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28 救いの本
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メイドがクローゼットからリボンをされた本を持ってきてアリサに渡す。
「これをずっとプレゼントしたかったのですがご迷惑ではありませんか?」
「これって。同じ本なの?」
「はい! メイお義姉様にも読んでいただきたくて作ってもらいましたの!」
「私も読みたいわ。でも……」
「わたくしといっしょに文字をお勉強いたしませんか? 今日は我が家のメイドに読んでもらいましょう。
文字を指差しながら読んでくれるのでお勉強になりますよ」
「うん!」
二人はメイドを挟みソファーに座りそのメイドの後ろにはメイロッテのメイドが立ち読み聞かせの方法を学んでいた。
アリサからのプレゼントを自分で読みたいがために文字を勉強するメイロッテを辺境伯夫妻は当然全力で応援する。
「メイロッテ。私にその本を読んでくれる?」
「もちろんよ。お母様!」
父親も負けじと声をかける。
「メイロッテ。このシーンの様子を知りたいのだがどのように動くか読んでくれ。ワシは体現してみるから」
「わあ! お父様! 面白そう!」
狼の革を被った執事が木剣を持った辺境伯と向き合う。
「えっと。茂みががさがさと動きました。
あ! お父様、まずは狼に背中を見せているのよ」
「よしわかった」
くるりと向きを変える辺境伯。
「茂みががさがさと動きました。少女騎士はふりむきました。そこには黒い狼がいたのです」
メイロッテは一生懸命に読みながら父親と執事の動きを楽しんでいた。
メイロッテがスラスラと読めるようになった頃、アリサが第二巻ができたのだとメイロッテにプレゼントした。
そこには狩りや野党討伐をしながらも村人たちの生活や治安を考え村経営をしていく女性騎士貴族の姿が書かれていた。
メイロッテはそれが読めるようになると人々を統べて人々を幸せに導く姿に憧れるようになった。そしてそれに伴う勉学が必要であることも自然に理解していき勉学を嫌わない少女になっていく。
子供であるため興味をもったことにはとても貪欲だし努力も苦とは感じないし吸収も早い。こうして秀才メイロッテができあがった。
言わずもがなAクラスに決定するし、その頃にはズバニールがメイロッテを敬遠し始めていたため「同学年になれ」というワガママも言わなかった。『よるコン』内でメイロッテが一学年下にいたのはズバニールの要望であったのだ。
〰 〰 〰
「わたくしはアリサとの出会いで変わりました。ユノラド男爵令嬢様。貴女も良い出会いがあったのなら変わってみたらどうですか?」
「うるさいっ! ズバニールにフラレて公爵夫人になれないアンタに何言われても痛くもないわよ。私が公爵夫人になったら覚えておきなさいよ!」
ズバニールの腕を無理矢理とりパレシャは高らかに宣言したが隣でパレシャを見ているズバニール呆然としていた。
「ユノラド男爵令嬢が公爵夫人になることなどありえませんよ」
冷静になったケネシスがため息混じりに言った。
「私がズバニールかケネシスを選べば公爵夫人決定でしょ!」
「ズバニールさんはともかくなぜ僕を選ぶと公爵夫人になるのです? 選ばれたとしても断固拒否いたしますが、それにしても荒唐無稽な話だ」
「何言ってるのよ。ケネシスはワイドン公爵家を後継するために親戚筋から養子になったんでしょう! みんな知ってる話じゃないの!」
ケネシスがなるほどと数度頷いた。
「貴女の情報は半年ほど遅れているようですね。ワイドン公爵家は義姉が婿取りをして後継することになりました。大大的に発表したつもりでしたが周知されていなかったとは義父上に報告が必要そうです」
ケネシスは意地悪そうにニヤリと笑った。
〰 〰 〰
ケネシスは幼少期にワイドン公爵家の養子になった。ワイドン公爵夫人が体を壊し次子を望めないとわかり娘しかいなかったワイドン公爵は親戚筋から優秀と噂のケネシスを養子にしたのだ。
娘に婿養子を迎えて家を後継させるということも可能だがその娘ワイドン公爵令嬢エイミーは幼い頃から武術に目覚めてしまいワイドン公爵家を後継して家に閉じ込められるなら冒険者になるとまで公言していたためのケネシスとの養子縁組であった。
エイミーは女性騎士になることを望みそのために遠い親戚にあたる北部の辺境伯家に居候することになった。毎日訓練と辺境伯家の子供達との遊びに夢中だったエイミーにワイドン公爵夫妻は誕生日プレゼントを贈った。
それはアリサ監修の絵本だった。
『騎士道精神を持った女性の統治者なんてかっこいいじゃないのっ!!』
メイロッテ同様その絵本に感銘を受けたエイミーは北部学園に入学する頃にはAクラスになるほどの学術を身に着けたが、ケネシスが後継のためにワイドン公爵家の養子になったことを知っているためワイドン公爵家から伯爵位を譲り受け婿養子を取り統治していこうとしていた。
「これをずっとプレゼントしたかったのですがご迷惑ではありませんか?」
「これって。同じ本なの?」
「はい! メイお義姉様にも読んでいただきたくて作ってもらいましたの!」
「私も読みたいわ。でも……」
「わたくしといっしょに文字をお勉強いたしませんか? 今日は我が家のメイドに読んでもらいましょう。
文字を指差しながら読んでくれるのでお勉強になりますよ」
「うん!」
二人はメイドを挟みソファーに座りそのメイドの後ろにはメイロッテのメイドが立ち読み聞かせの方法を学んでいた。
アリサからのプレゼントを自分で読みたいがために文字を勉強するメイロッテを辺境伯夫妻は当然全力で応援する。
「メイロッテ。私にその本を読んでくれる?」
「もちろんよ。お母様!」
父親も負けじと声をかける。
「メイロッテ。このシーンの様子を知りたいのだがどのように動くか読んでくれ。ワシは体現してみるから」
「わあ! お父様! 面白そう!」
狼の革を被った執事が木剣を持った辺境伯と向き合う。
「えっと。茂みががさがさと動きました。
あ! お父様、まずは狼に背中を見せているのよ」
「よしわかった」
くるりと向きを変える辺境伯。
「茂みががさがさと動きました。少女騎士はふりむきました。そこには黒い狼がいたのです」
メイロッテは一生懸命に読みながら父親と執事の動きを楽しんでいた。
メイロッテがスラスラと読めるようになった頃、アリサが第二巻ができたのだとメイロッテにプレゼントした。
そこには狩りや野党討伐をしながらも村人たちの生活や治安を考え村経営をしていく女性騎士貴族の姿が書かれていた。
メイロッテはそれが読めるようになると人々を統べて人々を幸せに導く姿に憧れるようになった。そしてそれに伴う勉学が必要であることも自然に理解していき勉学を嫌わない少女になっていく。
子供であるため興味をもったことにはとても貪欲だし努力も苦とは感じないし吸収も早い。こうして秀才メイロッテができあがった。
言わずもがなAクラスに決定するし、その頃にはズバニールがメイロッテを敬遠し始めていたため「同学年になれ」というワガママも言わなかった。『よるコン』内でメイロッテが一学年下にいたのはズバニールの要望であったのだ。
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「わたくしはアリサとの出会いで変わりました。ユノラド男爵令嬢様。貴女も良い出会いがあったのなら変わってみたらどうですか?」
「うるさいっ! ズバニールにフラレて公爵夫人になれないアンタに何言われても痛くもないわよ。私が公爵夫人になったら覚えておきなさいよ!」
ズバニールの腕を無理矢理とりパレシャは高らかに宣言したが隣でパレシャを見ているズバニール呆然としていた。
「ユノラド男爵令嬢が公爵夫人になることなどありえませんよ」
冷静になったケネシスがため息混じりに言った。
「私がズバニールかケネシスを選べば公爵夫人決定でしょ!」
「ズバニールさんはともかくなぜ僕を選ぶと公爵夫人になるのです? 選ばれたとしても断固拒否いたしますが、それにしても荒唐無稽な話だ」
「何言ってるのよ。ケネシスはワイドン公爵家を後継するために親戚筋から養子になったんでしょう! みんな知ってる話じゃないの!」
ケネシスがなるほどと数度頷いた。
「貴女の情報は半年ほど遅れているようですね。ワイドン公爵家は義姉が婿取りをして後継することになりました。大大的に発表したつもりでしたが周知されていなかったとは義父上に報告が必要そうです」
ケネシスは意地悪そうにニヤリと笑った。
〰 〰 〰
ケネシスは幼少期にワイドン公爵家の養子になった。ワイドン公爵夫人が体を壊し次子を望めないとわかり娘しかいなかったワイドン公爵は親戚筋から優秀と噂のケネシスを養子にしたのだ。
娘に婿養子を迎えて家を後継させるということも可能だがその娘ワイドン公爵令嬢エイミーは幼い頃から武術に目覚めてしまいワイドン公爵家を後継して家に閉じ込められるなら冒険者になるとまで公言していたためのケネシスとの養子縁組であった。
エイミーは女性騎士になることを望みそのために遠い親戚にあたる北部の辺境伯家に居候することになった。毎日訓練と辺境伯家の子供達との遊びに夢中だったエイミーにワイドン公爵夫妻は誕生日プレゼントを贈った。
それはアリサ監修の絵本だった。
『騎士道精神を持った女性の統治者なんてかっこいいじゃないのっ!!』
メイロッテ同様その絵本に感銘を受けたエイミーは北部学園に入学する頃にはAクラスになるほどの学術を身に着けたが、ケネシスが後継のためにワイドン公爵家の養子になったことを知っているためワイドン公爵家から伯爵位を譲り受け婿養子を取り統治していこうとしていた。
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