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異世界でお菓子屋さんを開きました 第三章 本編(和菓子編 後半)
過去話 黒夜と緑⑥
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……………………………………………………………
過去話 黒夜と緑⑥
※黒夜side
………………………………………………………………
牡丹王国 第一王子、雛美火・紅
当時の彼は今と違って冷酷かつ残虐で、
【人間】という種族の存在を
知らなかった。
それゆえ、人間に対しても
非道な行為ができた。
雛美火「黒夜、お前は修行の身でありながら
得体の知らない種族と交わり、
あまつさえ……」
雛美火様は手に妖力を込め、
緑のお腹にあてがい、
眉間に皺を寄せた。
雛美火「子供を作るとは……
あってはならない事だ…」
「…子供っ…僕と緑の…
…っ…知っていながら、
緑に攻撃したのですか…雛美火様…」
雛美火「それがどうした?」
「本気で言っているのですか?!
もし緑とお腹の子に何かあったらっ…」
それがどうした?!ふざけんな!!
もし妖怪が別の種族に攻撃したらわかるだろ!
最悪、死ぬ事ぐらい!!
よくも、よくも、緑とお腹の子を…
汚い手で緑に触れるな!!
雛美火「偉そうに口答えするな!!
黒夜を捉えよ!!」
ジャキッ!!
護衛の2人が僕を捉え、
攻撃できない様…僕の首元に
刀が向けられる。
護衛の1人は翠狐様…
2人とも悲痛な表情を浮かべ
カタカタと微かに刀を震わせている
嫌々、やらされている事が分かった。
雛美火「さて…この女はどうしようか?
牡丹王国に連れて行ったとして…
生まれてくる赤ん坊が
…得体の知らない物だったら困る
……いっそ殺してしまおうか」
「やめてっ!!殺さないで!!!
お願いっ…雛美火様
緑は僕の大切な家族なんだ!!」
雛美火「うるさい 黙れ
お前たち黒夜を気絶させろ」
翠狐「…しょ…承知致しました」
(黒夜…大丈夫 僕達であの娘さんを
生かせる様になんとかするから…)
「………っ」
護衛2「………………」
(すまない…黒夜…
今は大人しくしてくれ…)
護衛の1人が手に妖力を溜め
僕の頭を掴んで…
護衛2「ーーーーー(呪文)っ!!」
呪文をかけた。
「やだっ…嫌だ!!緑っ……っぅ…」
直に呪文を受けた事により
だんだんと意識が遠のいて…
「…………み…ど…り…」
バタン!!
目の前が真っ暗になった。
…………………………………………………………
……………………………………………
………………………………
……………………
「………………」
そして、意識が戻った時は、
僕は牢獄の中にいて
雛美火様が独自に決めた
【違う種族と交わってはいけない】と言う
罪状で…
10年間…罪を償う事になった。
この暗い牢獄の中で…
もちろん、
修行を受ける権利もなくなったが、
修行なんてどうでも良かった。
「緑ぃ………『真澄』…会いたいよ……
ぅぅ…ひっく…」
翠狐様から聞いたんだ
緑は生きている だけど…
僕と過ごした記憶を消されたって…
9ヶ月後、女の子を産んだって…
僕と緑の子供…『真澄』を…
ああ、側にいたかった
真澄を抱っこしたかったな…
あの時の僕は緑と真澄に思いを馳せ
ぼろぼろと涙を流す事しか
出来なかった。
泣いて、
泣いて、
泣いて、
ようやく涙が出なくなった頃…
僕はある一つの決心がついた。
「………2人を守れる位 強くなってやる
雛美火様よりも…」
僕に力があったら、
きっと、2人と離れ離れに
ならなかったかもしれない
今頃、きっと3人で幸せな日々を
送れていたかもしれない…
「刑が終わるまで…あと9年か……」
…なら!!
「護衛さん!お願いがあります
術の書物を持って来て
くれませんでしょうか」
罰を終えたら、2人を迎えにいく、
3人で暮らせる様…今のうちに
準備をしなくては…
こうして、僕はまた
気を引き締めて修行を始めた。
【過去話 黒夜と緑 終わり】
過去話 黒夜と緑⑥
※黒夜side
………………………………………………………………
牡丹王国 第一王子、雛美火・紅
当時の彼は今と違って冷酷かつ残虐で、
【人間】という種族の存在を
知らなかった。
それゆえ、人間に対しても
非道な行為ができた。
雛美火「黒夜、お前は修行の身でありながら
得体の知らない種族と交わり、
あまつさえ……」
雛美火様は手に妖力を込め、
緑のお腹にあてがい、
眉間に皺を寄せた。
雛美火「子供を作るとは……
あってはならない事だ…」
「…子供っ…僕と緑の…
…っ…知っていながら、
緑に攻撃したのですか…雛美火様…」
雛美火「それがどうした?」
「本気で言っているのですか?!
もし緑とお腹の子に何かあったらっ…」
それがどうした?!ふざけんな!!
もし妖怪が別の種族に攻撃したらわかるだろ!
最悪、死ぬ事ぐらい!!
よくも、よくも、緑とお腹の子を…
汚い手で緑に触れるな!!
雛美火「偉そうに口答えするな!!
黒夜を捉えよ!!」
ジャキッ!!
護衛の2人が僕を捉え、
攻撃できない様…僕の首元に
刀が向けられる。
護衛の1人は翠狐様…
2人とも悲痛な表情を浮かべ
カタカタと微かに刀を震わせている
嫌々、やらされている事が分かった。
雛美火「さて…この女はどうしようか?
牡丹王国に連れて行ったとして…
生まれてくる赤ん坊が
…得体の知らない物だったら困る
……いっそ殺してしまおうか」
「やめてっ!!殺さないで!!!
お願いっ…雛美火様
緑は僕の大切な家族なんだ!!」
雛美火「うるさい 黙れ
お前たち黒夜を気絶させろ」
翠狐「…しょ…承知致しました」
(黒夜…大丈夫 僕達であの娘さんを
生かせる様になんとかするから…)
「………っ」
護衛2「………………」
(すまない…黒夜…
今は大人しくしてくれ…)
護衛の1人が手に妖力を溜め
僕の頭を掴んで…
護衛2「ーーーーー(呪文)っ!!」
呪文をかけた。
「やだっ…嫌だ!!緑っ……っぅ…」
直に呪文を受けた事により
だんだんと意識が遠のいて…
「…………み…ど…り…」
バタン!!
目の前が真っ暗になった。
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「………………」
そして、意識が戻った時は、
僕は牢獄の中にいて
雛美火様が独自に決めた
【違う種族と交わってはいけない】と言う
罪状で…
10年間…罪を償う事になった。
この暗い牢獄の中で…
もちろん、
修行を受ける権利もなくなったが、
修行なんてどうでも良かった。
「緑ぃ………『真澄』…会いたいよ……
ぅぅ…ひっく…」
翠狐様から聞いたんだ
緑は生きている だけど…
僕と過ごした記憶を消されたって…
9ヶ月後、女の子を産んだって…
僕と緑の子供…『真澄』を…
ああ、側にいたかった
真澄を抱っこしたかったな…
あの時の僕は緑と真澄に思いを馳せ
ぼろぼろと涙を流す事しか
出来なかった。
泣いて、
泣いて、
泣いて、
ようやく涙が出なくなった頃…
僕はある一つの決心がついた。
「………2人を守れる位 強くなってやる
雛美火様よりも…」
僕に力があったら、
きっと、2人と離れ離れに
ならなかったかもしれない
今頃、きっと3人で幸せな日々を
送れていたかもしれない…
「刑が終わるまで…あと9年か……」
…なら!!
「護衛さん!お願いがあります
術の書物を持って来て
くれませんでしょうか」
罰を終えたら、2人を迎えにいく、
3人で暮らせる様…今のうちに
準備をしなくては…
こうして、僕はまた
気を引き締めて修行を始めた。
【過去話 黒夜と緑 終わり】
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