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10章 過去編
120、共同戦線
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女神との戦いはある平地で行われた。
夕暮れ時、ドラゴンと精霊たちに誘導されながらミルレースは小高い丘に立った。
「あらぁっ!壮観ですねぇっ!」
ミルレースの喜悦に歪んだ表情の先に広がるのは地平線を埋め尽くすほどの数の敵。ちょろちょろ小蝿のように飛ぶ精霊やドラゴンたちにムカつきながらもついてきた甲斐があったと満面の笑みで受け入れる。これから最高の暇つぶしが待っていると思うとはしゃがずにはいられない。
そんな人間にしか見えないミルレースの姿に遠くから様子を窺っていたデザイアは内心「こいつが?」という疑問と共に嘲りが湧いてきた。噂にはしばしば尾ひれがついてくるもの。部下たちの目線で自分では勝てないという恐怖心から針小棒大に報告した可能性がある。
我が部下ながら情けないと思う反面、それでも少なくとも13名の皇魔貴族が滅ぼされ、デーモンに至っては数千の犠牲が出ている。それを戦いとは縁遠い見た目の女性がやったというのだから多少盛ったところで誰も否定しないだろう。むしろ共感を得られるかもしれない。
「……力は見た目に左右されない。報告通りであるならば……この目で見せてもらうとしよう」
デザイアは後方に陣取り、高みの見物を決め込む。わざわざ自身の能力を使ってまで創造した椅子に座り、戦場だというのにくつろぐ姿は信じられないの一言だ。
「いい気なもんだぜ……」
デザイアの戦う気のない素振りを遠目に見てアレクサンドロスは自嘲気味に笑った。これから熾烈を極める戦いが始まろうという時にもあの余裕。何を考えているのかは分からないが、デザイアに期待することは出来ない。
「まぁしかしそうでなくっちゃなぁ。俺の邪魔をされちゃ適わねぇし」
「しかしアレクサンドロス様。万が一のこともあり得ます。デザイア様にも一つ動いていただいては?」
「女神を封印に持ち込んだとなれば俺の地位は盤石だ。が、お前の言うように万が一ってこともあり得る。そん時は全部巻き込んでデザイアだろうがメフィストだろうが女神だろうが……どっちかが死ぬまでやるぜ。気合入れていけリュート」
「いつでもアレクサンドロス様のために死ぬ覚悟は出来ております」
「ははっ!よせよせ。お前は死んだらだめだ。きっちり封印してもらわなきゃだからよ」
アレクサンドロスはすっと空を見上げる。赤み掛かった空が闇夜に包まれる丁度中間にアレクサンドロスは右手を挙げた。
ポシュッ
情けない音と共に射出されたのは光の玉。ポンッと少し大きくなった光源は照明弾のように辺りを照らす。作戦開始の合図。
合図を受けて正面に陣取った魔族たちや精霊たちが一斉に遠距離攻撃を放つ。
ドドドドドドドドドドドドッ
絶え間なく放たれる色とりどりの無数の魔法はミルレースに向けて飛ぶ。距離が遠すぎて地面を抉ったり、狙いが定まらずに明後日の方向に飛ぶものもあったが、大半は狙い通りに飛んでいく。
「あらら。こんな遠くから撃ってきますか。まったくとんだチキン野郎どもですね。──女教皇」
ミルレースの背後に濃霧が立ち込め、そこから巨人が出現した。顔はフードに隠れて見えないが、手を組み、何かに祈っている姿は敬虔な信徒に見える。
出現した女教皇はミルレースを中心にドーム状の障壁を張り、放たれた魔法群をすべて弾いて見せた。弾かれ行き場を失った魔法は小高い丘を削り、ミルレースの周りの地面をクレーターのように抉れた大地へと変えていく。そこで分かったのは女教皇が張った障壁はドーム状ではなく球体。抉れて失われる大地の下にも障壁が現れ、四方八方すべてに展開されていたことを知る。
「地中からの攻撃にも対応しているのか。……想定の範囲内だ」
次の攻撃に備えて魔族たちは魔力をため始める。
「は?私に通じなかったのが見えてなかったのですか?数をそろえて並べたまでは私を楽しませましたが、これで終わりのようですね。残念です」
女教皇の障壁が解け、障壁に取り込まれていた地面が土に還る。次の瞬間、どこからともなく現れた影がミルレースに接敵する。
「むっ!?ソードッ!!」
咄嗟に出現させた剣を突進してくる影と自身の間に持ってくる。金属同士が打ち合う硬質な音が鳴り響き、ミルレースは不意打ちを搔い潜ったと判断した。
「チッ!」
そこには貴族の格好をした蜘蛛のような魔族がいた。背後にはデーモンを引き連れていることから皇魔貴族と思われる。
「先の攻撃は陽動でしたか。そう来なくては面白くありません。──魔術師」
「なぁにをぬかすかぁっ!!貴様のような災厄はこの儂が……ごあっ!!」
ミルレースの周りに現れた色とりどりのクリスタルは蜘蛛の魔族に向けて魔法を発射する。所々穴だらけになった蜘蛛の魔族はよたよたと背後に歩きながらその内パタリと倒れた。
「口を動かす前にまずは攻撃を仕掛けていただきたいものですね。弱すぎて話になりません。それで?あなた方は見ているだけですか?」
デーモンの目には怯えが混じり、攻撃はおろか動けないでいるのがすぐに分かった。ミルレースは鼻で笑うとクリスタルを差し向けてデーモンを瞬く間に消滅させる。
「戦意喪失とは情けない幕切れじゃないですか。どうせ死ぬならもう少し足掻けば良いのに。まったく……」
──……ォオッ
耳をかすめる空気を切り裂く音に佇んでいた女教皇が反応する。遠距離から二射目の魔法が放たれたようだ。魔法は障壁が阻んだが、それより早く敵が侵入していた。
『女神ミルレースっ!!貴殿を打ち取った!!』
「あはっ!」
目に見える範囲で5体。背後にも同数の気配を感じる。敵は全身が燃えている奇怪なものだった。炎の精霊。そう呼ぶにふさわしい見た目だった。
チュドッ
障壁の中で10体の炎の精霊が一斉に爆発する。炎の精霊が使用する範囲攻撃を障壁内で発動させることで威力を閉じ込め、消滅させようというのだろう。それも10体という威力過多。死なない方がおかしい。
『やったか?!』
「やってるわけないでしょう?」
立ち込める煙を腕の一振りで吹き飛ばすミルレース。体の所々に火傷痕のようなものがついているが、まったく痛みを感じていないのか平然としている。背後の女教皇には傷一つ付いていない。
炎の精霊たちはまさかの事態に空中で後ずさりするように後退する。
「なかなかの温度でした。私を崩壊させるほどではなかったですが……この程度であれば女教皇を出すまでもなかったかもしれませんねぇ」
『あり得ないっ!生き物ならば消滅しているっ!』
「普通とは違うのですよ。普通とはねっ!」
ミルレースの周りに浮かぶクリスタルから超高密度の魔力のレーザーが射出される。驚愕のあまり固まっていた炎の精霊たちは為すすべもなく空中で粉みじんとなった。
「ふむ……障壁はもういいでしょうか?しかし出したものを仕舞うのはもったいない。このまま私の威光を知らしめましょう。いいですね?女教皇」
女教皇に尋ねるも答えが返ってくることはない。それでもミルレースは満足げに頷いて次の攻撃を待つ。
手を筒のように丸め、その手の中を覗き込みながら遠くを見る”遠見”という魔法で観測を行っていたアレクサンドロスは顔をしかめた。
「……なるほど。あまりダメージにはならないか……障壁を張るくらいだ、無敵というわけではなくとも炎の精霊程度の火力では不十分。精霊は精霊王だけ残してとっとと散開させろ」
「はっ!」
「ドラゴンどものドラゴンブレスで女神を牽制しつつ第二部隊を展開。ミラージュ軍は既に背後に回っているか?」
「申し訳ございません。少し手間取っているようで未だ展開中でございます」
「ミラージュめ……仕方がない。本体を前へ。戦線を上げる」
「しかし女神には凄まじい大魔法があります。あまり戦線を縮めては一網打尽にされてしまいます」
「いや逆だ。ここで手をこまねいたら奴の興味が削がれ、大魔法を撃ってくる。第三部隊と第四部隊は左右から挟撃。ミラージュ軍の展開前に我々だけで女神を削る」
夕暮れ時、ドラゴンと精霊たちに誘導されながらミルレースは小高い丘に立った。
「あらぁっ!壮観ですねぇっ!」
ミルレースの喜悦に歪んだ表情の先に広がるのは地平線を埋め尽くすほどの数の敵。ちょろちょろ小蝿のように飛ぶ精霊やドラゴンたちにムカつきながらもついてきた甲斐があったと満面の笑みで受け入れる。これから最高の暇つぶしが待っていると思うとはしゃがずにはいられない。
そんな人間にしか見えないミルレースの姿に遠くから様子を窺っていたデザイアは内心「こいつが?」という疑問と共に嘲りが湧いてきた。噂にはしばしば尾ひれがついてくるもの。部下たちの目線で自分では勝てないという恐怖心から針小棒大に報告した可能性がある。
我が部下ながら情けないと思う反面、それでも少なくとも13名の皇魔貴族が滅ぼされ、デーモンに至っては数千の犠牲が出ている。それを戦いとは縁遠い見た目の女性がやったというのだから多少盛ったところで誰も否定しないだろう。むしろ共感を得られるかもしれない。
「……力は見た目に左右されない。報告通りであるならば……この目で見せてもらうとしよう」
デザイアは後方に陣取り、高みの見物を決め込む。わざわざ自身の能力を使ってまで創造した椅子に座り、戦場だというのにくつろぐ姿は信じられないの一言だ。
「いい気なもんだぜ……」
デザイアの戦う気のない素振りを遠目に見てアレクサンドロスは自嘲気味に笑った。これから熾烈を極める戦いが始まろうという時にもあの余裕。何を考えているのかは分からないが、デザイアに期待することは出来ない。
「まぁしかしそうでなくっちゃなぁ。俺の邪魔をされちゃ適わねぇし」
「しかしアレクサンドロス様。万が一のこともあり得ます。デザイア様にも一つ動いていただいては?」
「女神を封印に持ち込んだとなれば俺の地位は盤石だ。が、お前の言うように万が一ってこともあり得る。そん時は全部巻き込んでデザイアだろうがメフィストだろうが女神だろうが……どっちかが死ぬまでやるぜ。気合入れていけリュート」
「いつでもアレクサンドロス様のために死ぬ覚悟は出来ております」
「ははっ!よせよせ。お前は死んだらだめだ。きっちり封印してもらわなきゃだからよ」
アレクサンドロスはすっと空を見上げる。赤み掛かった空が闇夜に包まれる丁度中間にアレクサンドロスは右手を挙げた。
ポシュッ
情けない音と共に射出されたのは光の玉。ポンッと少し大きくなった光源は照明弾のように辺りを照らす。作戦開始の合図。
合図を受けて正面に陣取った魔族たちや精霊たちが一斉に遠距離攻撃を放つ。
ドドドドドドドドドドドドッ
絶え間なく放たれる色とりどりの無数の魔法はミルレースに向けて飛ぶ。距離が遠すぎて地面を抉ったり、狙いが定まらずに明後日の方向に飛ぶものもあったが、大半は狙い通りに飛んでいく。
「あらら。こんな遠くから撃ってきますか。まったくとんだチキン野郎どもですね。──女教皇」
ミルレースの背後に濃霧が立ち込め、そこから巨人が出現した。顔はフードに隠れて見えないが、手を組み、何かに祈っている姿は敬虔な信徒に見える。
出現した女教皇はミルレースを中心にドーム状の障壁を張り、放たれた魔法群をすべて弾いて見せた。弾かれ行き場を失った魔法は小高い丘を削り、ミルレースの周りの地面をクレーターのように抉れた大地へと変えていく。そこで分かったのは女教皇が張った障壁はドーム状ではなく球体。抉れて失われる大地の下にも障壁が現れ、四方八方すべてに展開されていたことを知る。
「地中からの攻撃にも対応しているのか。……想定の範囲内だ」
次の攻撃に備えて魔族たちは魔力をため始める。
「は?私に通じなかったのが見えてなかったのですか?数をそろえて並べたまでは私を楽しませましたが、これで終わりのようですね。残念です」
女教皇の障壁が解け、障壁に取り込まれていた地面が土に還る。次の瞬間、どこからともなく現れた影がミルレースに接敵する。
「むっ!?ソードッ!!」
咄嗟に出現させた剣を突進してくる影と自身の間に持ってくる。金属同士が打ち合う硬質な音が鳴り響き、ミルレースは不意打ちを搔い潜ったと判断した。
「チッ!」
そこには貴族の格好をした蜘蛛のような魔族がいた。背後にはデーモンを引き連れていることから皇魔貴族と思われる。
「先の攻撃は陽動でしたか。そう来なくては面白くありません。──魔術師」
「なぁにをぬかすかぁっ!!貴様のような災厄はこの儂が……ごあっ!!」
ミルレースの周りに現れた色とりどりのクリスタルは蜘蛛の魔族に向けて魔法を発射する。所々穴だらけになった蜘蛛の魔族はよたよたと背後に歩きながらその内パタリと倒れた。
「口を動かす前にまずは攻撃を仕掛けていただきたいものですね。弱すぎて話になりません。それで?あなた方は見ているだけですか?」
デーモンの目には怯えが混じり、攻撃はおろか動けないでいるのがすぐに分かった。ミルレースは鼻で笑うとクリスタルを差し向けてデーモンを瞬く間に消滅させる。
「戦意喪失とは情けない幕切れじゃないですか。どうせ死ぬならもう少し足掻けば良いのに。まったく……」
──……ォオッ
耳をかすめる空気を切り裂く音に佇んでいた女教皇が反応する。遠距離から二射目の魔法が放たれたようだ。魔法は障壁が阻んだが、それより早く敵が侵入していた。
『女神ミルレースっ!!貴殿を打ち取った!!』
「あはっ!」
目に見える範囲で5体。背後にも同数の気配を感じる。敵は全身が燃えている奇怪なものだった。炎の精霊。そう呼ぶにふさわしい見た目だった。
チュドッ
障壁の中で10体の炎の精霊が一斉に爆発する。炎の精霊が使用する範囲攻撃を障壁内で発動させることで威力を閉じ込め、消滅させようというのだろう。それも10体という威力過多。死なない方がおかしい。
『やったか?!』
「やってるわけないでしょう?」
立ち込める煙を腕の一振りで吹き飛ばすミルレース。体の所々に火傷痕のようなものがついているが、まったく痛みを感じていないのか平然としている。背後の女教皇には傷一つ付いていない。
炎の精霊たちはまさかの事態に空中で後ずさりするように後退する。
「なかなかの温度でした。私を崩壊させるほどではなかったですが……この程度であれば女教皇を出すまでもなかったかもしれませんねぇ」
『あり得ないっ!生き物ならば消滅しているっ!』
「普通とは違うのですよ。普通とはねっ!」
ミルレースの周りに浮かぶクリスタルから超高密度の魔力のレーザーが射出される。驚愕のあまり固まっていた炎の精霊たちは為すすべもなく空中で粉みじんとなった。
「ふむ……障壁はもういいでしょうか?しかし出したものを仕舞うのはもったいない。このまま私の威光を知らしめましょう。いいですね?女教皇」
女教皇に尋ねるも答えが返ってくることはない。それでもミルレースは満足げに頷いて次の攻撃を待つ。
手を筒のように丸め、その手の中を覗き込みながら遠くを見る”遠見”という魔法で観測を行っていたアレクサンドロスは顔をしかめた。
「……なるほど。あまりダメージにはならないか……障壁を張るくらいだ、無敵というわけではなくとも炎の精霊程度の火力では不十分。精霊は精霊王だけ残してとっとと散開させろ」
「はっ!」
「ドラゴンどものドラゴンブレスで女神を牽制しつつ第二部隊を展開。ミラージュ軍は既に背後に回っているか?」
「申し訳ございません。少し手間取っているようで未だ展開中でございます」
「ミラージュめ……仕方がない。本体を前へ。戦線を上げる」
「しかし女神には凄まじい大魔法があります。あまり戦線を縮めては一網打尽にされてしまいます」
「いや逆だ。ここで手をこまねいたら奴の興味が削がれ、大魔法を撃ってくる。第三部隊と第四部隊は左右から挟撃。ミラージュ軍の展開前に我々だけで女神を削る」
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