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第三章

第104話

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 ライブ会場のような異様な熱気に包まれている今なら、前回よりも出力が高くてもバレないだろうが念には念を入れておく。

 例え魔術師に俺が魔力を放出していることが発覚しても、怒りなどの興奮から魔力を抑えきれていないだけだと思われる量に抑えている。

「ナオス様の言う通りシッヌさまは軽症でした。それは私の目から見ても明白です。」

「ぶ、無礼者! シッヌ様はコッロス公爵五代に渡って譜代騎士である名門オオゲサー一族宗家嫡男なのだぞ? そのお方になんと無礼なッ!!」

 唾を飛ばしシッヌの配下と思われる男が大声でまくし立てる。
 シッヌ共々まるで騎士とは思えない体型だ。

「事実を申し上げることが無礼であるのならそれで結構です。事実あの場の医療魔術を率いたセイソウ・ラクンドは、シッヌ卿の看護に掛かり切りで多くの騎士や傭兵、冒険者の方の命を危険に晒しました」

「貴様ぁぁああああああ!」

 激昂した騎士は腰の剣に手を伸ばす。

「抜くのならそれ相応の覚悟をしろ!」

 指向性を持った【威圧】をする。

「「「――ッ!!」」」

 指向性をミスしたのかこの場にいる全員が息を飲む。

(やっべやっちまったか?)

 しかしそうではないようで……

「なんという【威圧プレッシャー】……」
「見ろ! シッヌとか言う騎士の部下だけの意思を砕きそれ以降はあまり効いていないように見える」

「竜の【咆哮ハウル】を受けた事があるがそれをも超える」
「余波でこれならシッヌ卿の部下へは一体どれだけの【威圧モノ】を浴びせたんだ?」

 と騎士や兵士、冒険者や傭兵からは称賛の言葉が聞こえてくる。

「素晴らしい魔力コントロールだ」
「回復魔術師としても、剣客としても一流とは恐れ入るまるで【万能者】さまみたいだ」

 この世界では技術として【威圧】が存在する。
 モンスターの【咆哮ハウル】などが有名だ。

 勇者《クラスメイト》達の間では「失せろ!(ギロ)」と海賊マンガの一話を模倣した遊びが流行り、モンスターや対人戦闘でも有利な技術であることから盛んに研究された。

 その結果魔力はある程度指向性を持たせ放出することが出来て、オマケに波のように合成して小さな威力と魔力でもより大きな効果を生むことが出来る判明した。
 発見した奴の渾名は暫く「お兄様」になった。

 今回も合成地点を逆算し、【威圧】を数度放って合成したのだ。

「剣を抜いての話し合いがしたいのなら命を賭ける覚悟をしろ、少なくとも五体満足で居られると考えるな」

「ひぃいいいいいいい!」
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