ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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32 挨拶 side 渡

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シャワーの音が聞こえてきて、やっと我に返った俺は、「お、お邪魔します」って、靴脱いで笹部君の分も揃えてから、誰にも見られてへんのにソローと忍び足で軋む床に上がってんけどな。
玄関横の狭い台所は、アパート自体がボロボロやのに綺麗に使われてた。
シンクに溜めた食器も無いし、コンロの上のお鍋もピカピカに磨かれてる。

ここは、キッチンダイニングになるんかな?
台所の後ろには、二畳くらいのスペースがあって天井から丸い傘付きの電球が下がってた。
壁際には、一人暮らし用の小さい2ドアの冷蔵庫とその横のラックにはトースターやら炊飯器やらケトルがある。
上の段は、お皿とかお箸が縦置きしてて、お茶碗とお椀もあるけど一人分しかないし、胡椒とか塩とか調味料のまとめて入った箱があった。
下の段は、根菜が整理されて置いてある。

ここに机と椅子を置いてへんから、広く見えるけど。
もし置いたら台所で動きにくいかもしれへんなぁ。

さっき待っとくように言われた、笹部君が着替え持って出てきたガラス扉の方に進んだらな。
そこは、和室で小さいテーブルと座布団があってん。
四畳くらいの想像してたんと真逆のこじんまりした部屋。
他には、テレビとテレビ台、本棚と服を掛けるハンガーラックが並んでる。
本棚の中には、漫画もあるし、俺は読んだことない小説とか難しそうな本も並んでるわ。
あ、壁にクーラーついてる。
ゴミ箱は、キッチンのとこにあった一個にまとめてるんかな?

ここに、笹部君、住んでんねんやぁ。

もういっぺん、改めて部屋を見渡す。
んー、やっぱ気になんのはココやんなぁ。
本棚の向かいにある押し入れ。
ココには、お約束でエッチな本とかあったりして・・・いやいや、流石に勝手に開けたらあかんやろ。
え、でも見たいなぁ。
風呂場から、ヘアドライヤーを使う音が聞こえて来たし、見るなら今しかないんちゃう?!

ソワソワ押し入れの取手に手を伸ばして、引っ込めてを繰り返してたら、背後から手が伸びてきてパーンッと豪快に開け放たれた。


「何期待してるか知らねーけど、珍しいもんなんてねぇだろ?」


風呂上がりの笹部君が、制服着て俺のすぐ後ろにおるでっ
俺の目線に合わせるためやろか?
肩に顎がつきそうなくらい顔が近いんやけどっ
俺、驚いたんと笹部君の匂いと熱と息のかかる近さにドキドキしてもうて動けへんしな。
目の前の、押し入れに集中したわ。

上の段には布団とか毛布。
下の段には、重ねた衣装ケースと、あと空いたスペースにアイロンとアイロン台。
スッキリしてて、他にはなんも見当たらへん。
衣装ケースにそう言うのは隠してるんやろか?

俺、見終わったって言いながら笹部君の前から退いて、テーブルの前、座布団の向かいに座ってん。
笹部君は、その間に押し入れを閉めてくれてた。
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