💘Purple Violet⚜️💐 堅物実直なノンケ親友への想いを、27年越しに伝えてテンパるゆるふわ一途イケメンのお話

良音 夜代琴

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第7話 二度目と、初めて(1/13)

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***

レイがその髪を解いても、後頭部の傷痕はすぐには見えない。
けれどこうして髪を洗う姿を見れば、それがどれほど広く深い傷だったのかが分かった。
「……お前、もしかして、そのハゲのせいで結婚できなかったんじゃ……」
「違うって!」
俺の言葉が終わるよりも早く、レイが否定する。

……それなら、いいんだが……。

「俺が言わなくても、結局おんなじ事言うのかよ……」
頭を下げて髪を洗うレイが、何やらぶつぶつと不服そうに呟いている。
どうやら、俺は前にもそう言ったらしい。

『支度をする』と言って風呂場に向かおうとしたレイに、一緒に入ろうと声をかけたのは俺だ。
何となく、レイをまた風呂場で一人にさせたくなかった。

レイは、洗い終えた髪を器用にくるりと捻って自身の髪だけで束ねた。
「面白い事をするんだな」
俺の声に、レイは「そうか?」と不思議そうに答える。
髪の長い者なら、皆こういう事は出来るのだろうか?
記憶を辿るも、妻がそんな事をしているところは見た事がなかった。
そんな事を考えながら見つめていると、レイは頬を染めて俺に背を向けた。

「こ、これからその……、下を洗うから。あんま見ねーでくれよ……」
「どうしてだ? 俺が入れるところじゃないか」
よく見ておかねば上手くいくものもいかぬという物だ。
観察する事は、全ての学びの基本だろう。

「俺が恥ずかしいからだよ!!」
叫ぶレイは真っ赤だ。
俺の視線で容易く色を変えるその肌が、どうにも愛おしい。
しかし、もう夜も更けているのだから声量は抑えてもらわねばな。

「あまり大きな声を出すな、近所迷惑だ」
「うっ……」
レイが、その通りだという顔で肩をすくめる。
いくつになっても素直なところも、俺には好ましく映っていた。
レイは俺が目を逸らす気がないのを理解すると、仕方なさそうに背を丸めて、なるべく俺に見えないように支度を始める。

石鹸を手に取ったのは、滑りを良くするためだろうか。
しかし、完全に背を向けられ体を丸められてしまっては……。
「おい、それでは見えんだろう」
びくりと肩を揺らしたレイが、絞るような声で聞き返す。

「……っ、み……、見たいのかよ……」
「ああ。お前を隠さず見せてほしい」
答えれば、レイは葛藤の末に、じわりとこちらへ向き直る。

恥ずかしさを必死で堪えてか耳まで赤くなっているレイは、俺の視線を受けて、その肌までもほんのりと赤く染め始める。
上気し濡れた肌に、結い残された幾筋かの金髪が絡まり、青い瞳は潤んで恥ずかしそうに伏せられていた。
レイの細く長い指は、自身のそこへと第二関節ほどまで入り込んでいる。
羞恥に震えている癖に。それでも俺の求めに応じようとするレイの健気な姿が、たまらない。

ぞくりと背を上る熱に、俺の下腹部に力が集まれば、それに応えるようにレイのそこも緩やかに立ち上がる。
「お前、俺に見られて感じてるのか?」
「……っ!」
レイは何事か叫び返そうとしたが、近所迷惑だと言われた事を思い出したのか、それを飲み込んだ。かわりに震えるようなか細い声で呟きを落とす。
「ル、ルスだって……立ってるじゃねぇか……」
「お前のそんな姿を見て、立たぬ方がおかしいだろう」
当然だと返せば、レイは小さく息を呑む。
その顔が、嬉しそうにふやける。

……なるほど、俺がお前に欲を持つのは、お前にとって喜ばしいことのようだな。

俺はレイが俺のために用意してくれた風呂椅子を引き摺って、赤く染まっているレイへと距離を詰める。
「……レイ、早くお前を抱かせてくれ……」
耳元に顔を寄せて囁くように求めれば、レイは潤んだ瞳で俺を見つめ返した。
俺は思わずその唇を奪う。
レイの薄く柔らかな唇は、この歳になってもまだ淡い色をしている。
俺とは大違いだなと思いながらその唇を丹念に味わうと、余計にたまらなくなる。
「レイ……」
熱の篭る声で囁けば、レイが慌てて止めていた手を動かした。
「わ、分かったから、ちょっと待ってろよっ」
どうやら中を洗い流す必要があるようで、レイは石鹸のついた指で自身の中を洗い、そこへ湯を注ぐ。

「……んっ……」
ぴくり、と小さくレイが腰を揺らす。
はぁ。と至近距離で吐かれた熱い息。
俺の背を熱が駆け昇る。

「レイ……もう我慢できそうにない」
「え……?」
俺の言葉に、レイは引き攣った。
レイの肩を抱き寄せると、その白い首筋に舌を這わせる。
「ちょ、ま……っ、ルス……っ」
戸惑う声さえもどこか可愛くて、俺は小さく緩む口元を誤魔化すようにレイの首筋を舐め上げて、柔らかそうな耳たぶを食む。
「ぅ、ぁ……っ」
「可愛い声だな……」
レイの耳の中で囁けば、しゃがんでいたレイがガクンと姿勢を崩した。
掴んだままの肩を支えて事なきを得るが、レイはぐるぐると目を回しかけている。

「も……勘弁してくれよぉ……」
真っ赤な顔で、なぜか半べそのレイを、俺は両腕に力を込めて抱き上げると膝の上に向き合うように乗せた。
「ル、ルス!? 足は……っ」
「お前の体重くらい、大丈夫だ」

お前は相変わらず、俺の心配ばかりしているな。
この金髪の男が俺を心配してばかりなのが、昔からくすぐったかった。
こういう関係になるまでは、レイは俺を心配する気持ちを隠そうとしていたが、それでも伝わるものはあった。

「お前は少し軽過ぎないか? もう少し筋肉をつけた方がいい」
俺が言えば、レイは苦笑して言った。
「ルスが特別ずっしりしてんだよ」
「……そうか?」
ごくり、とレイの喉が鳴って、その視線が俺の物に注がれているのに気付く。
「どうした?」
「い、いや……、やっぱ、ルスのデケェなと思って……」
「そうなのか?」
「ああ、平均サイズより……一回りどころじゃないだろ、これ……」
レイは俺の物から視線を逸らさず答える。

「お前の情報網は、一体どうなってるんだ……」
大風呂や便所で仲間の物を見る事があっても、それはこの状態ではないだろうし、そんな話をわざわざするだろうか?
いや、確かに学生の頃そんな話ばかりしているやつはいたが、クラス委員をしていた俺の周りにはいない人種だった。

レイはまだ、赤く染まった頬のまま、俺のそれに青い瞳を釘付けている。
もしかして……と、俺はレイの頬に顔を寄せて囁いてみる。
「欲しいのか?」
ビクッと、レイは大きく肩を揺らす。
カアッと元から赤かった頬をさらに染めて俯くその様子に、俺は早く入れたくてたまらなくなる。

「……まだ、ダメなのか? 後はどうしたらいい?」
「あ……あとは、水が綺麗になるまですすげば……」
「分かった。俺がしよう」
「へ……?」
間抜けな声を漏らしたレイの腰をぐいと引き寄せれば、腕がレイの後ろへ回るようになる。
前では、お互いのものがふるふると揺れて触れ合った。
何だかおかしくて小さく苦笑した俺とは違って、レイはその小さな刺激にもびくりと腰を浮かす。
手の届く位置に落ちていた筒状の注湯器を拾って、俺はレイの後ろへと指を這わせた。
ひくり、と小さく震えたそこは、まだ石鹸でぬるついている。
俺はレイの入り口周りに残った石鹸を自身の指に移すと、そこへと指を差し入れた。
「は、っあ……」
グッとレイの体に一瞬力が入る。が、それを意図的に抜くためにか、レイは俺の肩口で細く長く息を吐いた。
「いい子だ……そのまま力を抜いておけよ」
中にはまだ湯が残っていて、差し入れたそこからぽたぽたと指を伝って流れる。
「ふ…………、ぅ……」
確かさっきはレイが二本の指で入り口を広げていたな。
だがレイの指に比べると、俺の指は随分太い。
慎重にもう一本を潜り込ませると、レイは腕の中で震えた。
「……痛くないか?」
「ん……大丈、夫……」
レイのこの言葉を、俺は聞いたことがあったような気がする。
こんな風に、真っ赤に肌を染めたこの男を、俺はこんな風に肩に抱いた事があったような……。
「……っ、ぁ……っ」
レイが小さく震える。
この姿勢では、あまり奥まで入れられんな……。
ゆるゆると入口をほぐして、俺は注湯器をあてがう。
「湯を入れるぞ」
「ぅ……、ん……」
こくり、と肩口で金髪が頷く。
赤い頬を俺の首に擦り寄せて、力を抜こうと懸命な様がいじらしい。
その髪を撫でてやりたい気持ちを堪えつつ、俺はレイの内を二度、三度と洗った。
「もう良いようだな」
透明な水を眺めて呟けば、レイが小さく息を呑む。
期待してくれてるんだろうか。
だとしたら、俺も嬉しい。

「さて……、足がこうでなければ、お前を抱き抱えてベッドまで運ぶのだがな」
苦笑とともに呟けば、レイがハッと俺の膝から降りた。
そう慌てんでもいいだろうに。
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