20 / 42
第一章 小麦姫と熊隊長の青春
18 アルフレードの決心
しおりを挟む
アルフレードは、3年生になる今年も春休みから夏休みまでビアータが学園に帰ってこないと聞いて、ショックを受けていた。しばらくして、冷静になり、今までビアータとともに、ここでやってきたことを反芻してみた。
『小麦畑と牧草地の休畑は、秋までに新しい小麦畑を用意したいところだよな。でも、あんな小さい子供たちを連れて行って、そんなことできるのかな?
牛が何頭いるのか知らないけど、牛乳からチーズやバターが作れるなんて知らなかったから、やってみたいよな。
子供たちが、何人いるのかは知らないけど、サンドラの大きな野菜は、育てたいよな。
水車の勉強もしてたな。水車がないのかな?小麦畑があるなら、水車はほしいところだよな。
鍛冶屋で作ってもらったプラウはどうだろう?使ってみなくちゃ改善点はわからないよなぁ。
なんだか、やってみたくて、ウズウズすることばかりだな』
アルフレードは、両親に手紙を書いた。
『友達の家の農業の手伝いをしたいんだ。3年生の4月から7月は、学園を休むけど心配しないでほしい』
学園のシステムなどの説明もちゃんと書いた。
両親からの返事は出発の前日に届き、学園長に相談もギリギリになってしまい、コルネリオとファブリノに相談する時間はなかった。でも、アルフレードは、コルネリオとファブリノならわかってくれると思っていた。だって、一緒に勉強してきたんだから。
『ビアータの家』それは、ガレアッド男爵邸という意味ではなかった。アルフレードも、コルネリオとファブリノのように、広がる景色と出迎えてくれた子供たちに面食らった。それでも、数日過ぎれば、環境にも慣れた。
アルフレードとビアータは、畑担当ジーノと酪農土木担当ラニエルに、早速、休畑の話をした。二人は、納得してくれて、小麦畑を今の牧草地と同じくらいの大きさまで広げる。今の小麦は6月下旬に収穫できるから、その後牧草地を耕しても、9月の小麦の種まきには間に合うだろう。更地を耕すのは、鍛冶屋で作った牛用の鍬(プラウ)だ。これには、ジーノもラニエルも感動していた。
アルフレードは、両親に興奮気味に手紙を書いた。ビアータがどんなにすごいことをやってきていたか、それの手伝いをできることがどんなに嬉しくて、どんなに楽しいか。
牛は、8頭いた。ラニエルは、いつでも牛乳が飲めるように、計算して妊娠させているそうだ。
「交配を考えると、次にはオス牛を中から借りてこようと思っているよ。近親交配は、よくないからな。それと、もう少し頻繁に子供を作らせていかないと、子供たちに牛乳も飲ませられなくなっちまうな」
中とは、壁の向こうつまりスピラリニ王国ガレアッド男爵領ということだ。
ラニエルは、さすがによく知っている。だが、ビアータとアルフレードが勉強してきている分、話が早くて、ラニエルはかなり喜んだ。
近親交配についても、ビアータとアルフレードは、放課後に勉強してきたところだ。ラニエルは、井戸掘りや柵作りもできる頼れる大人だ。
ラニエルと相談して、大きな溜池を作ることにした。最初から大きくはしないが、大きくする予定で場所を決める。鍛冶屋に作ってもらったのは、プラウとシャベルはここでも活躍する。まず、牛にプラウを引いてもらい、土をできるだけ柔らかくする。それをシャベルで掘り出していく。
1月かけてある程度の大きさになったので、川下と川上両方にむけて小川になる溝を掘っていく。これも、牛に作ってもらった溝を掘っていくことにした。ピエガ川からの支流が『ビアータの家』から1キロほどのところに流れている。その川上と川下を結ぶように小川を作る予定だ。
「水は動かないと腐るんだ。いつか溜池で魚釣りができるかもしれないぞ」
湖のような大きなものなら別だが、10メートル四方の池はすぐに腐る。
溝掘りは大変だったが、大工のレリオの自称弟子テオとウルバがとてもよく働いてくれた。1月後、川下はつながった。その半月後川上も川まであと1メートルまで来た。ラニエルの指示で、そこに大きな石というより岩ほどの大きさの物を男の子5人で転がして、何個も落としていった。
「これはなんのため?」
アルフレードは、知識に貪欲だ。自分が貴族で相手が平民であることなんて、なんとも思っていない。
「水の勢いを殺すのさ」
「勢いはあった方がいいんじゃないの?」
「家の近くを通る小川は、穏やかな方がいいんだ。水害も少なくてすむし、いつか水車を作ったとしても、水車が痛みにくい」
およそ長さ10メートルほどを、岩で埋め尽くした。
小川の開通は、『ビアータの家』の者、全員が見守った。腰紐を付けたアルフレードとウルバが、残り1メートルを掘り進める。腰紐の先は、大きな子供たちみんなで握りしめている。ラニエルの指示でウルバが岸に上がり、アルフレードの腰紐を握る方へとまわる。すでに水は滲み出し始めていた。アルフレードが最後の1シャベルを入れると、勢いよく、小川に水が入ってきた。アルフレードは、腰紐を辿ってなんとか岸にたどり着く。
小さい子供たちは、水と一緒に家の方へと走っていった。アルフレードたちも家へと向かう。10メートルも積んだ岩のおかげで、水はのんびりと流れているように見える。溜池まで着くと、すでに溜まりはじめていた。
ラニエルが水の勢いを確認する。
「この大きさなら、2日後には川下に、流れはじめるさ。月に一度は、さっきの岩場を見ていこう」
家の近くに小川ができると、生活は一変して楽になった。洗濯、皿洗い、掃除、畑の水のやり、家畜の水やり、水が近くにあるのは、本当に楽だ。井戸は、料理用にすることになった。その分、やれることも増える。勉強時間を1時間増やした。初等学校の勉強は、必須でやらせている。
希望者には中等学校の勉強もみてやるが、昼間の2時間だけなので、早々には進まない。州都で3年分でも、ここでは5年~6年かかるだろうと、ビアータもリリアーナも予想しているし、子供たちにもそう伝えている。それに、ここにいる子供たちは、初等学校の勉強も半分くらいの子が多いため、14歳でも、初等学校の勉強だったりするのだ。それでも、『ビアータの家』での仕事の大切さも、ここでの生活の良さもわかっている孤児たちなので、納得してくれていた。
ジャンとテオとウルバは、この家の一人目の子供だ。2年程前に初等学校の勉強は終えた。
テオとウルバは、勉強を選ばず、レリオがいるときはレリオの弟子をやり、そうでない時は、どこへでも手伝いをするスーパーヘルパーで、頼りにされていた。
ジャンは、中等学校の勉強を選び、性格も真面目で面倒見がいいので、自然に子供たちのリーダーになっていた。
女の子のリーダーケイトとメリナは、去年から中等学校の勉強を始めた。ケイトは、算術だけを選んでいるので、もうすぐ終わる予定だ。メリナは、難しい文字の読み書きや地理なども始めたので、もう少しかかる。
〰️
手作り小川には、丸太を置いただけの橋がすぐにかけられた。それも日を置けば、レリオたちの手で、立派な?丸太橋になった。
レリオは、家から少し離れた木陰になる小川の近くにベンチ代わりの丸太を置いた。アルフレードに、コソッと伝える。
その日の夕方より少し前、アルフレードはビアータを散歩に誘い、初めて手を繋いだ。それは、二人にとってあまりに当たり前でとても自然にできた。二人で丸太に座り、ゆっくりと流れる小川を見ながら、これからやりたいことをたくさん話した。
〰️ 〰️ 〰️
小川が開通する1月ほど前、アルフレードの父親デルフィーノから、手紙が届いていた。『ビアータの家』のことをもっと詳しく教えるようにという内容だった。アルフレードは、家族の人数、家族それぞれの仕事、家の広さや部屋の数、畑の広さや牧草地の広さ、家畜の数などをできるだけ細かく書いた。そして、溜池を作っていることも書いた。
小川が開通するころ届いた手紙には、水車の設計図が同封されていた。
レリオは、その設計図を説明はするが、基本的にテオとウルバに水車小屋を任せることにした。二人は当然張り切っている。今はまだ、畑も小さいので、小麦は手でひけるということで、二人の宿題となっている。アルフレードが先日見にいくと、車輪のような部分が制作途中であった。
〰️ 〰️ 〰️
小川ができた頃、小麦の収穫となった。収穫してみて、今の人数であれば、どうにか一年間持つだろうという判断となった。つまり、人数が増えることが予想されるここには、足りないのだ。急遽、もう1面小麦畑を増やすことにした。
まず、小麦畑だったところに、牧草の種を巻く。牧草が生えてくるまでに、新しい小麦畑の準備をする。準備が終わる頃、牧草がチラホラと生えてきたので、牛たちはそちらに放牧するようにした。
今まで放牧していた牧草地を小麦畑に変えようと始める頃、サンドラたちがやってきた。
コルネリオたちは畑の世話の後、ファブリノたちは牛や鶏の世話の後、前牧草地の石拾いから始めている。それが終わったら、耕すのだ。牛のプラウを使うので、今までの耕す時間を考えれば、何倍も早くなった。
『小麦畑と牧草地の休畑は、秋までに新しい小麦畑を用意したいところだよな。でも、あんな小さい子供たちを連れて行って、そんなことできるのかな?
牛が何頭いるのか知らないけど、牛乳からチーズやバターが作れるなんて知らなかったから、やってみたいよな。
子供たちが、何人いるのかは知らないけど、サンドラの大きな野菜は、育てたいよな。
水車の勉強もしてたな。水車がないのかな?小麦畑があるなら、水車はほしいところだよな。
鍛冶屋で作ってもらったプラウはどうだろう?使ってみなくちゃ改善点はわからないよなぁ。
なんだか、やってみたくて、ウズウズすることばかりだな』
アルフレードは、両親に手紙を書いた。
『友達の家の農業の手伝いをしたいんだ。3年生の4月から7月は、学園を休むけど心配しないでほしい』
学園のシステムなどの説明もちゃんと書いた。
両親からの返事は出発の前日に届き、学園長に相談もギリギリになってしまい、コルネリオとファブリノに相談する時間はなかった。でも、アルフレードは、コルネリオとファブリノならわかってくれると思っていた。だって、一緒に勉強してきたんだから。
『ビアータの家』それは、ガレアッド男爵邸という意味ではなかった。アルフレードも、コルネリオとファブリノのように、広がる景色と出迎えてくれた子供たちに面食らった。それでも、数日過ぎれば、環境にも慣れた。
アルフレードとビアータは、畑担当ジーノと酪農土木担当ラニエルに、早速、休畑の話をした。二人は、納得してくれて、小麦畑を今の牧草地と同じくらいの大きさまで広げる。今の小麦は6月下旬に収穫できるから、その後牧草地を耕しても、9月の小麦の種まきには間に合うだろう。更地を耕すのは、鍛冶屋で作った牛用の鍬(プラウ)だ。これには、ジーノもラニエルも感動していた。
アルフレードは、両親に興奮気味に手紙を書いた。ビアータがどんなにすごいことをやってきていたか、それの手伝いをできることがどんなに嬉しくて、どんなに楽しいか。
牛は、8頭いた。ラニエルは、いつでも牛乳が飲めるように、計算して妊娠させているそうだ。
「交配を考えると、次にはオス牛を中から借りてこようと思っているよ。近親交配は、よくないからな。それと、もう少し頻繁に子供を作らせていかないと、子供たちに牛乳も飲ませられなくなっちまうな」
中とは、壁の向こうつまりスピラリニ王国ガレアッド男爵領ということだ。
ラニエルは、さすがによく知っている。だが、ビアータとアルフレードが勉強してきている分、話が早くて、ラニエルはかなり喜んだ。
近親交配についても、ビアータとアルフレードは、放課後に勉強してきたところだ。ラニエルは、井戸掘りや柵作りもできる頼れる大人だ。
ラニエルと相談して、大きな溜池を作ることにした。最初から大きくはしないが、大きくする予定で場所を決める。鍛冶屋に作ってもらったのは、プラウとシャベルはここでも活躍する。まず、牛にプラウを引いてもらい、土をできるだけ柔らかくする。それをシャベルで掘り出していく。
1月かけてある程度の大きさになったので、川下と川上両方にむけて小川になる溝を掘っていく。これも、牛に作ってもらった溝を掘っていくことにした。ピエガ川からの支流が『ビアータの家』から1キロほどのところに流れている。その川上と川下を結ぶように小川を作る予定だ。
「水は動かないと腐るんだ。いつか溜池で魚釣りができるかもしれないぞ」
湖のような大きなものなら別だが、10メートル四方の池はすぐに腐る。
溝掘りは大変だったが、大工のレリオの自称弟子テオとウルバがとてもよく働いてくれた。1月後、川下はつながった。その半月後川上も川まであと1メートルまで来た。ラニエルの指示で、そこに大きな石というより岩ほどの大きさの物を男の子5人で転がして、何個も落としていった。
「これはなんのため?」
アルフレードは、知識に貪欲だ。自分が貴族で相手が平民であることなんて、なんとも思っていない。
「水の勢いを殺すのさ」
「勢いはあった方がいいんじゃないの?」
「家の近くを通る小川は、穏やかな方がいいんだ。水害も少なくてすむし、いつか水車を作ったとしても、水車が痛みにくい」
およそ長さ10メートルほどを、岩で埋め尽くした。
小川の開通は、『ビアータの家』の者、全員が見守った。腰紐を付けたアルフレードとウルバが、残り1メートルを掘り進める。腰紐の先は、大きな子供たちみんなで握りしめている。ラニエルの指示でウルバが岸に上がり、アルフレードの腰紐を握る方へとまわる。すでに水は滲み出し始めていた。アルフレードが最後の1シャベルを入れると、勢いよく、小川に水が入ってきた。アルフレードは、腰紐を辿ってなんとか岸にたどり着く。
小さい子供たちは、水と一緒に家の方へと走っていった。アルフレードたちも家へと向かう。10メートルも積んだ岩のおかげで、水はのんびりと流れているように見える。溜池まで着くと、すでに溜まりはじめていた。
ラニエルが水の勢いを確認する。
「この大きさなら、2日後には川下に、流れはじめるさ。月に一度は、さっきの岩場を見ていこう」
家の近くに小川ができると、生活は一変して楽になった。洗濯、皿洗い、掃除、畑の水のやり、家畜の水やり、水が近くにあるのは、本当に楽だ。井戸は、料理用にすることになった。その分、やれることも増える。勉強時間を1時間増やした。初等学校の勉強は、必須でやらせている。
希望者には中等学校の勉強もみてやるが、昼間の2時間だけなので、早々には進まない。州都で3年分でも、ここでは5年~6年かかるだろうと、ビアータもリリアーナも予想しているし、子供たちにもそう伝えている。それに、ここにいる子供たちは、初等学校の勉強も半分くらいの子が多いため、14歳でも、初等学校の勉強だったりするのだ。それでも、『ビアータの家』での仕事の大切さも、ここでの生活の良さもわかっている孤児たちなので、納得してくれていた。
ジャンとテオとウルバは、この家の一人目の子供だ。2年程前に初等学校の勉強は終えた。
テオとウルバは、勉強を選ばず、レリオがいるときはレリオの弟子をやり、そうでない時は、どこへでも手伝いをするスーパーヘルパーで、頼りにされていた。
ジャンは、中等学校の勉強を選び、性格も真面目で面倒見がいいので、自然に子供たちのリーダーになっていた。
女の子のリーダーケイトとメリナは、去年から中等学校の勉強を始めた。ケイトは、算術だけを選んでいるので、もうすぐ終わる予定だ。メリナは、難しい文字の読み書きや地理なども始めたので、もう少しかかる。
〰️
手作り小川には、丸太を置いただけの橋がすぐにかけられた。それも日を置けば、レリオたちの手で、立派な?丸太橋になった。
レリオは、家から少し離れた木陰になる小川の近くにベンチ代わりの丸太を置いた。アルフレードに、コソッと伝える。
その日の夕方より少し前、アルフレードはビアータを散歩に誘い、初めて手を繋いだ。それは、二人にとってあまりに当たり前でとても自然にできた。二人で丸太に座り、ゆっくりと流れる小川を見ながら、これからやりたいことをたくさん話した。
〰️ 〰️ 〰️
小川が開通する1月ほど前、アルフレードの父親デルフィーノから、手紙が届いていた。『ビアータの家』のことをもっと詳しく教えるようにという内容だった。アルフレードは、家族の人数、家族それぞれの仕事、家の広さや部屋の数、畑の広さや牧草地の広さ、家畜の数などをできるだけ細かく書いた。そして、溜池を作っていることも書いた。
小川が開通するころ届いた手紙には、水車の設計図が同封されていた。
レリオは、その設計図を説明はするが、基本的にテオとウルバに水車小屋を任せることにした。二人は当然張り切っている。今はまだ、畑も小さいので、小麦は手でひけるということで、二人の宿題となっている。アルフレードが先日見にいくと、車輪のような部分が制作途中であった。
〰️ 〰️ 〰️
小川ができた頃、小麦の収穫となった。収穫してみて、今の人数であれば、どうにか一年間持つだろうという判断となった。つまり、人数が増えることが予想されるここには、足りないのだ。急遽、もう1面小麦畑を増やすことにした。
まず、小麦畑だったところに、牧草の種を巻く。牧草が生えてくるまでに、新しい小麦畑の準備をする。準備が終わる頃、牧草がチラホラと生えてきたので、牛たちはそちらに放牧するようにした。
今まで放牧していた牧草地を小麦畑に変えようと始める頃、サンドラたちがやってきた。
コルネリオたちは畑の世話の後、ファブリノたちは牛や鶏の世話の後、前牧草地の石拾いから始めている。それが終わったら、耕すのだ。牛のプラウを使うので、今までの耕す時間を考えれば、何倍も早くなった。
0
あなたにおすすめの小説
捨てられた地味な王宮修復師(実は有能)、強面辺境伯の栄養管理で溺愛され、辺境を改革する ~王都の貴重な物が失われても知りませんよ?~
水上
恋愛
「カビ臭い地味女」と王太子に婚約破棄された王宮修復師のリディア。
彼女の芸術に関する知識と修復師としての技術は、誰からも必要性を理解されていなかった。
失意の中、嫁がされたのは皆から恐れられる強面辺境伯ジェラルドだった!
しかし恐ろしい噂とは裏腹に、彼はリディアの不健康を見逃せない超・過保護で!?
絶品手料理と徹底的な体調管理で、リディアは心身ともに美しく再生していく。
一方、彼女を追放した王都では、貴重な物が失われたり、贋作騒動が起きたりとパニックになり始めて……。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
【完結】大変申し訳ありませんが、うちのお嬢様に貴方は不釣り合いのようです。
リラ
恋愛
婚約破棄から始まる、有能執事の溺愛…いや、過保護?
お嬢様を絶対守るマンが本気を出したらすごいんです。
ミリアス帝国首都の一等地に屋敷を構える資産家のコルチエット伯爵家で執事として勤めているロバートは、あらゆる事を完璧にこなす有能な執事だ。
そんな彼が生涯を捧げてでも大切に守ろうと誓った伯爵家のご令嬢エミリー・コルチエットがある日、婚約者に一方的に婚約破棄を告げられる事件が起こる。
その事実を知ったロバートは……この執事を怒らせたら怖いぞ!
後に後悔しエミリーとの復縁を望む元婚約者や、彼女に恋心を抱く男達を前に、お嬢様の婿に相応しいか見極めるロバートだったが…?
果たして、ロバートに認められるようなエミリーお嬢様のお婿候補は現れるのだろうか!?
【物語補足情報】
世界観:貴族社会はあるものの、財を成した平民が貴族位を買い新興貴族(ブルジョア)として活躍している時代。
由緒正しい貴族の力は弱まりつつあり、借金を抱える高位貴族も増えていった。
コルチエット家:帝国一の大商会を持つ一族。元々平民だが、エミリーの祖父の代に伯爵位を買い貴族となった資産家。
【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
※本編完結しました。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる