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18話 モファアアアアアア
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「なんか上り坂になってない?」
「そうね。ここの天辺にボスがいるのかも。やっぱり敵は奥とか天辺とか底とか分かりやすい所にいるものだもの」
「なるほどね」
「ふぅ……。やっとMP溜まったけど……。ここ何処?」
アキが何度目かの瞑想を終えて、周囲を見回している。
「分かんない! 道なりに来てるだけ!」
「とりあえずこの坂を登っているのよ。この上にボスとかいそうでしょ?」
「そうだねー。まだまだ序盤だろうし、きっと分かりやすい所にいると思うよー」
アキの賛同も得られたので、私たちは山を駆け上る。
数十分位経つと、ポップしてくるモンスターも大分変わったり、大型化して来るようになった。
「『火球よ』×3!」
「めえええええええ!!!」
私たちの前にいる体長3m位ある羊型のモンスターにアキが魔法を打ち込むけど、全然効いているようには見えない。
「それならー『風の弾よ』×2」
「めええええええ!!!???」
目の前の羊は体の綿を切り裂かれて慌てている。
「今だよー!」
「分かった! 『突進』!」
「めえええええ!!!」
ヒツジは体の周囲に水を作りだし、それを私たちに向かって打ち出してくる。
「任せて! 『胞子シールド』!」
バシバシバシバシ!!!
ナツキのシールドに水滴が当たり弾けて濡れる。だけど、その水は私の方には全く来なかった。
「いっけえええええええ!!!」
「めええええええええええ!!!???」
私は羊の頭に私の頭をぶつけ、奴を吹き飛ばす。
『ハル はレベルアップしました。Lv24→Lv25になりました。ステータスが上昇しました。スキルポイントを20取得しました』
「やったね」
「おーすごい連携だねー。リアフレだったりするー?」
「違うよー。昨日あったばっかりだよね?」
「そうね、私たちは昨日あったばっかりよ」
「仲もとっても良さそうだよー?」
「当然。共に死線を潜り抜けた仲だからね!」
ゴリラとかナマズとかゴリラドラゴンとか。……。ゴリラばっかりかも。
「そうよ。私たちはゴリラハンターだから。任せておきなさい」
ナツキも同じことを思ってくれていたみたい。
「ゴリラに何か恨みでもあるのー?」
「ないけど売られた喧嘩は買う質だから!」
「そうね。今度こそあのトカゲサルをぶちのめしてやるんだから!」
私とナツキはそう意気込んで先を進む。急な道になるけど、敵が出てくるような気配はほとんどない。
「それにしても敵が出てこなくなったね? どうしたんだろう?」
「そうね……。これは……嵐の前の静けさ。つまり、ボス戦って言うことね!」
「そうかもねー。ここまで普通に来ようと思ったらそれなりに時間かかりそうだしー。もうそろそろかもー」
それから1分もしない内に、頂上への道が途切れて見える。私達はそこまで登り切ると、左側に大きな水色のもこもこした塊が丸まって見えた。
「先手必勝! 『突進』!」
「ちょっと? まだ敵かも分からないんじゃ!」
「大丈夫! NPCならダメージ出ないから!」
「そういう問題!?」
「そう!」
「やっちゃえー!」
私はそのもこもこに向けて突っ込んだのだが……。
モファアアアアアア。
私たちはそのモコモコの綿に包み込まれる。全身を柔らかく受け止めて、優しく包み込んでくれる。そう。まさに極楽とはこのことか。
「はー。気持ちいい。このままここで寝ちゃいそうだよ……」
私はナツキ達と一緒にモコモコの虜になっていた。
私ですらこれだったのだから、アキは勿論の事ナツキも無事ではすまないだろう。
「これは……。いいお布団ね……」
「最高ー。私一生ここで眠るー」
「めぇぇぇぇぇぇぇ」
「ああ、貴方がこの布団の持ち主? ちょっと借りてもいいですか?」
「めぇぇぇぇぇぇぇ」
私には、その時その羊がいいわよ。っと言ったように聞えた。
「ありがとうございます……」
「めぇぇぇぇ」
そうして、私たちは眠りについた。
「そうね。ここの天辺にボスがいるのかも。やっぱり敵は奥とか天辺とか底とか分かりやすい所にいるものだもの」
「なるほどね」
「ふぅ……。やっとMP溜まったけど……。ここ何処?」
アキが何度目かの瞑想を終えて、周囲を見回している。
「分かんない! 道なりに来てるだけ!」
「とりあえずこの坂を登っているのよ。この上にボスとかいそうでしょ?」
「そうだねー。まだまだ序盤だろうし、きっと分かりやすい所にいると思うよー」
アキの賛同も得られたので、私たちは山を駆け上る。
数十分位経つと、ポップしてくるモンスターも大分変わったり、大型化して来るようになった。
「『火球よ』×3!」
「めえええええええ!!!」
私たちの前にいる体長3m位ある羊型のモンスターにアキが魔法を打ち込むけど、全然効いているようには見えない。
「それならー『風の弾よ』×2」
「めええええええ!!!???」
目の前の羊は体の綿を切り裂かれて慌てている。
「今だよー!」
「分かった! 『突進』!」
「めえええええ!!!」
ヒツジは体の周囲に水を作りだし、それを私たちに向かって打ち出してくる。
「任せて! 『胞子シールド』!」
バシバシバシバシ!!!
ナツキのシールドに水滴が当たり弾けて濡れる。だけど、その水は私の方には全く来なかった。
「いっけえええええええ!!!」
「めええええええええええ!!!???」
私は羊の頭に私の頭をぶつけ、奴を吹き飛ばす。
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「やったね」
「おーすごい連携だねー。リアフレだったりするー?」
「違うよー。昨日あったばっかりだよね?」
「そうね、私たちは昨日あったばっかりよ」
「仲もとっても良さそうだよー?」
「当然。共に死線を潜り抜けた仲だからね!」
ゴリラとかナマズとかゴリラドラゴンとか。……。ゴリラばっかりかも。
「そうよ。私たちはゴリラハンターだから。任せておきなさい」
ナツキも同じことを思ってくれていたみたい。
「ゴリラに何か恨みでもあるのー?」
「ないけど売られた喧嘩は買う質だから!」
「そうね。今度こそあのトカゲサルをぶちのめしてやるんだから!」
私とナツキはそう意気込んで先を進む。急な道になるけど、敵が出てくるような気配はほとんどない。
「それにしても敵が出てこなくなったね? どうしたんだろう?」
「そうね……。これは……嵐の前の静けさ。つまり、ボス戦って言うことね!」
「そうかもねー。ここまで普通に来ようと思ったらそれなりに時間かかりそうだしー。もうそろそろかもー」
それから1分もしない内に、頂上への道が途切れて見える。私達はそこまで登り切ると、左側に大きな水色のもこもこした塊が丸まって見えた。
「先手必勝! 『突進』!」
「ちょっと? まだ敵かも分からないんじゃ!」
「大丈夫! NPCならダメージ出ないから!」
「そういう問題!?」
「そう!」
「やっちゃえー!」
私はそのもこもこに向けて突っ込んだのだが……。
モファアアアアアア。
私たちはそのモコモコの綿に包み込まれる。全身を柔らかく受け止めて、優しく包み込んでくれる。そう。まさに極楽とはこのことか。
「はー。気持ちいい。このままここで寝ちゃいそうだよ……」
私はナツキ達と一緒にモコモコの虜になっていた。
私ですらこれだったのだから、アキは勿論の事ナツキも無事ではすまないだろう。
「これは……。いいお布団ね……」
「最高ー。私一生ここで眠るー」
「めぇぇぇぇぇぇぇ」
「ああ、貴方がこの布団の持ち主? ちょっと借りてもいいですか?」
「めぇぇぇぇぇぇぇ」
私には、その時その羊がいいわよ。っと言ったように聞えた。
「ありがとうございます……」
「めぇぇぇぇ」
そうして、私たちは眠りについた。
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