ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

文字の大きさ
801 / 911
32 挨拶 side 渡

22

しおりを挟む
俺ばっかり、なんか気楽過ぎてえぇんやろか・・・そんな迷いは、おとんに全部見抜かれてたみたいやわ。
先に立ち上がったおとんは、笹部君に手を貸しながら俺に穏やかな笑顔を向けてくれた。


「渡は、渡のままで良いんだよ。
何があっても、私達は渡の味方だ」


ポンッて、俺の肩にも触れたおとんの手は暖かくて優しかった。
ほんまに、ほんまに味方でいてくれる?
俺・・・したいことが出来た。
それには、おとんとおかんの助けが必要やねん。
ちゃんと必要なもん用意してから、お願いするな。

このあとな。
おとんは先にリビングに行って、笹部君と俺は洗面所で手と顔を洗ってん。
扉閉めたら、リビングの二人からは見えへんしな。
俺、顔をタオルで拭いてた笹部君の背中にギュッてしてしもた。

だって、もぅ、色々有りすぎて。
たまらへんかってんもん。
もう、一人やないんやでって。
俺は、笹部君と付き合えて、今、めちゃくちゃハッピーやでって伝えたかってん。

笹部君、俺が腰に回した腕に手を重ねてくれたしな。
また、涙が出てしもて。
グズグズ泣きながら、「笹部君、大好きやで」っていっぱい伝えて。
「俺も、三枝が好きだ」って、ひそめた声で笹部君も言ってくれたしな。
涙がなかなか止まらへんかった。

因みに、おかんが笹部君に用意したスリッパは俺らとお揃いのウサギやった。
笹部君に全然似合ってへんしな。
リビングに入った途端、おかん爆笑。
わろたらあかん、あかんって言いながら、ツボに入ったみたいで笑いまくり。

自分が用意しといて笑うって酷ない?
俺が注意しても、全然おさまらへん。
笹部君は、玄関での土下座もあったし、どことなく居心地悪そうやったけどな。
四人掛けのテーブルを囲んで、俺がよそったカレーを美味しいって褒めながら完食してた。

それから、俺と笹部君が付き合うこととか改めて話そうとしたんやけど。
おかんに止められてん。


「帰ってくる前にな。
話は、両家で一緒に聞きましょうって千里さんと約束済やねん。
今夜は、すっっっごい聞きたいけど我慢しとく!
ってことで、道案内も頼みたいし、陸君、明日は八時にここの下に集合やでっ」


へ?


驚いてる笹部君と俺に、おかんもおとんもニヤニヤ。
えぇ、なんなん、知らんとこでそんな計画してたん??


「えっと、明日、笹部君の実家に皆で行くん?」

「うん、そうやで。
もぉ、おばちゃんなっ
千里さんに会うのが楽しみで楽しみで・・・あ、鋼さんももちろんやで?
でも、千里さんって元々αでめっちゃきれいな人やんっ
あ、渡には見せてへんけど、小さい頃の陸君の写真だけやなくて去年の入学式に挨拶して家族写真も交換してんのよっ
なんかの拍子にバレたらあかんし、二人が気付くまでは直接会うのは控えましょうってことになってたからな。
それ以来会えてへんのっ
フフッ、また会えるなんて嬉しいわぁ」

「・・・はぁ」


一気に聞いた以上のことを話されて、笹部君、困ってるやんっ
おとんはいつものことって、しれっとお茶飲んでるし。
笹部君も、お茶飲んで間をもたせようとしてんで。
けど、おかんのマシンガントークは止まらへん。
しおりを挟む
感想 962

あなたにおすすめの小説

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

処理中です...