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ショコラの接吻
02 ー 訪問
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この状態が永遠に続くかと思ったが、先に様相を崩したのは夫人の方だった。
「アレクセイ」
「何だ」
「お前、良いツガイを見つけたじゃねぇか」
ニッコリと笑う夫人にやっと毒気が抜けたのか、アレクセイは口角を上げた。
「当然だ。俺のツガイだからな」
「っかー、惚気るねぇ。マコト君、すまなかったな。どうしても聞いておきたくてさ」
「いいえ。大事な息子さんとお付き合いさせてもらってるんです、当然でしょう」
「ほぉ…言うねぇ。やっぱ気に入ったわ。ドラ息子が紹介し忘れたけど、俺はスカーレット。スカーレット・ヴォルクだ。よろしくな、新しい俺の息子」
夫人が手を伸ばしてくる。誠は認められたのだ。
「よろしくお願いします」
こちらからも手を伸ばして握手をすると、その実感がじわじわと溢れてきた。
朝食が運ばれてきたところで、話はアレクセイの近状に移った。フレデリクから話せる範囲の情報は来ているらしいが、やはり息子達から直接聞きたいのだろう。
そうして顔合わせと言う名の朝食会が終盤に差し掛かったところで、話は先程のアレクセイの態度に戻ってしまった。
「はー…あのアレクセイがねぇ」
コーヒーを飲みながら、スカーレットはしみじみと言う。口元が歪んでいるのは、笑いを堪るのを失敗したのに違いない。その証拠に、目は弧を描いていた。
「…仕方が無いでしょう。母上が悪いんですよ」
「ったく。子供かよ。なあ、マコト」
スカーレットの誠の呼び方は早々に呼び捨てとなっている。これも息子だと認められた証だろう。
「そうですね。でも、ちょっと可愛いと思ってしまいますけど」
誠がそう言うと、スカーレットは驚いたようで、動きを止めてしまった。
「え、マジで?面倒臭くね?俺はヴォルクがツガイ主義だって分かってて旦那と結婚したんだけど、ツガイのことになると親にも噛み付くってどうよ」
「あー…それは俺もどうかと思いますけど、あと数年したら落ち着くのでは?俺もそうでしたし」
「マコトって、今いくつ?」
「俺ですか?二十九です」
歳を答えると、スカーレットはカップを叩きつけるように置いて、誠に手を伸ばした。
「うっそ、マジかよ。アレクセイより少し下に見えるわ。何だこの肌。すっべすべじゃねぇか!」
年齢不詳の貴方に言われたくありません。そう思うも、誠は遠慮無く頬をムニムニと捏ねられ、スカーレットのなすがままになっている。
アレクセイの母親なので誠の嫌悪センサーは働かないが、隣のセンサーはしっかりと働いたようだ。
誠の手を両手で揉んでいるスカーレットの手を遠慮無く掴むと、グルグルと唸っている。
「…分かったよ面倒臭ぇな、ヴォルクの血はよぉ。マコト、アレクセイと距離を置きたくなったら、遠慮無く言えよな。俺が匿ってやっから」
「あはは。ありがとうございます。そうします」
「マコト…」
途端にシュンとなったアレクセイの頭を撫でると、すぐさま復活した。
「…アレクセイ。お前、やっぱヴォルクの者だな。しっかりと尻に敷かれてるじゃねぇか」
「そうですね。でも、相手がマコトだからじゃないですか?」
「かもな。マコト、しっかりとアレクセイの舵取りをしてやってくれよ。コイツ、氷の貴公子とか言われてるけど、マコトの前じゃ形なしみたいだし」
「分かりました。イメージが壊れない程度に頑張ります」
真面目に言うと、どうやらツボに入ったようでスカーレットはまた豪快に笑った。
「はー、おっかしい。やっぱアレクセイには、そこらのナヨナヨした貴族の坊ちゃん嬢ちゃんより、マコトみたいなしっかりした年上だったか」
「しっかりは…どうだろう。アレクセイより少し長く生きているからだと思いますよ。スカーレットさんもお分かりのように、普段のアレクセイは、しっかりしてるし頼り甲斐がありますし」
「…だ、そうだ。俺だってマコトの役に立つし、頼れるツガイだ」
アレクセイが誠の肩を抱きながら言うと、スカーレットはまた笑った。どうやら普段のアレクセイでも、母親にとっては可愛いと思っているのだろう。ヴォルク家の力関係は、やはりスカーレットがトップのようだった。
そろそろスカーレットの時間が押しているらしく、最後に何か困っていることは無いかと聞かれた誠は、少し考えてからキッチンのことを伝えてみた。遠征のための作り置きの料理を作りたいし、スイーツも作りたい。けれど、調理中は誰にも見られたくないという、贅沢な悩みだ。
「マコトの家は少し特殊だし、故郷は遠いんだ。この国の調理法や味付けとも違うから、その調理法やレシピが漏れると、この国に混乱をもたらすかもしれない」
誠の説明を補足するために、アレクセイも言葉を挟む。スカーレットは「まさか」と少し困惑していた。
これは現物を出した方が良いだろうか。顔合わせの時に簡単な焼き菓子を持って行こうと思っていたので、それが早まっただけだと誠はバッグを漁った。
ショートブレッドが数袋とゼリーが一つだけ残っていたので、食堂のスタッフには申し訳無いと思いつつも差し出しす。するとスカーレットは目を見張り、ゼリーの器を揺らしていた。
「これは?」
「そっちはレモンと蜂蜜のゼリーです。スライムみたいですけど、柔らかな食感と、つるんとした喉越しがあります。紙袋の方はショートブレッドと言って、硬いクッキー…いや、ジャンブルに似てますけど、味も食感も違います。そのままでも良いけど、コーヒーや甘口のワインに浸すと美味しいですよ」
「へー。確かに見た目はインパクトあるな」
「あ、スプーンどうぞ」
コーヒーソーサに乗っていたスプーンを使おうとしていたスカーレットに新しいスプーンを渡す。コーヒーをかき混ぜていたスプーンだ。味が混ざると、せっかくのレモンの風味が楽しめなくなるだろう。
スカーレットはニッコリと笑うと、渡されたスプーンでゼリーを掬った。
「…ウマっ」
どうやらお気に召してもらえたようだ。美味しい物を食べると尾が揺れるのは、スカーレットも同じみたいだ。ショートブレッドは、一口目はそのまま。次に残りのコーヒーに浸して食べている。
「こっちも美味いな。…うん。マコト、こっちのショートブレッド?今のこの国で売っても混乱はしないだろう。どうだ、ウチの商会で販売しないか?」
さすがはアレクセイの母であり、商会の経営者だ。売るものや状況を見極める力が強いようだ。
目をキラキラさせながらスカーレットが言うと、隣から長い溜息が聞こえてきた。
「母上…マコトはもう自分で売ってますし、商業ギルドにもレシピを登録しています。無理です、諦めてください」
「えー。マジか。俺のとこで売ってくれれば、毎日食べれると思ったのに」
「残念でしたね。だから言ったでしょう、料理が上手いと。菓子以外にも作れますが、どれも物凄く美味かったですよ」
相手が母親でもツガイ自慢をしたいのか、アレクセイは嬉しそうだ。
「マジかよ。だからお前、そんな毛艶も顔色も良いのか。妙に元気だし」
「当たり前です。俺はこの約一月、マコトの料理をほぼ毎日食べていましたからね」
「この野郎…。よし、マコト。俺の家に来い。そこの厨房を使えよ」
「…え?」
どこかの空き家か小さな店の厨房を融通してもらおうと思っていた誠は、急な話に驚いてしまった。
「母上…!だから言ったでしょう。誰かに見られたら…」
「分かってるって。本邸じゃなくて、別邸の方だよ。ほら、フレデリク用に増築したのに、お前が離れたくないーって言ったから、結局誰も使わなかっただろ?」
「なっ…そんなこと、記憶に無いんですが」
「そりゃそうさ、お前がまだ赤ん坊の頃だもん。あの時は可愛かったなー。フレデリクの袖を咥えてさぁ、離さないってきゅんきゅん鳴いてんの」
「え…可愛い」
赤ちゃんの頃と言うのは、アレクセイが子狼の姿しか取れなかった頃だろう。想像するだけで、涎が出そうだ。絶対に可愛いに決まっている。
誠がアレクセイを見ながらその姿を想像していると、恥ずかしいのかアレクセイは口元を手で覆い、そっぽを向いてしまった。
「マコト、そこならどうだ?」
「そうですね…じゃあ、申し訳無いんですけど、お邪魔させて貰ってもかまいませんか。他の方の邪魔にならないようにしますんで」
図々しいと自分でも思ってしまうが、背に腹は変えられない。訪問させてもらうと言うと、スカーレットはアレクセイと同じような、ふんわりとした笑みを浮かべていた。
「何言ってんだよ。もうお前は俺の息子だ。邪魔になる訳は無いし、出来上がったやつ、何か食わせてくれるんだろ?」
「母上、それが目的ですね」
「当ったり前だろ。俺だって息子の手料理食べてみたいし、それが美味いんなら尚更だよ。マコト、どうだ?」
「それはもちろん」
それから少しだけ、母と息子の攻防戦があったが、勝負ははなから決まっていた。無駄な抵抗となってしまったアレクセイは、誠をしっかりと横から抱きしめながらスカーレットを睨んでいたが、誠とスカーレットはさっさとお互いの予定をすり合わせていた。
「アレクセイ」
「何だ」
「お前、良いツガイを見つけたじゃねぇか」
ニッコリと笑う夫人にやっと毒気が抜けたのか、アレクセイは口角を上げた。
「当然だ。俺のツガイだからな」
「っかー、惚気るねぇ。マコト君、すまなかったな。どうしても聞いておきたくてさ」
「いいえ。大事な息子さんとお付き合いさせてもらってるんです、当然でしょう」
「ほぉ…言うねぇ。やっぱ気に入ったわ。ドラ息子が紹介し忘れたけど、俺はスカーレット。スカーレット・ヴォルクだ。よろしくな、新しい俺の息子」
夫人が手を伸ばしてくる。誠は認められたのだ。
「よろしくお願いします」
こちらからも手を伸ばして握手をすると、その実感がじわじわと溢れてきた。
朝食が運ばれてきたところで、話はアレクセイの近状に移った。フレデリクから話せる範囲の情報は来ているらしいが、やはり息子達から直接聞きたいのだろう。
そうして顔合わせと言う名の朝食会が終盤に差し掛かったところで、話は先程のアレクセイの態度に戻ってしまった。
「はー…あのアレクセイがねぇ」
コーヒーを飲みながら、スカーレットはしみじみと言う。口元が歪んでいるのは、笑いを堪るのを失敗したのに違いない。その証拠に、目は弧を描いていた。
「…仕方が無いでしょう。母上が悪いんですよ」
「ったく。子供かよ。なあ、マコト」
スカーレットの誠の呼び方は早々に呼び捨てとなっている。これも息子だと認められた証だろう。
「そうですね。でも、ちょっと可愛いと思ってしまいますけど」
誠がそう言うと、スカーレットは驚いたようで、動きを止めてしまった。
「え、マジで?面倒臭くね?俺はヴォルクがツガイ主義だって分かってて旦那と結婚したんだけど、ツガイのことになると親にも噛み付くってどうよ」
「あー…それは俺もどうかと思いますけど、あと数年したら落ち着くのでは?俺もそうでしたし」
「マコトって、今いくつ?」
「俺ですか?二十九です」
歳を答えると、スカーレットはカップを叩きつけるように置いて、誠に手を伸ばした。
「うっそ、マジかよ。アレクセイより少し下に見えるわ。何だこの肌。すっべすべじゃねぇか!」
年齢不詳の貴方に言われたくありません。そう思うも、誠は遠慮無く頬をムニムニと捏ねられ、スカーレットのなすがままになっている。
アレクセイの母親なので誠の嫌悪センサーは働かないが、隣のセンサーはしっかりと働いたようだ。
誠の手を両手で揉んでいるスカーレットの手を遠慮無く掴むと、グルグルと唸っている。
「…分かったよ面倒臭ぇな、ヴォルクの血はよぉ。マコト、アレクセイと距離を置きたくなったら、遠慮無く言えよな。俺が匿ってやっから」
「あはは。ありがとうございます。そうします」
「マコト…」
途端にシュンとなったアレクセイの頭を撫でると、すぐさま復活した。
「…アレクセイ。お前、やっぱヴォルクの者だな。しっかりと尻に敷かれてるじゃねぇか」
「そうですね。でも、相手がマコトだからじゃないですか?」
「かもな。マコト、しっかりとアレクセイの舵取りをしてやってくれよ。コイツ、氷の貴公子とか言われてるけど、マコトの前じゃ形なしみたいだし」
「分かりました。イメージが壊れない程度に頑張ります」
真面目に言うと、どうやらツボに入ったようでスカーレットはまた豪快に笑った。
「はー、おっかしい。やっぱアレクセイには、そこらのナヨナヨした貴族の坊ちゃん嬢ちゃんより、マコトみたいなしっかりした年上だったか」
「しっかりは…どうだろう。アレクセイより少し長く生きているからだと思いますよ。スカーレットさんもお分かりのように、普段のアレクセイは、しっかりしてるし頼り甲斐がありますし」
「…だ、そうだ。俺だってマコトの役に立つし、頼れるツガイだ」
アレクセイが誠の肩を抱きながら言うと、スカーレットはまた笑った。どうやら普段のアレクセイでも、母親にとっては可愛いと思っているのだろう。ヴォルク家の力関係は、やはりスカーレットがトップのようだった。
そろそろスカーレットの時間が押しているらしく、最後に何か困っていることは無いかと聞かれた誠は、少し考えてからキッチンのことを伝えてみた。遠征のための作り置きの料理を作りたいし、スイーツも作りたい。けれど、調理中は誰にも見られたくないという、贅沢な悩みだ。
「マコトの家は少し特殊だし、故郷は遠いんだ。この国の調理法や味付けとも違うから、その調理法やレシピが漏れると、この国に混乱をもたらすかもしれない」
誠の説明を補足するために、アレクセイも言葉を挟む。スカーレットは「まさか」と少し困惑していた。
これは現物を出した方が良いだろうか。顔合わせの時に簡単な焼き菓子を持って行こうと思っていたので、それが早まっただけだと誠はバッグを漁った。
ショートブレッドが数袋とゼリーが一つだけ残っていたので、食堂のスタッフには申し訳無いと思いつつも差し出しす。するとスカーレットは目を見張り、ゼリーの器を揺らしていた。
「これは?」
「そっちはレモンと蜂蜜のゼリーです。スライムみたいですけど、柔らかな食感と、つるんとした喉越しがあります。紙袋の方はショートブレッドと言って、硬いクッキー…いや、ジャンブルに似てますけど、味も食感も違います。そのままでも良いけど、コーヒーや甘口のワインに浸すと美味しいですよ」
「へー。確かに見た目はインパクトあるな」
「あ、スプーンどうぞ」
コーヒーソーサに乗っていたスプーンを使おうとしていたスカーレットに新しいスプーンを渡す。コーヒーをかき混ぜていたスプーンだ。味が混ざると、せっかくのレモンの風味が楽しめなくなるだろう。
スカーレットはニッコリと笑うと、渡されたスプーンでゼリーを掬った。
「…ウマっ」
どうやらお気に召してもらえたようだ。美味しい物を食べると尾が揺れるのは、スカーレットも同じみたいだ。ショートブレッドは、一口目はそのまま。次に残りのコーヒーに浸して食べている。
「こっちも美味いな。…うん。マコト、こっちのショートブレッド?今のこの国で売っても混乱はしないだろう。どうだ、ウチの商会で販売しないか?」
さすがはアレクセイの母であり、商会の経営者だ。売るものや状況を見極める力が強いようだ。
目をキラキラさせながらスカーレットが言うと、隣から長い溜息が聞こえてきた。
「母上…マコトはもう自分で売ってますし、商業ギルドにもレシピを登録しています。無理です、諦めてください」
「えー。マジか。俺のとこで売ってくれれば、毎日食べれると思ったのに」
「残念でしたね。だから言ったでしょう、料理が上手いと。菓子以外にも作れますが、どれも物凄く美味かったですよ」
相手が母親でもツガイ自慢をしたいのか、アレクセイは嬉しそうだ。
「マジかよ。だからお前、そんな毛艶も顔色も良いのか。妙に元気だし」
「当たり前です。俺はこの約一月、マコトの料理をほぼ毎日食べていましたからね」
「この野郎…。よし、マコト。俺の家に来い。そこの厨房を使えよ」
「…え?」
どこかの空き家か小さな店の厨房を融通してもらおうと思っていた誠は、急な話に驚いてしまった。
「母上…!だから言ったでしょう。誰かに見られたら…」
「分かってるって。本邸じゃなくて、別邸の方だよ。ほら、フレデリク用に増築したのに、お前が離れたくないーって言ったから、結局誰も使わなかっただろ?」
「なっ…そんなこと、記憶に無いんですが」
「そりゃそうさ、お前がまだ赤ん坊の頃だもん。あの時は可愛かったなー。フレデリクの袖を咥えてさぁ、離さないってきゅんきゅん鳴いてんの」
「え…可愛い」
赤ちゃんの頃と言うのは、アレクセイが子狼の姿しか取れなかった頃だろう。想像するだけで、涎が出そうだ。絶対に可愛いに決まっている。
誠がアレクセイを見ながらその姿を想像していると、恥ずかしいのかアレクセイは口元を手で覆い、そっぽを向いてしまった。
「マコト、そこならどうだ?」
「そうですね…じゃあ、申し訳無いんですけど、お邪魔させて貰ってもかまいませんか。他の方の邪魔にならないようにしますんで」
図々しいと自分でも思ってしまうが、背に腹は変えられない。訪問させてもらうと言うと、スカーレットはアレクセイと同じような、ふんわりとした笑みを浮かべていた。
「何言ってんだよ。もうお前は俺の息子だ。邪魔になる訳は無いし、出来上がったやつ、何か食わせてくれるんだろ?」
「母上、それが目的ですね」
「当ったり前だろ。俺だって息子の手料理食べてみたいし、それが美味いんなら尚更だよ。マコト、どうだ?」
「それはもちろん」
それから少しだけ、母と息子の攻防戦があったが、勝負ははなから決まっていた。無駄な抵抗となってしまったアレクセイは、誠をしっかりと横から抱きしめながらスカーレットを睨んでいたが、誠とスカーレットはさっさとお互いの予定をすり合わせていた。
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