婚約「解消」ではなく「破棄」ですか? いいでしょう、お受けしますよ?

ピコっぴ

文字の大きさ
164 / 263
小さな嵐はやがて⋯⋯

11.義理の姉妹   

しおりを挟む


 戸惑うシスティアーナに、ディオも賛成する。

「いいね。僕は大歓迎だよ。シスは頭もいいし、話してて会話がすれ違うこともないし、お強請ねだりや我が儘言ったりうるさくしたり勘違いして甘えてこないし。何より可愛いし楽しいからね」

(かっ可愛い? わたくしが?)

「あら、自覚ないの? シスは可愛いわよ。私、シスと姉妹のように育ってよかったと思うわ。本当の姉妹になってくれてもいいのよ?」
「ミア、わたくしもミアと一緒にいられて嬉しいわ」
「あら、私達、相思相愛ね?」

 ユーフェミアが、システィアーナに軽く抱きつくようにして笑いかける。

「それにしても、デュー兄さま、先程の例えは何? 会話がすれ違うとか、お強請りに我が儘、勘違いして甘えてくるとか、いいご趣味ですこと」
「違う、誤解だよ。過去にすり寄ってきた頭の軽い令嬢の事で、なにも付き合ってきた訳じゃないよ」
「だったら、アレクお兄さまのように、きっぱり線を引いて、誰とも親しくしなければいいのよ。マリアンナみたいな押せ押せの、品性のかけらもない勘違い令嬢が義姉になるのはお断りよ。義姉になるなら、シスがいいわ。本当の姉妹になれるもの。ねぇ、シス? デュー兄さまもアレクお兄さまも、隣は空いててよ?」

 精緻で耽美な絵画のように美しい顔を笑みに、未婚の兄を薦めるユーフェミア。

「あら。そうなれば、私も、ティアと義理の姉妹ね? ミア、いい考えだわ」

 アナファリテも、こんな所で色気を振りまかなくてもよかろうに、エルネストが居心地悪くなるほど妖艶な微笑みを見せる。
 デュバルディオは拒否も容認もせず、黙って微笑んでいるだけだった。

「ま、待って、二人とも。わたくしは侯爵家を継ぐために勉強してるのよ? 今だって、ミアの公務に付き添うのは、お祖父さまの公爵代行としてよ。王家に嫁げないわ。ましてや、王太子妃なんて、女当主と兼任は無理よ」

 そう。格上の公爵家のオルギュストが王命で婿に決まっていたのも、祖父の名代として外交政策に関わって来たのも、将来ハルヴァルヴィア侯爵を継ぎ、場合によっては、祖父のドゥウェルヴィア公爵家を継ぐ可能性もあるためだ。

「僕なら、婿に行ってもいいよ? 兄上が王になってフレック兄さんが王佐になったら、第三王子の僕は新興公爵になるか、どこかへ婿入りするしかないんだし。
 シスとは公務内容も近いし、ドゥウェルヴィア公爵にも可愛がってもらったし、仲良く出来ると思うよ?」





しおりを挟む
感想 164

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

【完結】すり替えられた公爵令嬢

鈴蘭
恋愛
帝国から嫁いで来た正妻キャサリンと離縁したあと、キャサリンとの間に出来た娘を捨てて、元婚約者アマンダとの間に出来た娘を嫡子として第一王子の婚約者に差し出したオルターナ公爵。 しかし王家は帝国との繋がりを求め、キャサリンの血を引く娘を欲していた。 妹が入れ替わった事に気付いた兄のルーカスは、事実を親友でもある第一王子のアルフレッドに告げるが、幼い二人にはどうする事も出来ず時間だけが流れて行く。 本来なら庶子として育つ筈だったマルゲリーターは公爵と後妻に溺愛されており、自身の中に高貴な血が流れていると信じて疑いもしていない、我儘で自分勝手な公女として育っていた。 完璧だと思われていた娘の入れ替えは、捨てた娘が学園に入学して来た事で、綻びを見せて行く。 視点がコロコロかわるので、ナレーション形式にしてみました。 お話が長いので、主要な登場人物を紹介します。 ロイズ王国 エレイン・フルール男爵令嬢 15歳 ルーカス・オルターナ公爵令息 17歳 アルフレッド・ロイズ第一王子 17歳 マルゲリーター・オルターナ公爵令嬢 15歳 マルゲリーターの母 アマンダ・オルターナ エレインたちの父親 シルベス・オルターナ  パトリシア・アンバタサー エレインのクラスメイト アルフレッドの側近 カシュー・イーシヤ 18歳 ダニエル・ウイロー 16歳 マシュー・イーシヤ 15歳 帝国 エレインとルーカスの母 キャサリン帝国の侯爵令嬢(前皇帝の姪) キャサリンの再婚相手 アンドレイ(キャサリンの従兄妹) 隣国ルタオー王国 バーバラ王女

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。 国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。 悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。

「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。

パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、 クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。 「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。 完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、 “何も持たずに”去ったその先にあったものとは。 これは誰かのために生きることをやめ、 「私自身の幸せ」を選びなおした、 ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。

【完結】婿入り予定の婚約者は恋人と結婚したいらしい 〜そのひと爵位継げなくなるけどそんなに欲しいなら譲ります〜

早奈恵
恋愛
【完結】ざまぁ展開あります⚫︎幼なじみで婚約者のデニスが恋人を作り、破談となってしまう。困ったステファニーは急遽婿探しをする事になる。⚫︎新しい相手と婚約発表直前『やっぱりステファニーと結婚する』とデニスが言い出した。⚫︎辺境伯になるにはステファニーと結婚が必要と気が付いたデニスと辺境伯夫人になりたかった恋人ブリトニーを前に、ステファニーは新しい婚約者ブラッドリーと共に対抗する。⚫︎デニスの恋人ブリトニーが不公平だと言い、デニスにもチャンスをくれと縋り出す。⚫︎そしてデニスとブラッドが言い合いになり、決闘することに……。

【完】愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた

迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」  待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。 「え……あの、どうし……て?」  あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。  彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。 ーーーーーーーーーーーーー  侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。  吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。  自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。  だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。  婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。 第18回恋愛小説大賞で、『奨励賞』をいただきましたっ! ※基本的にゆるふわ設定です。 ※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます ※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。 ※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。 ※※しれっと短編から長編に変更しました。(だって絶対終わらないと思ったから!)  

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...