?」
「だって気になるじゃん」
「それもそうですね」
二人に見つからないように物陰に隠れていると……
「……店長さん……私…寂しい…一人は嫌だよぉ……誰かと一緒に居たいよぉ……」
そう言って泣き崩れた。
「よしよし、泣かないで……辛かったね……」
すると鳴神さんは店長の唇
を奪った。
「んん………ちゅぱ……れろ……はむぅ……んふぅ……ああん……はぁ……はぁ……もっと……もっとキスしたいぃ……お願い……私の……私のこと好きにしてぇ!」
その光景を見た瞬間私達は頭が真っ白になってしまった。
(え……何これ……)
鳴神さんが店長の服を無理やり脱がすと鳴神さんも脱ぎはじめた…
(ちょ……ちょっと……まさか……)
そしてお互い裸になると店長は鳴神さんの上に覆いかぶさった……
「ああっ!店長さん!大好きっ!」
「僕も好きだよ…………」
「嬉しい……いっぱい愛して欲しいの……」
鳴神さんも積極的に店長の股間を乱暴に握ったり擦ったりしている。
そして二人は1つになり……
「ああ、鳴神さん!可愛いよ!僕の女になれっ!」
「ああんっ!嬉しいっ!幸せっ!イクッイッちゃう!もうダメェー!」
「うう……すごい締まるっ!出る!」
そう言って二人は果てた……
(ゆーくん、見なかった事にして外で窓拭きしよ)
(そ、そうですね……)
私達はその場を離れた……
しばらくして店内に戻ると鳴神さんはすっかり笑顔になっていた。
「リコさん、ありがとうございます!なんだかスッキリしました」
(スッキリって……)
「よ、良かったです。これからも困ったことがあったら何でも言ってきて下さいね」
「はい!よろしくお願いします」
その後、店長から何故かお礼?としてコーヒーチケットを貰った。
「ゆーくんとりあえず帰りに珈琲買って帰ろうか」
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