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3章:探求
お守り
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初めての異界、初めて出会う異界の住人、初めての戦闘――……初めてだらけの氷華界の出来事。
気が付いたらこの世界に帰還していた。
「……戦闘能力は、俺と銀華だけでなんとかなるだろう」
黒板の怪異のときに、鬼の姿になった紬。そのときの姿を思い出し、架瑠はじっと彼を見つめる。
「……そういえば、紬くんのあの姿、自由自在なのかい?」
「ああ。家で試してみたから、間違いない」
「た、試してみたの?」
凪から聞いたらしく、九鬼家にいる人たちが『見たい!』と彼に迫ったらしい。仕方なくやってみたら、あっさりとあの姿に変身できたと紬は肩をすくめた。
「そういえば、なんでお前、アレが俺だってわかったんだ? 自分でいうのもなんだが、この姿とは雲泥の差だっただろう?」
その言葉を聞いて、架瑠はあの日の紬の姿を思い浮かべる。
紬の言う通り、今の姿とはまったく違う。なのにどうして、佑心は確信をもって言い切れたのだろうか、と疑問を抱いていると、彼は「そうだったかな?」と首を傾げた。
「覚えてないのかよ……」
「いやぁ、だって架瑠くんが絶体絶命っぽいときに、戦っていたから、紬くんかなぁって思っただけだよ」
ひらひらと手を振って笑う佑心に、紬ははぁ、と重々しくため息を吐く。
「まぁ、それはともかく。架瑠は気をつけないとね。お守りとか持っているかい?」
「は、はい。合宿だからって、蓮也さんがたくさん持たせてくれました」
今日から合宿が始まるので、その前に蓮也は大量にお守りを架瑠に持たせてくれた。
いつも両親の形見を入れている水色の小袋にも、小さなお守りを入れてくれた。そのことを思い出し、ふっと表情を和らげる。
黒ずんだ血文字は黒板に残ったままのため、一度全員で校内から出ることにした。
架瑠と紬の担任でもあり、オカルト研究部の顧問でもある龍源に声をかけ、少し遅い昼食を外で摂ることを話すと、すぐに「気を付けてな」と許可をくれた。
晴雪高校の近くにコンビニがある。そこにはイートインも設置されているから、そこで昼食を買って食べることにし、オカルト研究部全員で外に出る。
「いやぁ、すっかり夏だねぇ」
佑心は空を見上げて目を細め、ギラギラと輝く太陽を眺めた。
「この世界って本当に、暑いわね。溶けちゃいそう」
「氷華界に夏はないでしょうから……」
「ええ、ないわ。ずーっと氷点下よ。だから、この暑さはすっごくつらいわ……」
日傘をさしながら、ジト目で恨めしそうに太陽を見つめる銀華。茉莉が苦笑を浮かべて、ハンディファンの風を彼女に当てている。
「こゆきも溶けちゃいそう……」
銀華の肩からひょっこりと顔を覗かせたこゆきに、年々暑くなっている夏に架瑠は空を見上げ、目に痛いほどの晴天を眺めてから、視線を銀華たちに戻す。
「コンビニに入れば、涼しいはずだよ」
気が付いたらこの世界に帰還していた。
「……戦闘能力は、俺と銀華だけでなんとかなるだろう」
黒板の怪異のときに、鬼の姿になった紬。そのときの姿を思い出し、架瑠はじっと彼を見つめる。
「……そういえば、紬くんのあの姿、自由自在なのかい?」
「ああ。家で試してみたから、間違いない」
「た、試してみたの?」
凪から聞いたらしく、九鬼家にいる人たちが『見たい!』と彼に迫ったらしい。仕方なくやってみたら、あっさりとあの姿に変身できたと紬は肩をすくめた。
「そういえば、なんでお前、アレが俺だってわかったんだ? 自分でいうのもなんだが、この姿とは雲泥の差だっただろう?」
その言葉を聞いて、架瑠はあの日の紬の姿を思い浮かべる。
紬の言う通り、今の姿とはまったく違う。なのにどうして、佑心は確信をもって言い切れたのだろうか、と疑問を抱いていると、彼は「そうだったかな?」と首を傾げた。
「覚えてないのかよ……」
「いやぁ、だって架瑠くんが絶体絶命っぽいときに、戦っていたから、紬くんかなぁって思っただけだよ」
ひらひらと手を振って笑う佑心に、紬ははぁ、と重々しくため息を吐く。
「まぁ、それはともかく。架瑠は気をつけないとね。お守りとか持っているかい?」
「は、はい。合宿だからって、蓮也さんがたくさん持たせてくれました」
今日から合宿が始まるので、その前に蓮也は大量にお守りを架瑠に持たせてくれた。
いつも両親の形見を入れている水色の小袋にも、小さなお守りを入れてくれた。そのことを思い出し、ふっと表情を和らげる。
黒ずんだ血文字は黒板に残ったままのため、一度全員で校内から出ることにした。
架瑠と紬の担任でもあり、オカルト研究部の顧問でもある龍源に声をかけ、少し遅い昼食を外で摂ることを話すと、すぐに「気を付けてな」と許可をくれた。
晴雪高校の近くにコンビニがある。そこにはイートインも設置されているから、そこで昼食を買って食べることにし、オカルト研究部全員で外に出る。
「いやぁ、すっかり夏だねぇ」
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「氷華界に夏はないでしょうから……」
「ええ、ないわ。ずーっと氷点下よ。だから、この暑さはすっごくつらいわ……」
日傘をさしながら、ジト目で恨めしそうに太陽を見つめる銀華。茉莉が苦笑を浮かべて、ハンディファンの風を彼女に当てている。
「こゆきも溶けちゃいそう……」
銀華の肩からひょっこりと顔を覗かせたこゆきに、年々暑くなっている夏に架瑠は空を見上げ、目に痛いほどの晴天を眺めてから、視線を銀華たちに戻す。
「コンビニに入れば、涼しいはずだよ」
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