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「ええぇっ、そそそそそんなっ、ダメですッ」


遥馬さんは重い椅子をガタガタ鳴らしながらその場に勢いよく立ち上がり、対面に座る澪さんに吃りながら必死に訴えた。
テーブルに、勢いのまま両手をバンッと音がするくらいに強くつく。
まだ机上に残っていた食器が、カシャンと音を立てた。

いつも穏やかな遥馬さんが、こんなに取り乱す姿を見たことがなかった。


「大丈夫だ。
三人いれば問題ないと母達は納得する。
それに、私は午後から清人と遥馬君の結婚式を楽しみにしているからね。
ゆっくり休養して、万全を期してもらいたい」


穏やかに諭されても、遥馬さんは納得しきれないようだ。
「そんな、でも・・・」と言い澱む。
瞳は潤み、今にも泣き出しそうだ。
清人さんは遥馬さんの後ろに回ると、その頭を優しく撫でた。
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