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第31話 ルイーザの反撃
しおりを挟む(貴女はやり過ぎたのですわ。わたくし達まで蹴落とそうとするからには、それ相当のお覚悟があるとみてよろしいのでしょうね……?)
どこの世界に、毒の花が咲き誇るのを許容する国があるというのだ。
王子達にまで毒牙にかけた女を、野放しにするはずがない。目をつけられないと思っていたのなら、この国の上層部を舐めているとしか思えない。
「これはわたくしとクレイブ様の問題ですわ。他人が口を挟まないでくださいませ」
「そんな……他人だなんて、ひどい……クレイブさまはサリーナにとって、大切なお友達なのにっ」
ひどい、ひどいわとクネクネと体を揺らし、心外なことを言われたと涙を浮かべて抗議してくる。彼の腕にぎゅっと抱きつき、自分とクレイブの間には特別な関係があると強調しながら……。
「わたくしは婚約者としての役割を、忠実に果たしているだけでしてよ。暴走を止めるのも大事なお役目ですもの」
「え、嘘ぉ? 違うでしょぉ!? この場合、暴走しているのはあなたの方じゃない!」
「……わたくしはクレイブ様とお話ししているのです。貴女に発言を許可した覚えはありませんわ。お黙りくださいませ……と、申し上げましたが聞こえませんでしたか?」
「きゃ、ルイーザさま、怖ぁ~い……」
わざとらしく怖がって、益々クレイブの腕に引っ付くサリーナ。
一々余計な口を挟み、体を使って挑発してくる女にはイライラさせられるが、これ以上構っていられない。
ルイーザは視線も向けず、彼との会話に集中しようとする。
「さて、クレイブ様。か弱い女の投げた扇ひとつ避けられない程、腕が鈍ってしまわれたこと……今、どんなお気持ちかしら?」
「ルイーザ嬢……」
「ええぇぇぇぇぇ!? どこがか弱いって!? だってわたし、クレイブ様に聞いたわっ。ルイーザさまって、片手で魔物を捻り潰すような野蛮な人なんでしょう? さっきだって……ひぃぃぃっ」
キャンキャンとうるさい女だ。
鬱陶しくて、それこそ魔物相手に使う威圧スキルをサリーナに向けて解放すると、これには本能的にヤバいと察したらしく、悲鳴をあげて押し黙った。
「ふんっ。重ね重ね失礼な方ですこと。いい加減にしてくださらないかしら?」
せっかく今は見逃してやろうとしたのに……。
ルイーザの優しさを踏みにじる彼女に、今度は感情を押さえきれなかった。
プルプル震えている女に冷たくいい放つ。
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