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第6話Wake up!運命《さだめ》の鎖を解き放て

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 【U_MAn】と俺は、名駅から数十分の場所にあるゲームカフェ(ネットカフェなどとは違いハイスペックPCが置かれた半個室の空間で、オフラインの大会やオフ会を開催するための場所)の一室に入るとゲームの対戦でなく先ほどの話の続きとなっていた。【U_MAn】が「ちょっと待って」と言ってこの部屋を出てから10分程度の時間がたっている。
 受付や他の部屋からも擦りガラスで仕切られており、変な事が出来ない様になっているこの部屋ではどことなく感じる視線が刺さるのだ。


早く戻ってきてくれ……と心の中で祈っていると……


 前よりも少し薄い顔になった【U_MAn】が部屋に入ってきた。


「どう? これでも本当にキャラ性能の格差が酷いって言うのかしら?」


 確かに完全にメイクを施した状態の【U_MAn】と比べれば、雲泥の差……と言うと聞こえは悪いがアイドルとアナウンサーぐらいの開きを感じる。

 確かに素の状態でソコまで整ってるレベルの人間と比べれば、レベルが低いのかもしれないがソレにしたって、正直言ってかなり可愛い……近くの学校ならウワサになって見物人が来そうなレベルではある。


「……可愛いやつがメイクをすれば、それなりに可愛くはなるだろ? それに男子はメイクをしないからその手は使えない」

「そんなことは無いわよ。今時芸能人じゃなくてもメイクする男は多いわ。でも私みたいな600族がアナタ見たいな一般モンスターに「キャラ差がない」なんて言っても説得力はないでしょう……でもねアナタは今までに変わる努力をしたのかしら? ポ〇モンで言えば努力値や性格、技の使用回数、持ち物を最高の状態にしたの?」

 俺は内心「張っ倒してやろうかこのアマ!!」、と言いたくなる思いを鋼の意思で押さえつけた。

「例えば筋肉をつける……これは限定的ではあるけど大きなアドヴァンテージよ。例えば体育の授業、例えばプールこの時アナタは誰よりも注目される! 何より自信が付く! 一つでも武器があれば、人は何にだって勇猛果敢に立ち向かうことが出来るの……パラメーターは努力で埋めることが……否! 覆すことが出来るの」

「……言いたいことはそれだけか? お前はそんなありふれた説教をするためにここへ連れて来たのか? だったら君は教師か聖職者にでもなった方がいい。絶対向いているよ」

「話を聞なさい!」

「余計なお世話だ。ほっといてくれ俺は俺の手段でやり直すんだ!」


 彼女の口元が一瞬だけニィっと吊り上がった気がした。


「俺の手段でやり直す……ね」

「……」

「やる気があるなら私は全力で貴方を助けてあげる……一時間以上ゲームに付き合ってくれるだけでいいわ。破格の条件でしょう?」

「遠慮する今回も失敗したくはないんでね……俺は一人で成し遂げる」

「それこそ逃げよ。できないなら人に頼りなさい」


 そう言って彼女は俺の頭を抱えた。

 女の子特有と言うべきなのだろうか? 甘いミルクのような優しい体臭に華やかな香水の香りが混ざり合った不思議な匂いが俺を優しく包み込む。


「アナタには……例え失敗しても立ち向かう強い意志がある……改めえて君に提案がある私と一緒に人生と言うクソゲーを攻略しない? その代わりに君は私にコーチングをするそういう取引よ」


 少女は慈愛に満ちた優し気な声色で提案する。
 少女から伝わってくる血の通った。肉の暖かさに俺は酷く安心感を覚える。
 このまま少女の腕に抱かれていたいとさえ思う。

だから俺は言葉を紡ぐ……劇的な出会いをした二人が相棒となる話から引用しよう……

「あぁ……悪魔とだっておれは相乗りしてやる……」

「酷いな君は……こんなにカワイイ私のことを悪魔呼ばわりなんて……私が悪魔なら君は差し詰めファウスト博士と言った所かな……」


彼女はニコニコとヒマワリの様に微笑んだ。

 英国やその植民地の民謡や童謡の総称である。マザーグース(ナーサリーライム)の歌によれば、女の子は、「砂糖とスパイスそれと、素敵な何かそういうものでできてる」とされている。それに対して男の子は、「カエルとカタツムリそれと、小イヌのしっぽそういうものでできてる」と言う。何とも女性贔屓な歌だと思ったが、この女を見ていると生憎とそうではないらしいと言う気持ちになってくる。

 確かに女性とは男の見たいな単純なモノではなく、化合物の様な複数の要素が複雑に入り混じった生物なのだろう。

 多分俺は騙されているのだと思う。こんなに可愛い女性が俺のために親身になってくれるなんて、ありえないから……でもそれでも良い。無間地獄に落ちるとしてもこの優しさに包まれて落ちていくのなら……。


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