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暗いダンジョンの中で捨てられました──捨てる勇者あれば拾う妖精あり?

にじゅういち。『避けてた最後の道が正解だったみたい』──外の森に通じる転移装置に辿り着きました

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     ✡️

 どうやら、曲がってるから違うと思って避けてた道が正解だったみたいで、数分も歩けば、外の森に通じる転移ポーター装置ゲートがある行き止まりに辿り着いた。

 その間、小さいジェリーがパラパラと出てきても、黄色いちびちゃんが威嚇して追い払ってくれるし、岩壁の隙間から滲み出て来たブロブは、ふたりで睨んで、固まらせてくれた。

 ブロブ達のまわりに状態変化『喪心スタン』(驚愕・畏怖により硬直して動けない状態)と表示されるのが見える。

 私もスニャイム達も、まだレベルが低いので、鑑定単眼鏡アプレィズモノクルほどの精度は出ないけど、単眼鏡を透かし見るよりは楽なので、特別に鑑定が必要でなければ、これで全然いいや。凄いよ、スニャイム♪

 チャッチャ・チャーン🔔

 ──召喚対象との『信頼』 コンセンスス が上がりました(非公開関係変数シークレットパラメーターは非開示)

 まだ喚び出しちゃったすぐだから、最初のうちはレベルが上がりやすいんだね、きっと。

 転移ポーター装置ゲートは、利用者に魔力がなくても、魔法陣の中に入るだけでまわりにある魔素を取り込んで作動するので、魔法精神力マジカルメンタリティ(MP)が2しかない私でも発動出来る。

 うう、もっとメンタル鍛えないと。気疲れしても、精力や魔力を吸い取る吸精魔生物ドレインクリーチャーに遭っても、昏倒しやすいってことだもんね……


   🌞


 外はまだ明るく、お昼を少しまわった頃みたい。太陽も高い位置にある。

「よかった。夜になったら、宵風の森は、魔物の森に変わっちゃうからね~」 

 スニャイムを載っけたまま、意気揚々と、街に向かって歩き出す。

 街道ですれ違った人の中には、私の頭に載ってる水色ちゃんにびっくりしてる人もいて、中には二度見三度見する人もいた。

 それでも、攻撃されたり通報されなかったのは、少ないなりに調教師テイマーという職業の人もいるからだろう。

 ※調教師テイマー=魔物を含む生き物クリーチャーを育て飼い慣らし使役する職業クラスの総称


 スニャイム達のおかげで、出会ってからは、楽しく楽ちんだった。

「そうだ、あなた達に、名前つけないと! いつまでも黄色ちゃん、水色ちゃんじゃあ寂しいよね」







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