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・before 回想編 “Day0”

0-8.

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「あ……おお……はいって、く……んぁ」
 青年は開きっぱなしになった口から次々と艶めいた声で鳴いた。その声が自分のものだと、信じられないくらいに。
 こんな屈辱的な行為を受けながらも、快感を受け取ってしまう己自身の存在に戸惑いながら。
「そうだ、限界まで入れろ」
 屋敷の主人の命令は絶対だ。使用人は、容赦なく青年へと、水を注ぎ込む。
「も、無理、無理だからぁ」
 よがって鳴く青年を見ものだとばかりに、周囲の男の視線が張り付く。青年の痴態を見ながら自らの一物を手淫しだすものもおり、そんな男と視線があってしまい、青年は、その悪夢のような淫らな遊戯に前茎から涙をぽろりと零す。しかし、その感覚が、根本から押さえつけられた戒めの状態をより強く青年に感じさせてしまい、彼は苦しげに呻いた。
「うう……おおぅ」
 それになにより、また後ろが限界に近いのだ。
 目一杯に詰め込まれた液体に、彼のアナルは悲鳴をあげだし、もう、我慢しきれないとばかりにそれを吐き出してしまう。
 びしゃびしゃと水音を立てながら、それは青年の足元に落ちていく。
 透明だった水は、青年の便の色に薄く色づき、桶の中にたまる。
「本当に堪え性のないやつだな」
 男の声が鼓膜を犯してくる。
 そうだ。己はこんなにもあさましく、悦に流されて、後ろをいじめられて、感じてしまう、どうしようもないやつなのだ。
 そんな考えが浮かんできて、青年をより追い詰める。
「もう一度だ」
 男の声が冷徹に響きわたる。
 そんな、と声に出していえれば良かった。しかし、再び後孔に押し付けられたポンプの質量に青年は打ち震え、そして、再び体内に入ってくる液体に、びくびくと全身が跳ね上がった。
「ああ……もう無理だぁ……ゆるしてぇ」
 必死になって懇願する。しかし、この男がそれで許すはずがないのは、なんとなく、青年にもわかっていた。
 彼は鬼だ。
 青年を限界まで追い詰め、高ぶらせ、最後にぱくりとでも食べようとしているのだうか。いや、その前に、まだ彼の手による料理・・は、まだまだ続くのだと。この圧倒的な支配者の一存で。それだけは確かにはっきりとしていた。

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