無表情な黒豹騎士に懐かれたら、元の世界に戻れなくなった私の話を切実に聞いて欲しい!

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第1章 ようこそ!獣人の国クモード王国へ

第4話 和食パワーで黒豹騎士と仲良くなる件について②

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第4話 和食パワーで黒豹騎士と仲良くなる件について②
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--厨房--

早速、私は厨房に戻り、ミソスープが入った鍋を配膳台に乗せた。

ドン! カチャ カチャ

それと食器とスプーンも乗せる。
木のお椀と箸の方が良いかもしれないけど、生憎クモード王国には、和の食器は無い。

ミソスープ…本当は料理人達の賄いにする予定だったけど…煮物にあう料理は食堂になかったら…御免みんな…あぁ…賄いが余りますように!!


「……これでよし!あっでも……」

…ミソスープだけじゃ足りないかなと思い、ホカホカの白米と漬物類も合わせた。

「よしっ!これで本当に準備完了!行ってきますベアリさん!すぐ戻ります。」

ベアリ「行ってらっしゃい。試作品が余る事を祈っているよ」

ベアリさんに一声かけて、厨房を出ようとした所…

ドタ ドタ ドタ

複数の足音が聞こえた。…この足音…もしかして…


ルビー「ヨーグルちゃんっ~さっきはごめんっ
何か持つ……っ!!!」

ツバル「えっ…その鍋…まさか今日の賄いっ…」

ニャリンガ「そんにゃ…楽しみにしていのに…」

ルビーさん達が戻ってきてくれた…が3人ともミソスープの存在に気付き、さぁぁと顔を青ざめる。みんな…試作品なのにそこまで楽しみにしていたとは…

なんだか、罪悪感を感じるなぁぁ…やめて!そんな悲しそうな目で見ないでっ持っていきにくいじゃないぃぃ!!!


「ぅぅ…ごっごめんなさい。煮物に合う料理…ミソスープしかなくて…」

ツバル「いやっ気にしないで!それに食べるのは1人だけだし。絶対余るよ。」

ニャリンガ「そうだにゃ!それに あたし達もトンズラしちゃったし…咎める権利はないにゃ」

ルビー「2人の言う通りね…トンズラしたお詫びに配膳台を運ばせて…」


…3人は悲しそうに配膳台をダークさんが待っている食堂場へ運び出した。後ろ姿に哀愁が漂う。

…万が一、ミソスープが無くなったら…もう一回作ろうっと…






…………………
…………………


--食堂場--

「……………」こそっ

私はこっそり壁側から様子を伺う。

私を置いてトンズラしたお詫びに、ルビーちゃん達がダークさんの相手をしてくれるって。みんなっ…ダークさんが怖いのに私の為に…優しいな。

後はダークさんにミソスープとご飯を提供すれば終わり…とはいかなかった。

ダーク「来たか……おい…青目の女は…」

お目当てのミソスープがあるというのに、ダークさんは何故か眉を顰めて、グルルと唸っている。

いや何でだよ!!!

あまりの展開にツッコミを入れてしまう。…えっ何で怒っているの?!待ち時間が長かったから?!


ルビー「ひゅっ…あの…その…」ブルブル

ニャリンガ「アバババ…やっぱり…あたし達じゃ…」

ツバル「ごめんっヨーグルちゃん!来てー!!」ガタガタガタ

…ありがとう。3人はとても頑張ったよ。ガタガタ震えて可哀想に…ウサギとネコとツバメにとって黒豹は恐怖の対象なんだね。

もう大丈夫。後は私に任せて!

私は小走りして、怯える3人の前に出た。



「配膳ありがとうございます!ルビーちゃん、ツバルさん、ニャリンガさん。後は私に任せてください」



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