上 下
40 / 285
・before 回想編 “Day0”

0-9.

しおりを挟む
「はぁっ、あ、あっ、ああっ……!!」
 耐えなくてはならない。そんなわずかな青年の抵抗など、何の役にも立たなかった。彼の下腹部がたぷたぷと満タンになるまで、清水を後ろで受け止め、震える腰で必死に我慢をする。
 今にも、それを吐き出してしまいたい。
 肛門の縁が、ひくひくと蠢く。それは必死に中身を閉じ込めておこうとしているのか、外に垂れ流してしまおうとしているのか――いやその両方だった。
「うっ、ううっ」
 青年の瞳から涙があふれてくる。まつ毛の先をしとどに濡らしてそれは彼の薔薇色に染まった頬の上を流れ落ちていった。
「ほう? 二回目は随分いい子・・・でいるじゃないか」
 自身の下唇が切れるほど歯を食いしばっている青年の様子に男は喉を鳴らすようにして笑った。それだけなのに、カッと体内の熱が一段と高くなって、青年は余計に泣きたくなる。いつから――、自分はこんな――。
「さっきまでの威勢はどうした? すっかり雲隠れしてしまったな?」
 そのことばに消えかけていた一筋の光がさして、それに驚愕する。行為を強いられているとはいえ、自分から許してくれと泣きわめいていたという事実に。その現実感が一斉に襲ってくる。それは青年の対抗心を支えていた自尊心プライドをひどく傷つけた。
「……悔しいのか?」
 勝ち誇ったような男の微笑がたまらなく憎い。恨み節のひとつふたつじゃ足りないくらい。
 彼はおそらく人間など暴力と権力で簡単に操れるとでも思っているのだろう。けれど、そうではないということを。彼がどうとでも言いなりにできると思い込んでいる人間ひとりひとりにも、確固とした自我があるのだということを見せつけてやりたい。
 自分は決してお前の言いなりにはならない。そう、教えてやる。操り人形なんて、まっぴらごめんだ!
「ほぅ。面白いやつだな」
 青年の瞳の色が変わったのに気が付いて、男は表情を変えた。どこかその冷え切っていた瞳の奥にせつな熱量が高まったような気配を感じたが、それが一体なにを意味するのか、青年にはわかりかねずにいた。
「おい、手を休めるな」
 男は平坦な口調でポンプを握る使用人に命じる。途端、すでに限界にまで達しているというのに、水が体内に入り込もうとしてきて、その圧に青年はうめいた。
「うっぅ、うく、……ぐあっ」
 きつい後孔の縁とそこに食い込んでいるポンプの間から詰められた液体が押して流れ出そうとして、内側から縁の境界をこじ開けようとしてくる。青年は身もだえた。その蠢く肉体は、周囲の嗜虐心を煽るのに充分過ぎて、ギャラリーから、彼を下ろせとコールがは始まる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

変態村♂〜俺、やられます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。 そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。 暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。 必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。 その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。 果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?

童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった

なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。 ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…

支配された捜査員達はステージの上で恥辱ショーの開始を告げる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

おとなのための保育所

あーる
BL
逆トイレトレーニングをしながらそこの先生になるために学ぶところ。 見た目はおとな 排泄は赤ちゃん(お漏らししたら泣いちゃう)

或る実験の記録

フロイライン
BL
謎の誘拐事件が多発する中、新人警官の吉岡直紀は、犯人グループの車を発見したが、自身も捕まり拉致されてしまう。

処理中です...