その学園にご用心

マグロ

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第五章

22

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「雷先輩!遅くなってすいません!」

「いや、俺の方こそ急にすまない」

雷先輩は怒った風もなく、むしろ申し訳ない顔で謝って来た。
慌てて大丈夫な事を伝える。

「桜李、少し歩こう」

そう言われて初めて温室をグルっと見る。
急いで入って雷先輩の所に走ったから全然見てなかった。
色とりどりの綺麗なお花が咲いていた。
また夜だからか明るい時に見るお花と夜の電気に照らされたお花はまた違った意味で綺麗に見えた。

そしてお花が好きだから歩いて観察出来るのは嬉しかった。

「はい!」

ニコニコ笑って雷先輩の提案に頷いた。

「桜李は花は好きか?」

「はい!すごく好きです」

「俺も花は好きだ」

「雷先輩は何の花が1番好きですか?」

「俺はサザンカとか好きだな」

「サザンカですか。フフッ。何だか雷先輩に似合ってますね」

「似合ってる?」

「はい。サザンカの花言葉、知ってますか?」

「いや…」

「サザンカの花言葉は困難な事に打ち克つって意味があるみたいですよ。雷先輩は風紀委員長をしていた時、さまざまな困難があったはずです。それでも堂々とその仕事をこなして来た。だから雷先輩にピッタリです」

ニコッと笑いかければ雷先輩は顔を赤くして下を向いてしまった。

「あの…雷先輩?」

気になって覗き込めば、バッと赤い顔を上げ、自分の逞しい胸を撫でさすってた。
そしてスゥハァと深呼吸をした。

「すまない。そんな事を言われたのは初めてで少し照れてしまった」

「そうなんですね。雷先輩の照れた顔ごちそう様です」

「桜李…どこでそんな言葉を覚えたんだ…」

そんな事を言われ、話をしながら歩き周り、一通りお花を堪能した後、温室の端に置いてあったベンチに座った。
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